どっちの味方が多いか
呂布との対談した後、伊藤博華は、ジャネットを展開し、空を飛び、元譲達のもとにきた。
「元譲いるか?私だ。博華だ」元譲は、窓を開けて博華を宿の中に招いた。
「元譲よ。呂布殿との対談してきた。彼らは、自分達なりの兵器のあり方を模索してデモ隊を攻撃したようだ。彼女らの大義名分の為にだ」博華は、元譲達に床に座り説明をした。
すると、元譲は「貴女は、呂布を憎んではいないの?」と尋ねた。
「彼女達にも、事情はあるだろうからな。彼女達だって自分の正義くらいある。曹操水葉ではないが、自分の都合という正義が、私にだってある。それが思っていたのと違っただけの話だ。人間同士だろうとアーマードガールズ同士だろうとそれは何一つ変わりはしない。違うのは、考え方の違い。食い違いがあるのは、頭にある根底が違うからだ。全く同じっていうのは、一番胡散臭いと私は思う。違った考えをどう扱うのがが、人間性というものと私は、考えている」元譲の問いに真っ向から博華は、答えた。
「私は、武家から総理大臣になった人を模したアーマードガールズだ。だからこそ、今必要なのは、他者交流も大事だが、自分達の地盤をどのように硬めていくのかを考え、その末に考えたのが、元譲達につくことにしたという結論だ。どっちにもいい顔は、どんな人間だろうと出来はしない。人間だって我々アーマードガールズだって一番難しいのは、自分達の舵取りだ。それがわからない人間こそ、一番愚かだ」伊藤博華の言葉は、重かった。元譲達は、ただ聞くしかなかった。
しばらく沈黙が続き、葉智璢が手を挙げて発言した。
「確かに舵取りが一番難しいのは、私達も理解してます。だからこそ、博華さんに尋ねたい。今後どうする予定なんですか?呂布との交戦に出る予定なんですか?デモ隊の仇撃ちでもする予定ですか?我々、兵器であるアーマードガールズ達を排除しようとした人達を庇うということですか?」
「あっちでいい顔、こっちでいい顔は、どんなアーマードガールズでも、どんな人間でも出来やしないからな。難しい質問だな。私もそのあたりで迷っていたりする。呂布の話に戻るが、彼女達は、彼女達の正義の為にデモ隊を粛正した。あれがなければ、我々は、ずっと指を咥えて見てる他なかった。クーデターが恐ろしいからだ。違うか?私も、それが一番恐ろしかった。暴動を起こしてるのは共産主義者達だ。歴史がそれを証明している。彼らは、それを反省材料にしてないわけです。呂布達は、共産主義という意味では同じだから、私は敵対することにした」伊藤博華は、真面目に答えた。




