一話 帰宅部の面々
「菱川高校、雑多で多種多様な部活ー多分六十は超えているーを有しそのいずれもが大会で優秀な成績を残している。
中でも古株、サッカー、バスケ、テニス、美術、吹奏楽、そして帰宅部が屈指の強さを誇る強豪マンモス校」
「おいおい、どう考えても致命的に間違ってるだろ」
職員室の隣、生徒指導室にて本日も帰宅部は集っていた。
因みに最初にハードなボケをかましたのが俺、秋瀬紀卓のソウルフレンドでオールバックの髪型がナイスな、御仏和尚。ツッコミを入れたのが我らが部長、田中ポリスメンだ。
「帰宅部以外弱小じゃねぇか」
田中ポリスメン部長は一つ上の先輩で日本人と金持ちアメリカ人?とのハーフ。
色素の薄い瞳を薄型眼鏡で隠すクールなハンサムだ。
決してアゴは長くない。
あ、あとヘイ、ポリスメンと言うとプンスコして面白い。
「さて、今日はどうする?」
「取り敢えず帰宅するか?」
とー御仏和尚が机に両手でバンとする。
若干煩い。
「帰宅とは何か、考える必要があるとおもわないか」
確かに、と同調するポリスメン。
「家に帰る。それが帰宅だろ?」
「秋瀬、ごもっともなんだが…こう…な?」
知らんわ。こう…何なんだ?
「成る程、帰宅を想う故に我有り…深いな!!」
それなら我想う故に我有りではなくて?
「つまり、俺たちは帰宅しなければ俺たちでは無いのか…QED!!」
つまり帰宅か。宜しい。
今日の俺は気合いが違う事をお見せしようか。
鞄から取り出すのは…白い厚紙。
「秋瀬、やるのか」
「勿論」
厚紙を丁寧に折り、作ったのは飛行機。
「か、紙飛行機…秋瀬!!」
「I can fiy …」
窓を全開にし厚紙の紙飛行機を飛ばす。
そして助走を付け…。
窓を跳び箱の要領で飛び越え紙飛行機に飛び乗る。
ビューン!!
「良きかな…」
◆◆◆
「さて、俺たちも帰宅しましょう!先輩!」
ポリスメンはおもむろに携帯を取り出し何事か呟くと。
「来たれ我が家ッ!!」
家を召喚した。どうやら家を召喚する際の衝撃に耐えるように言ったらしい。
豪邸が学校に召喚された。
「じゃあ、俺はフツーにチャリで帰りますわ。また明日良い帰宅を」
こうしてたった三人の部活の帰宅は終了する。




