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「ねぇ、起きて秋人」
最初の一声はそれだった。
目の前には見た事もない金髪の女の子が居た。
目覚めの悪い日だからこそ寝ぼけているらしい。
「寝なおすか。」
「ちょっと、布団を黙ってかけなおさないでよ。」
この夢はなんだかうるさい。視聴者の方が居るとしたら気づいてもらえると思うが、夢にしては自己主張が強い。
「うるさいぞ、夢。俺は明日が学校なの。つまり、お前の相手してる暇無いの。分かるか?」
「分かんないもん。ミミは気づいたらココに居たんだからちょっとは可愛がれ。ばかぁ。」
夢は自分に名前までつけ始めた。
確かに俺はちょっぴりそういう趣味があるから女の子がメイド服でベッドの上に四つんばいで無い胸の下に俺…。
これってエロゲシチュじゃね?
布団から飛び起きる。ついでにミミも飛び跳ねてベッドの下に正座をする。
「ミミちゃんはどこから来たの?」
興奮が抑えきれない。
「フランスから今さっき帰ってきたの。後、『ちゃん』付けきもいよ。」
「もしかして君は俺の隠された義理の妹とかそういうの?」
「頭沸いてるんですか?」
この幼女は口が悪いようだ。つまり…アレかツンデレか。
「ツンデレなら話が早いさっさとデレろ。」
「思った事を口に出すな。気持ち悪い。」
「分かった。実は俺が子供のころに約束した許婚とかそういうの?」
「もう黙れよ。変態。手をわきわきさせながらこっち来るな。」
そう思うと可愛いぞ二次元から出てきたとしか思えないようなツルペタなボディも可愛く見えてくる。頭につけた猫耳もGOODだ。
「分かったぞ。俺を喜ばせる為にやってきた宇宙型アンドロイドだな。外は寒かっただろ。さぁ早くベッドにお入り。」
「話聞けっての。」
ミミはめんどくさそうに首を振ってボソッと呟いた。『家族だよ。』と…。
その瞬間秋人の時間は止まった。
冬の空は澄んでいた。