傍観者ヘカテーによる終章
こうして、想造主は自身が囚われていた罪の呪縛から解放されました。
ですが、また新たな罪に囚われてしまうのでしょう。
そしてまた、同じように罪から解放されるのでしょう。
それは、手法がなんであれ、誰もが繰り返し行うこと。
それは、自身の造り上げた作品を使って。
それは、償いの気持ちに突き動かされて。
それは、罪を断ち切るために決意し行動して。
人は生きていくのです。
大変なこともあるでしょう。
しかし、諦めてはなりません。
諦めるということは、新たな罪の呪縛に囚われてしまうからなのです。
諦めることに屈するより、諦めることに立ち向かう強い想いこそが、罪の呪縛から解放する唯一の手段なのです。
それは、誰もが持つことが出来る剣と同じです。
想造主もまた、あなたたちと同じ一人の人間なのですから――。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
この物語を書くきっかけとなったのは、私が好きな音楽グループである[サウンドホライゾン]5ndストーリーアルバム[Roman]の最後にある曲「11文字の伝言」を聴いたのが理由です。
端的に表すと、[我が子への別れと幸せを願う母親]の曲です。
この曲を聴いて思ったのが、悪行を積み重ねてしまったとしてもアラスゼンは「私が生み出した子供」であることには変わらないと思ったから。
それが大きな理由ですね。
彼の登場はしばらくありません。
ゾンビものの長編にも出てきません。
次に出す予定としては、作中にあった夢を舞台した話の、ボスとしての登場になります。
それは、ゾンビものを書き終えた後から魔王ものの合間に書くと思われます。
最後に、冒頭と同じになりますが、ここまでお読みくださりありがとうございました。