次鋒 エピローグ
「勝負ありっ!」
脇腹をさすりながら、秋山は試合場から下がる。
「……ごめん」
「ははっ、気にすることはないよ」
待機していた中堅の松笛は笑顔でそんな秋山の肩を叩く。
面を外すと、試合場を見つめながら工藤が投げやりに言う。
「よかったんじゃねぇか? 最後の面」
「……ありがとう」
「す、すごかったよ! リリちゃん! 片手面惜しかったよ! そ、それに体大丈夫? 胴砕けるたとかどんな打撃なの?!」
春風はわたわたと慌てている。
「……ごめん、負けた」
「本当だよ。負けやがって」
「ちょ、ちょっとニナさん」
しかし工藤はニヤリと笑う。
「次は勝てるさ。真剣のやり取りじゃないんだぜ。ただの真剣勝負だ。中学の頃は届かなかった剣も届いたんだ。次はお前が勝つさ。だろ?」
「……工藤のくせにわかってる」
「そ、そうです! 次は勝ちましょう」
秋山はほほ笑み、天井を見あげる。
まだ何も答えなんて出ていない。
悩むことも、分からないこともたくさんある。
それでも負けは終わりじゃない。
あなたもいる、またあなたと交わるその時まで。
もっと強くなる。
令和2年全国高校総体剣道女子団体決勝戦。
百葉創英高校対六道学園。
次鋒戦。
岩本エミ対秋山リリ。
勝者岩本エミ。
そして戦いは中堅戦に続く。
中堅戦。
戸川クルミ対松笛リンナ。
果たして結果は。
読んでいただきありがとうございます。
次鋒編終了です。次回からは中堅編です。早ければ今月中に、おそらくは3月から更新を始めていければ、と思っています。
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ありがとうございました。




