表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
肥ノ国立志伝~戦国制度革命史  作者: 日野龍哉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/24

第19章 大規模強襲作戦

この文章は生成AIの力を借りながら、細々と進めています。ご了承ください。

挿絵(By みてみん)

 肥前国、佐嘉城。

 龍造寺隆信は長く地図を見ていた。

 長崎、長与、神浦。

 西彼杵半島の山と海に囲まれた町。

 隆信はゆっくり言った。

 隆信は地図を見ながら呟いた。

「……城が見えぬ。」

 そして続けて

「国が見える。制度は崩せぬ。」

 家臣が顔を上げる。

「殿?」

 隆信は地図を叩く。

「役所、奉行、人事、制度。」

 日野の国は兵で動いていない。仕組みで動いている。

 隆信は続けた。

「だが。」

 少し間を置く。

「制度を支えるものは何だ。」

 沈黙。

 家臣の一人が言う。

「人。」

 隆信。

「物。」

 別の家臣。

「金。」

 隆信は頷く。

「そうだ。米、塩、椎茸、海産、南蛮の品。」

 隆信の指が長崎を指した。

「全てここへ集まる。」

 しばらく沈黙。

 そして言った。

「ならば。」

 静かな声だった。

「基盤を壊してやろうではないか。」

 評定の空気が変わった。

 これは戦ではない。都市破壊戦だった。


 隆信は兵を三つに分けた。

 一つ目、琴海針尾。西彼杵半島の北口。ここから山道を抜ける。狙いは神浦。

 二つ目、嬉野。肥前平野から西へ。目標は大村。ここを落とせば長崎への補給が乱れる。

 三つ目、有明海、船を出し太良、そして南の諫早。主攻を担当するこの軍の狙いは一つ、日見峠。

 そこを抜ければ長崎、長与、日野国家の心臓。

 家臣が言う。

「無茶です。」

 隆信は笑った。

「知っている。」

 少し間を置く。

「だが。」

 隆信の目が光る。

「少弐でもやった。」

 家臣は黙る。

 少弐滅亡。あの時も無茶だった。だが隆信は押し切った。

 隆信は言う。

「日野は城を持たぬ。ならば町を焼く。」

 沈黙。

 隆信は続けた。

「徹底的に潰す。長崎を落とし、日野を終わらせる。」

 そして立ち上がった。

「出陣。」

 龍造寺軍が動き出す。


 神浦城、表情の間。

 空海が報告を読む。

 しばらく黙る。

「来ました。」

 龍重が聞く。

「どこからじゃ。」

 空海。

「全部です。」

 地図を広げる。琴海、嬉野、有明海。

 龍重はしばらく見た。

 そして笑った。

「面白い。」

 空海。

「面白くありません。」

 龍重。

「いや。」

 指を地図に置く。

「隆信は正しい。」

 空海が黙る。

 龍重が言う。

「制度は壊せぬ。だが。」

 少し間を置く。

「都市は壊せる。」

 空海。

「ええ。」

 龍重。

「良い敵じゃ。」

 空海が聞く。

「どうします。」

 龍重は窓の外を見る。

 長崎の港、帆が揺れている。

 そして言った。

「瞳。」

 瞳が振り向く。

 龍重。

「町は城じゃな。」

 瞳は頷く。

 龍重。

「では。」

 少し笑う。

「城で戦おう。」

 空海が言う。

「連合都市群。」

 龍重。

「そうじゃ。」

 長崎、長与、神浦。そして西彼杵の山。

 龍重は静かに言った。

「来るなら来い。ここはもう、城の中じゃ。」


 龍造寺軍が動いた。

 琴海、山道に兵が入る。

 嬉野、大軍が西へ進む。

 有明海、船団が南へ。

 三つの軍がそれぞれの場所を目指す。

 龍造寺隆信は馬上で言った。

「日野。」

 静かな声。

