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先鋒 プロローグ

 はじめてなので至らぬ点ばかりです。週に1~2話投稿する予定です。あなたに読んでもらえたら幸いです。

 筆者は毎年夏になると必ず思い出すことがある。


 令和2年夏の全国高校総体剣道女子団体決勝戦。

 前年末から危惧されていた感染症については世界、国内においても流行には至らず。オリンピックによる開催時期変更だけに止まった。

 感染症の流行が騒がれていたころはオリンピックの開催中止さえ噂されていただけに、当時は批判も大きかった政府の過剰な感染防止対策は結果として大成功だったのだろう。

 記憶に残っている理由はもちろんそんな時勢的なことからではない。

 理由は明白、あの日、あの場所で対峙した少女たちの躍動だ。


 10メートル四方の試合場。

 4分という限られた時間。

 そこにすべてが収束する。

 それはその舞台に立つ10名だけではない。

 その場に至らなかった数多くの少女たちの軌跡。

 特別でないわけがない。

 ただその年の、その場所は私には特別に感じられた。少女たちの軌跡が神様のいたずらかのように偶然と必然によって結びついていた。

 その積み重ねが強烈に筆者の目を奪った。


 特に先鋒戦。

 あの試合はあれから何年経った今でもその4分間を振り返ることができる。

 今回、出版社から今までのスポーツ取材の中で心に残った試合に関するルポを書いてほしいとの依頼を受け、真っ先に浮かんだほどだ。

 読者受けのために野球、サッカーの試合を題材に連載を続けてきたがこの連載の最後はこの試合を紹介したい。

 令和2年全国高校総体女子剣道団体決勝先鋒戦。


 2人の少女が対峙している。

 彼女たちが出会ったのは4年前。まだ中学生だったころ。

 天才と呼ばれた少女はその出会いによってその名誉を失った。

 かたや異形と恐れられた少女は最強の称号を手に入れた。

 2人は言葉を交わしたことはない。

 しかし剣を交えたことはある。相手を知るにはそれで充分だったろう。

 最強の少女にとって目の前の少女は数いる対戦相手の1人でしかなく。

 かつて天才であった少女にとって目の前の少女は過去を乗り越えるために倒すべき相手である。

 

 元天才の少女こと、春風ヨウコ。

 最強の少女こと、林道ユウカ。


 運命は今2度目の邂逅を果たす。

 しかしその試合を語るにはまだ早い。少女たちにとってここは起点ではないし、終点でもない。

 様々な人々が少女たちに関わり、その運命はこの場所での交差に向かっていく。

 だからまずはこの物語の始まり、起点から話そう。

 その点は平成25年K県の山奥にあった。

 その点についてまずは筆を執ろう。

 これは2人の少女が令和2年、あの試合場にたどり着くまでのお話。

 ここまで読んでいただきありがとうございます。できれば次話も読んでもらえればうれしいです。

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