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そこでは五人の戦う少年少女達と、うずくまる一人の少年がいた。
「なめんじゃねぇぞてめぇ!」
荒々しく逆立った茶髪の少年がかろうじて人型を保つ程度の異形に拳をたたきこむ。
「うっとうしいわ、どこかいってよね」
と言いながらどこかツンツンした印象のある少女が体内で練った魔力を指先から放出し、魔法陣として空中に描き出して言葉により発動する。
『駆け抜ける豪炎』
その言葉と同時に魔法陣から出た豪炎は辺りを焼き、うっとうしく這いまわっていた芋虫形の魔物を一掃した。
「ここで留まってくださいね」
「みんなを守る!」
一人は幻影により撹乱し、一人は堅牢な防御でもって、二人がかりで圧倒的な存在感を放つ敵を押しとどめていた。
「安らかにお眠りなさい」
聖女のような雰囲気を身に宿した少女の優しい声によって周りの魔物は浄化され消滅してゆく。
そしてうずくまる少年の心は絶望で満ちていた。
「な、何なんだよあの化け物はさぁ…」
当然答える者はいないがみんなが少しずつ殲滅していくうちに彼の心には光がさし始めていた。
皆が最後に圧倒的な存在感を放つ敵に取り掛かった時には彼の心に希望が見えてきた。
「こ、これならいける。生きて帰れるんだ!」
その言葉を発したとたん、五対一の戦いに劣勢の様子を見せていた敵が喋り出した。
「もう遊びはやーめた」
「…は?」
彼は何を言ってるんだこいつ?と思ったがその後の行動で彼の小さな希望はついえた。
少年が放つボディーブローを軽く受け止め、少年に対して同じことをする。
グチャ
という音がしたと思ったら敵の拳は少年の腹を貫通していた。
同時に少女が炎を放っていたが、そんなもの歯牙にもかけず炎の中を駆け抜け、至近距離で少女と同じ魔法を放った。
灰すらも残りはしなかった。
幻影も堅牢な縦の防御も関係なしに周囲に衝撃波を放ち、文字通りに吹き飛ばした。
そのまま何かをつぶやき続ける少女の首をへし折った。
その後こちらに近づいて
「もし死後の世界があったとするなら、君たちはちょっとだけ面白かったかな?って伝えておいてね」
彼は遠くから声が聞こえたような気がして、その後意識を絶った。