平凡男子高校生のSUPER HERO LIFE~外伝~【ボスキャラ大移動リレー小説】第二部
この作品の時系列は本編第二章8話から9話の間です。
まずはyukke様の作品をご覧ください
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ここは三英市。東京23区に隣接するどこにでもありそうな町。しかし、この世界にはスーパーヒーローがいる。そのスーパーヒーローの中でも、知名度が高く、人気も高いスーパーヒーロー、キャプテン・スカーレットはここ三英によく出没するともっぱらのウワサだ。
現在は午前三時。人通りは全く無く、三英市は不気味なほどの静けさに包まれていた…
しかし、突然その静けさを破る者が姿を現した。
『ギギッ!最高だ…この世界には負の気がかなり多く漂っている!とりあえずこの世界から俺様のモノにしてやるぜ!ギギッ!』
そう言って、怪物は闇夜に消えていった…
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
『た、大変だ~!起きてよ勇!』
彼はバト。キャプテン・スカーレットをサポートするコウモリ型人工生物だ。
「うるせーよ!朝からでかい声出すな!」
そしてこの見るからに冴えない男子高校生こそ、キャプテン・スカーレットこと赤城勇である。
『とりあえず外!外を見て!』
「ったく…外がどうしたんだよ…」
彼は渋々窓を開けるが、そこに広がる景色は、あまりにも信じがたいものだった…
「あ、あれ?今って夜だっけ?いやいや、この時計は午前七時を指している…」
『そうなんだよ!何故か朝がやって来ないって日本中が大パニックなんだ!』
「あ、朝が来ない!?た、大変じゃねぇか!もしかしてウツロの仕業か?」
『いや、最初はウツロだと思ってたけど、どこからもウツロの気が察知出来ないんだ!』
バトの言葉からするに、今回はウツロの仕業ではないが、ウツロじゃない何かがこの騒動を起こしているってことか…
『ってことで勇、三英駅前で咲也も待っているから、出動するよ!』
「ああ、これはかなりヤバいことだからな」
『じゃあ着替えてから変身してね』
「おう」
俺はお洒落には興味無いから着替えには30秒も要らない。さっさと着替えを済ませて机に置いてあるレッドサン(変身アイテム)を手に取る。
『準備ができたようだね!じゃあ変身だ!』
勇が変身アイテムを構えた瞬間、勇の目つきが変わる…
「ああ!準備OKだ!いくぜ!変身ッ!」
彼は一瞬でキャプテン・スカーレットとなった。ちなみに彼は二重人格で、変身すると熱血系になる。そしてボサボサの髪が整えられ、整えられた顔立ちが露になる。
「よし!行ってくる!」
『うん!頼んだよ!スーパーヒーロー!』
こうして彼は三英駅を目指し、夜空の中へと飛びたった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「ひゃ~!真っ暗!これで朝ってどうなってんだ?」
ここは三英駅前。本来ならこの時間は通勤者でごったがえしているが、今日は皆気味悪がって家から出ないせいか、人っ子一人居やしない。
「おーい!勇さーん!」
「おおっ、咲也!」
向こうからやって来たポニーテールの美少女ヒーローは、マキシマム・サイキッカーこと桃山咲也。あんな見た目でれっきとした男、つまり男の娘である。
「なんか手掛かりでも見つけたのか!?」
「はい!この事件の元凶がここにいるってことが分かりました!」
「おおっ!これで相手の尻尾が掴みやすく…って相手がここに!?まだどんな奴かもわからないのに!?俺達何気に危険じゃない!?」
「おい!お前ら!上だ!」
「「えっ?うわっ!」」
俺達に警告してくれたのはミッドナイト・スナイパー。何か理由があって仲間を作らないスーパーヒーローだ。アイツも来てたんだな。
そして俺達のいた場所には、小さなクレーターが出来ていた。そしてクレーターの中央に、変な怪物が鎮座していた…
『ギギッ!強そうな奴が三人も!よし!コイツらの能力をコピーしてやる!』
「お、お前は誰だ!」
『おっと、自己紹介がまだだったな。俺様は悪の大妖怪世壊シ。世界を恐怖に陥れる存在さ!』
「よ、妖怪!?じゃあウツロじゃないってこと!?」
「ああ、そうらしいな…本当ならアイツは俺一人で始末したいんだがアイツはウツロの数倍強い…今回ばかりはお前らにも戦ってもらいたい」
「ああ!最初からそのつもりだ!ミッドナイト・スナイパー!」
「ええっ!?彼がウワサに聞いてたミッドナイト・スナイパーですか…はじめて見ました!」
「ああ、よろしくな」
今ここに三人のスーパーヒーローが集まった。これならアイツにも勝てる!
