自国民の為
「曹操よ!そもそも、なぜ、兵器という言葉があるか?考えた事あるか?」呂布は、急に攻撃を辞めた。
曹操も武器を下ろし、呂布の話に耳を傾けた。
「兵器という言葉の存在だと?考えもつかない。お前は考えたことあるのか?」曹操は、呂布に尋ねた。
「人は、平和、天下泰平という言葉を口にするが、実際は、どうだ?真に平和なら、我々は、戦う理由すらないではないか?人は、自分の都合が悪くなればなるほどその事に目を向けずに消し去ろうとする傾向にある!それが人間の一番の醜い部分であり、それを分かりにくくする為に兵器が作られた。少なくとも、私は、そう思っている」呂布は、曹操の問いに答えた。
「全て綺麗事では、済ましていないのは人間の運命である。その事には、同意する。年寄り連中が邪魔になりそれを消し去った過去を人間は、持っている。運命を受け入れられないから戦う。その為に兵器は、存在する。呂布、貴様は、そう言いたいのか!」曹操は、大声で呂布に叫んだ。
「そうだ!人間誰しも納得のいかないことの一つや二つは、確実に存在し、消し去ろうと考える。その為に我々、兵器は実に好都合な道具ではないか!違うか?曹操」呂布は、笑った。
「人間は、自分の都合しか考えないからな。他人なんて自分の道具でしかない!基本的には、そう考える生き物ではある。武器もそれに加えられていても、確かに不思議ではない。しかし、それを知ったところでだ!呂布、貴様と対立しない理由には、ならないぞ!」曹操は、大声で叫んだ。
「確かに。ならないだろう。私が、今こうして手を止めて話だけをしているのは、いかに貴様を排除するか考えてのこと。戦争でいう停戦状態だ!しかし、こうやって私が、ミサイルランチャーを貴様に向ければ嫌でも戦わざる得なくなる。違うか?」呂布は、武器を曹操に向けた。
「終わりがない戦いになりそうだな!呂布!」巡航ミサイルを呂布に向けて返した。
「平和の為!平和の為!その為に人間は、どれだけの血で大地を貶した?」
「それが人間の平和の為か?」
「実に矛盾した話ではないか!」
「笑えてくるぞ!違うか!曹操!」呂布は、オイルの涙を流し笑いながら大声を上げた。
「確かにもう大量の人間が平和の為に犠牲にはなっている。それは紛れもない事実だ!人間は、いずれは確かに死ぬ。しかし、それが納得いくものか否かは、別の話ではある。それは、兵器である我々とて変わらない。犠牲を払わないと成り立たないこととわかってはいるが納得できるかも、それも別な話であるのは、言うまでもないがな」曹操は、どこか悲しい表情を見せた。