「終わりだ。」

 だが隆信はまだ知らない。

 この戦いが城攻めではないことを。

 それは都市と制度の戦争だった。

 そして長崎連合都市群はまさにその戦のために生まれていた。


 長与郷、日野龍重別邸。

 机の上には三つの文が並んでいた。

 琴海針尾。大村。有明海。

 龍造寺隆信の三方面侵攻。

 空海が地図を見て言った。

「徹底しておりますな。」

 龍重は頷いた。

「敵ながら見事じゃ。」

 空海。

「日野の心臓を狙っている。」

 龍重。

「長崎じゃ。」

 空海。

「はい。」

 少し沈黙。

 龍重は地図を指した。

「三つ来る。」

 空海。

「ええ。」

 龍重。

「三つとも止める必要はない。」

 空海が笑った。

「一つでよい。」

 龍重。

「主攻を見極める。」

 空海が指を置く。

 太良、諫早、日見峠。

「ここです。」

 龍重は頷いた。

「日見峠。」

 長崎の門。切っ掛けの場……そこが主戦場になる。

 龍重は言った。

「残り二つは。」

 少し笑う。

「遅らせる。」

 空海が頷いた。

「天の時、地の利、人の和。」

 龍重。

「全部使う。」


 大村北部。

 龍造寺軍が進んでいた。

 だが進みが遅い。山道に湿地。そして砦。

 永谷一典が山を見ていた。

「来たな。」

 青雲の棟梁が言う。

「三千。」

 一典は笑った。

「多いな。」

 棟梁。

「戦いますか。」

 一典は首を振る。

「阿呆、死ぬるわ。」

 少し間を置く。

「止めりゃいい。」

 それが任務だった。

 青雲の兵が動く。道を削る、橋を落とす、土塁を築く。

 そして夜。山から矢が飛ぶ。

 強襲山岳兵。軽装の兵が山を走る。

 奇襲、退却、また奇襲。

 龍造寺兵は進めず休めず、眠れず。

 一典が言う。

「ここは主攻ではない。」

 棟梁。

「ええ。」

 一典。

「ならば。」

 山を見て言う。

「時間を買う。」


 琴海針尾。海沿いを進む。

 将が言った。

「道が狭い。」

 琴海は山と海の間。

 まともな道は海沿い。

 だが、山道。そこから声がする。

 矢、石。兵が倒れる、将が叫ぶ。

「敵か!」

 しかし姿が見えない。

 山と海、そして霧。

 その時、沖から船が現れた。

 日野水軍。

 龍朋が叫ぶ。

「撃て。」

 矢が飛ぶ。船が揺れる。

 さらに山から兵が降りる。

 希実が先頭だった。

「押せ!」

 奇襲、退却、また奇襲。

 海から矢、山から槍。

 龍造寺兵は進めない。

 龍朋が笑う。

「海と山。」

 希実。

「両方敵。」

 龍朋。

「ここを選んだ隆信。」

 少し間を置く。

「失策じゃ。」

 琴海軍も足止めされた。


 残る一軍。

 有明海から太良、そして諫早。

 ここだけは違った。整然とした軍兵。

 空海が言った。

「主攻です。」

 龍重は頷く。

「隆信も分かっておる。」

 太良から南へ、諫早、その先……日見峠、長崎の門。

 龍重は言った。

「来る。」

 空海。

「ええ。」

 龍重は静かに言う。

「ここで決まる。」

 窓の外。

 長崎の港が見える。帆が揺れている。

 瞳が地図を見ていた。

 連合都市群……長崎、長与、神浦。そして日見峠。

 瞳が言う。

「ここが門。」

 龍重。

「そうじゃ。」

 空海。

「隆信も知っています。」

 龍重は静かに言った。

「来い。」

 少し笑う。

「待っておる。」

 夏の風が吹く。

 龍造寺の主力軍が諫早へ進んでいた。その先には

 日見峠。山と谷の狭間。

 九州史に残る戦場が静かに形を作り始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