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この世界はループしている  作者: RPGをツクル
アスタの章
1/6

地獄

この世界は地獄だ。




闇。辺り一面を包み込む闇。


闇の中に村がある。


一見すると、住居が立ち並び、人が住んでいる形跡がある。


しかし、村は不気味なほどの静寂に満ちており、人の気配がほとんどない。


中央には、禍々しく蠢く球体が浮かんでいる。


その球体の側には、漆黒のローブを羽織り、深々とフードを被った、人の姿をした何かが立っていた。


その何かが呟く。


「貧相。所詮、片田舎の村なんてこんなものか」


右手には、ちょうど片手で収まる位の金貨や宝飾類がある。


闇のせいか、その手もまた漆黒であり、およそ人のものとは思えない。




そこから少し離れた位置に、血塗れで今にも命が尽きそうな男が1人、地面に這いつくばっていた。


男が、ローブを羽織った何かに問いかける。


男「お、お前が、みんなを。なんでこんなことを」


問いかけに反応する何か。


男の方を向き、ゆっくりと近づいた。


「意外。少しは頑丈なのがいたか。だが、、、」


そう言うと、男に向かって空いている左手を振り下ろす。


手からは、刃の形をした影が放たれた。


影は、男の背中に当たるや否や、「ざくっ」という鋭い音と、深く大きな傷跡を残して消えた。


男「うっ、、、かはっ」


吐血する男。


傷跡は、まるで大きな斧に切りつけられたかのように広く、止めどなく血が流れ出ている。


男の目から涙がこぼれる。


男「...さん....さ...ん....めん...」


聞き取れない位の小さな呟きをし、男は息絶えた。


「終生。無意味な人生だったな人間」


男が息絶えたことを確認し、何かはその場を後にした。



再び静寂が辺りを包む。


暗く止まった世界で、ただ球体だけが怪しく蠢めいている。


球体の蠢きが一層激しくなると、辺りの景色を黒く塗り潰していった。

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