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アラスゼンの罪 前編
これは魔王アラスゼンの罪を、綴ったものである――。
始まりの罪。
闇が開けた空間に数名の男女が倒れている。
その中央には、アラスゼンが哄笑をあげていた。
――これは、我が奴らを滅ぼそうとした時か……。
奴らは想造主を否定した。
否定された想造主は、内なる狂気の中で我を産んだのだったか……。
そして、我を用いて奴らを滅ぼそうとした……。
結果としては滅ぼせなかったか……。
我はただ、己の役割を果たしたかっただけなのだがな……。
二つめの罪。
闇が開けた空間で、光り輝く剣でアラスゼンと戦っている男がいる。
――これは、我と想造主が戦っている時か……。
想造主は内なる狂気で我を産んでおきながら、我を否定したのだったか……。
それは、想造主が自身の罪を自覚したゆえの行動だったのだな……。
だからこそ我は、自身の滅びを迎えた……。
だが、我は残ってしまった……。
それがさらなる罪の連鎖を産むこととなったのだ……。