『ギギッ!準備は出来たようだな!じゃあコッチからいかせてもらうぞ!玩具生成!』
すると巨大な竹とんぼが突風巻き起こし、こちらに向かってきた。
「た、竹とんぼ!?なんつー技だよ!?しかも強い!」
「くっ…強い!だが俺も負けてられねぇ…!レインショット!」
無数の弾丸が世壊シを襲う。しかし…
「す、すり抜けただと!?」
『ギギッ!その通り、俺様は相手の攻撃がすり抜けられるのさ!』
「何それチート過ぎない!?」
『ギギッ!しかもそれだけじゃない!こんなことも出来るのさ!』
「う、うわっ!?か、体が勝手に引き寄せられる!?」
「それだけじゃないです!僕達の体が動きません!」
マジか…アイツ、空間が自由に支配出来るのか!?こう考えてる内にも俺の体はアイツに近づいている…クソ!こうなりゃヤケだ!
「バーニングフィスト!」
『ギギッ!掛かったな!能力コピー!』
「何!?」
アイツの目が赤く光り、俺の何かがコピーされた。
『ギギッ!能力ゲット!じゃあ早速!バーニングフィスト!』
「アイツ…バーニングフィストをコピーしやがった!クソ!だったら!サンダーフィスト!」
『ギギッ!?ま、眩しい!』
世壊シが目を閉じると、なんと俺の攻撃はソイツにクリーンヒットした。
「分析完了!分かりました!アイツは目を閉じている間は空間を支配出来ません!」
「なるほど!眩しさで目を閉じたからってことか…」
「マキシマム・サイキッカー!ミッドナイト・スナイパーに属性攻撃化を!」
「はい!属性攻撃化!」
「おお…何かしびれるエネルギーが湧いてくる…!」
『ギギッ!?しまった!』
よし!行ける!アイツを倒せる!
「何だかわからんがやってみるか!レインショット!」
すると電気を帯びた光り輝く弾丸が乱射される。
『ギギィッ!眩しい!眩しすぎる!目が開けない!』
「どこ見てんだ?バーニングフィスト!」
『ギギィッ!?』
「じゃあ僕も!ブラックメテオ!」
『ギギィッ!クソがぁっ!』
もはやリンチ状態。もうこれ勝ち確じゃん…
しばらく攻防が続くが、世壊シが大きな隙を見せた。
「今だ!アイツを殺れ!」
「ああ!必殺!サンシャイン・ブレイク!」
太陽のように燃え盛る球体を拳に纏い相手に放つキャプテン・スカーレットの必殺技。これを喰らえば流石に世壊シもたまったもんじゃない。
『ギッ!?ギギイイィッ!』
激しい爆風が吹き荒れる。今のは決定打になったが世壊シを倒せたかは分からない。
「やったか!?」
煙が引いた。しかしそこには平然と立っている世壊シの姿があった。
『ギギィ…なかなかやるようだな…まぁ能力はゲットできたしズラかるとしよう…あばよ!』
「お、おい!」
一瞬の出来事だった。世壊シが一瞬にして闇夜に消えていった。
彼が消えた刹那、三英市に朝が戻った。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「な、なんだったんだアイツ…」
「僕も分かりません…」
「まぁこの世界の危機は免れたってことだ、まぁこの世界以外のどこかはどうなってるか知らんが…」
「確かにな…でも何だか大丈夫な気がするんだ」
「それってどういうことですか?」
「きっと他の世界にもスーパーヒーローはいる!見た目や目的も違うかもしれないけどきっとアイツには負けないさ!」
「フッ…そうかもな…じゃあ俺は行く。次は俺一人で充分だ」
コイツ…あんなに俺達と息合ってたのにまだ仲間にならないつもりかよ!?
「おい!ミッドナイト・スナイパー!俺達の仲間になれ!」
「何度言ったら分かる…俺はお前の仲間になるつもりはない!…でも、お前達の強さ、少しは認めてやる。じゃあな…」
そう言ってミッドナイト・スナイパーはどこかへ行ってしまった。
「行っちゃいましたね…」
「ああ、でも少しアイツに近づけた気がするんだ」
「確かにそうかもしれませんね!」
「なぁ咲也、アイツの正体を暴こうと思うんだが、手伝ってくれるか?」
「えっ?正体を暴くんですか!?でもまぁ面白そうだし引き受けます!」
「ありがとよ!よし!じゃあ帰るか!」
「はい!」
こうして、この世界の危機は免れた。しかし他の世界にも奴は絶対現れる。
でもきっと、他の世界も守られる。平和を愛する英雄達によって…
次の話は木野二九様の作品です!
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