復讐の刃~その瞳に映るのは憎しみか、それとも悲しみか~ 予告編
思いついたので書いてみました。
これを見て感想をくれると嬉しいです。
少女は幸せだった。愛しい人と共に過ごす毎日が
だから少女は幸せな毎日が続くと信じていたし、続いて欲しいと願っていた
だが
その願いは叶うことはなかった
「お前は……生きろ……生きて……くれ……」
「コースケ!?目を開けてくれよ!コースケ!!」
突然迎えた、愛しい人との別れ
「お前だけは……お前だけは許さない……!!必ずアタシの手で殺してやる!!!」
「それは楽しみだ。やってみせろ」
その時少女は誓った。目の前の男を殺し、愛しい人の仇を取ると
そして、少女が誓ってから時は流れ、少女は女性となっていた
「お前、この男のことを知らないか?」
「知ってるが……奴に一体何の用だ?」
「なに、ただの復讐だよ」
女性はあの時の誓いだけを糧に生きていた
復讐を果たすために身体を鍛え、技を磨き、余計な感情は全て捨てた
「もう止めろよ!復讐なんて何の意味もないんだぞ!!」
「例えそうだとしても止めるつもりはねぇ。復讐だけがアタシが生きている理由だ」
頭では解っていた。この復讐に意味などないことを
だがそれでも、女性は復讐の道を歩み続けた
ただそれだけが女性の生きることが出来る唯一の道だったから
女性は復讐の道を歩み続け――
遂に、復讐の時は来た
丘の上にある墓の前に一人の女性が跪いていた。
女性は目を瞑り、ただ無言で祈り続ける。
しばらくした後、女性は立ち上がり、首に下げていたペンダントを墓にかけた。
「……それじゃ、行ってくる。もう少ししたらそっちに逝けると思うからさ……
もうちょっとだけ……待っててくれよ。コースケ」
そう墓に声をかけ、女性は墓から背を向けて歩き出した。
自らの愛しい人を奪ったあの男との決着をつけるために……
その日の夜空には、雲は一切なかった。
あるのは草原を照らす月と夜空に輝いている星のみ。
月が照らし続ける草原に、一人の男が佇んでいた。
男はただ無言で星を眺めていた。
特に理由はない。昔から星を眺めるのは好きだった。
何もかも変わってしまった男にとって、変わることのない唯一の事だった。
男はしばらく星を眺めていたが、背後に人の気配を感じ、
星から視線を外してゆっくりと振り返る。
そこには自分が待ち続けていた宿敵の姿があった。
「いい夜だな」
男は雑談でもするように宿敵に声をかける。
宿敵は笑みを浮かべてそれに応えた。
「全くだな。こんな日には月見酒と洒落込みたいんだが……」
「そういうわけにもいかない……そうだろう?」
「あぁ……その通りだ」
男がそう言った瞬間、二人は殺気を放つ。
もう語ることはなかった。
今二人の間にある物は如何にして相手に勝ち、その命を奪うか。
ただそれだけのみ。
この勝負に勝つのは
愛しい人を殺され、ただ復讐のために生き続けてきた女か
それとも、その女の愛しい人を殺し、復讐に来ることを待ち望んでいた男か
長年に渡る因縁の対決が、今始まった。
復讐の刃~その瞳に映るのは憎しみか、それとも悲しみか~
近日、連載開始