ショートショートショート(ホラー)
仕事の帰り道、公園を通ると子供が泣いていた。
「お兄ちゃん...お兄ちゃん...どこ行ったの?」
私は迷子の子に声をかけた。その子は、私の住んでいるマンションの隣に住んでいるらしい。
「よしよし、お家まで送ってあげるからね。」
そう声をかけ、家路へとつく。
「いや~こんな事があってさ」と今日の出来事を妻に話す。
キョトンとした顔の妻。
「あなた、本当にその子、お兄ちゃん、お兄ちゃんと泣いていたの?」
「そうなんだよ、可哀想だよなあ~」
「本当にお兄ちゃん、お兄ちゃんと泣いていたのね?」
「だから何度もそう言ってるじゃないか」
妻は不思議そうな顔をしてこう言った。
「私、その隣の家と知り合いだけど、あの子、独りっ子よ」