第三話 肉と血の戦い
ゴブリン狩りも終盤になってきたが、 「あ~、だるい。もうゴブリンの顔見たくない」 そんな事を言っているのは、元紳士のヴァンだった。 「お前がやりたいって言ったんだろ!」 「俺は勧めただけだ。というかミールが賛成していただろう」 シンがつっこむも、ヴァンは見事にかわした、というかミールになすりつけた。 「そ、そんなことより次はどんなモンスターが仲間になるのかな~」 「次は人間だ」うまくシンは騙されたが、ヴァンは見逃さない。 「いや、ミールが・・」 「あーあんなところにゴブリンだー」運よくゴブリンの群れが出てきた。 (よし、この戦いを長引かせて・・)そんなことを思うが・・ 「ブラッドスピアー」 と言い、傷口から出てきた血が槍に変化してゴブリンの脳に刺さる。 「お~スゲー」と言うシンを無視して 「これでゆっくり話せる。ゴブリンも狩り終えた。」 「そうだね~」ミールは苦笑いしながら言った。 ===================================== 結局、ミールはミールのテントと借りたテント、10万ゴールドを払った。 帰ったのは昼の11時頃でシンとヴァンは上機嫌だが、ミールは不機嫌だった。 「自分のテントはともかくなんであんたたちのテントまで・・」 ミールの言っていることは正論だが 「ミールが行きたいって言ったからだろ」 もちろんそんなことをミールは言っていないが、そういうことになっている。 「まぁ、二人ともけんかするなよ。飯食おうぜ。」 そして三人は昼ご飯兼今後の方針を立てていた。 「まず、ゴブリンの報酬だ。30万ゴールドだ。」 「15万ゴールドはパーティーに残りを三人で分けて一人5万だ。」 「それとパーティーの金をだれが持つかだが・・」 「それは俺がやろう。」とめんどくさがりのヴァンが言ったが、 「だめ私がやる。詐欺師には任せられない」とミールが言った。 「詐欺師とは失礼だな。報酬-15万の人より信頼はある。」 「信頼イコール所持金にはならないでしょ」 二人が言い争っていると、 「あーもう俺がやるよ」とシンが言った。 ヴァンは仕方ないという顔をして、ミールは納得した顔をした。 「それとヴァンにお願いしたいことがある。」 「なんだ?」 「パーティーメンバーを探し・・」 「断る」即答だった。 「なら勝負しないか?」 「ああ、勝った方が負けた方に命令できるあれか」 「な、なぜわかった・・」 「よくあるやつだからだ。」 「じゃあ勝負内容だが・・」 「ちょっと待て、やるとは一言も言ってない。」 「どんな願いでもいいんだぞ。」 「・・・しょうがない」 「で、勝負内容はじゃんけんか、オセロか・・」 「殺し合い」 「やるなら上の二つは抜きだ。」 「審判はミールな」 「ふぇ!?」 「それじゃあ行くか。」 ===================================== ステージは森の中だった。 「殺し合いだけど戦闘不能になるか手足のどれか二本とるまでにしよう。」 「そうしようめんどいし」 するとミールが 「ちょ、ちょっとほんとにやるの?」 「うんヴァンにとっても必要なことだし。」 「・・わかった。じゃあはじめ」 「ブラッドガン」 すると指の傷口から血が銃弾のように出てきた。 「右腕 肆ノ型 盾」 そういうと右腕を切り、前に投げると、盾ができた。 「遠距離は無理そうだな。」 そうヴァンが言うとシンに向かって走ってきた。 「短剣なら・・」 「両腕 陸ノ型 鉄拳」 すると手袋のようなものができた。 「ブラッドナイフ」 (!?ナイフに血が付いただけ) どちらも攻撃しているがあたらない。 (ならば投げ技で・・) 「一本背負投」 見事決まり倒れた。そして 「腕挫十字固」 こちらも決まり右腕が折れた。 (おそらく一分で治るだろう。だからそれまでに決める!!) 「やるじゃないか。なら本気で行くかぁ」 そう気だるそうに言うと、 「ブラッドアーマー エンチャント」 するとヴァンの体が赤い鎧に包まれた。 「な、なんて、高魔力なの」 「ブラッドソード エンチャント」 「行くぞシン!!」 (早い!?) 一瞬でシンの元に来た。 「インファイト」 「くそっ」 ヴァンは急所に正確にパンチを当てていく。最後の一撃でシンの左腕が飛んだ。 「あきらめろ、右腕も治った、お前の負けだ。」 「右足 捌ノ型 太刀」 正座してそういうと太刀になった。 「仕方ない、インファイト!」 (ヴァンの両手のインファイトが当たったら死んじゃうかも) 「だめヴァン!!」 ミールがそういうと 「かまいたち」 シンがそういうとヴァンの両腕はなくなった。 「え!?」 ヴァンとミールがそういった時には勝負は終っていた。 ===================================== ミールは「はっ」と気づくと、 「勝者シン」と言っていた。 「いやー強いなヴァン。」とヴァンの腕を戻しなっがら言った。 「お前の方が強いだろ。」 そんなことを言っているとミールが真の右腕を持ってきて、 「柔道とか剣の腕すごいね~」 「まぁね」 「でも二人とも本気じゃないでしょ」 そうミールが言うと彼らは 「さぁ、わかんないなぁ」と言った。