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1stステージ

ビュォォォォッッ


「「さむっ!!!」」

目を開けると目の前に広がっていたのはただひたすらに、白、白、白。

一面の雪。いや、猛吹雪。

横には内田さんが立っていて、寒そうに凍えていた。


先程、灼熱の島で汗をかいていたためか、より急激に体の体温が下がっていくのを感じる。

ともかくこのままではまずいと思い、猛吹雪の中を見渡すと何やら岩が削れて空洞になっているところ、つまるところの洞窟というやつだろうか。それを見つけるなり内田さんに声をかける。


「内田さん!あっちに洞窟がある!ひとまずあそこに入ろう!!」


吹雪で声がかき消されないようにできるだけの声で内田さんを呼ぶ。


彼女は顔をあげ、洞窟の存在に気付くとすぐさま頷き二人で洞窟を目指し走った。



「ふぅ……」

なんとか洞窟に入り奥の方までたどり着くと二人して膝から崩れるように倒れた。

突然学校から転移させられた先が猛吹雪の島という予想外の出来事で精神的な疲労が一気に押し寄せてきた。

だが、洞窟に入ったからといって寒さがマシになるわけではない。

洞窟自体もひどく冷え込み、体温の低下もかなりのものだ。


「大丈夫…?内田さん…」

「だ、大丈夫だよ…」


内田さんの様子を確認すると再びあの声がした。


〈これより1st ステージを開始します。クリア条件はステータスより確認可能です。〉


おいおい、何が開始しますだ。こっちは既に遭難しかけたぞ。

といつつもクリア条件というものを見なければ話は始まらないと思い、ステータスを確認する。

すると以下の文が追加されていた。


【1stステージクリア条件】

・30日生き残ること

・生存人数25人以下であること

——————————————————


はぁ!?30日!?この猛吹雪の島でか!?

一ヶ月だぞ……

それに25人ってこれクラスの人数がってことか…?

うちのクラスは30人ぴったり。つまり5人が脱落…死ななければいけない。


「え…」

内田さんもクリア条件を見たのか血の気が引くような顔をしていた。


くそ…

ひとまずは自分たちが生き残ることが先決だ。

だが、外は猛吹雪、今いる洞窟には何もない。これでどう生き残れと…

食料、寝床…考えることは無限にある。


「あっ!内田さん何か能力ない!?」

そうだ、能力があったのを忘れていた。

とりあえずそれぞれ自分のステータスを確認する。



――――――――――――――――――――――――

天野 樹 LV1

HP:30/50

MP:50

攻撃:D

防御:D

俊敏:D

属性:ーー

能力:「異世界☆通販ショップ」

――――――――――――――――――――――――


ん…何度見てもふざけてる能力だ…

しかもHPが減っている…あの吹雪に打たれ続けていたら死んでたのか…。


これ能力どうやって使えばいいんだ…?


そう思って使おうとしてみると突如別のウィンドウが開いた。


『やっほー!異世界☆通販ショップへようこそ!!僕は管理人のA.Iだよ!えーちゃんって呼んでね☆』


「うわっ!」

「ひやっ!どうしたの…?」

いきなり脳内に響く声に驚くとそれにつられて内田さんも驚いていた。が、彼女にはこの声が聞こえていないらしい。


「いや…なんでもないよ。内田さんはどんな能力だった?」

とりあえずウィンドウを閉じ、内田さんの能力を聞いてみる。

「え?でも能力を他人に言うのはだめって…」

「いや、さっきはあいつは〈今は〉って言ってた。たぶんそれはチームを組む段階ではまだ禁止ってことだったんじゃないかな。一応毒見じゃないけど僕から言うよ。」

内田さんはうんうんと頷いてくれていた。

「僕の能力は……異世界☆通販ショップだ。」


「うん…うん…?」


内田さんはポカーンとしていた。

いやそうなるよな。僕もそうなった。

そして何より恥ずかしい。これ以上自分の能力を言うのは禁止云々じゃなくやめようと思った。


「う、内田さんのは!」

「えっと…私のは魔法使いって書いてある」


え?は?何魔法使えんの?

しかもちゃんとした能力名「魔法使い」

え?僕?「異世界☆通販ショップ」ですけど?


「え、ま、魔法使えるの…?」

「わかんないけど【トーチライト-灯火】ってのがある」


よくわからないが火が出せると言うことだろうか、それならこの状況に持ってこいだ。


「つ、つかってみよう!火があれば寒さも和らぐかも!」

「う、うん!でもこれどうやって使うんだろ…えいっ!【トーチライト-灯火】!」


ぽっ


そう唱えると、彼女の白くすらっとした指先に小さな火が宿る


「ひゃ?!あつっ…くない…?」

「おぉっ…!」


なるほどほんとに魔法が使えるのか…

にしても指先についてるのに熱くないのか…

その割には少し離れていても暖かみを感じる火だ。気持ち寒さが和らいだ気がする。


「内田さんそれすごいよ!これで少しは希望が…」


バサっ…

内田さんは急に指先の火を消すと、倒れるように肩にもたれかかってくる

「内田さんっ…?」

いきなり女の子にもたれかかられドギマギしてしまうが内田さんの顔を見ると少し顔色が悪い。

「え、大丈夫?!」

「う、うん…なんか体から抜けてく感じがして気持ち悪い…」


もしかして魔法を使ったせいか…?

「ちょっとステータス覗いてもいい…?」

「うん…ステータス」


――――――――――――――――――――――――

内田 美優 LV1

HP:20/40

MP:75/80

攻撃:A

防御:C

俊敏:C

属性:火

能力:「魔法使い」

――――――――――――――――――――――――


MPが減ってる…魔法を使うとMPが減りその倦怠感のようなもののせいってことか…。

MP自体はそこまで減ってるようには思えないし初めて使ったのもあるかもな

…にしてもHP以外は軒並み俺より能力高いじゃん!レベル一緒なのに!

あれ?レベルがあがるということは…


シャァァァァ!


突如謎の黒い物体がこっちに飛んでくる。


反射神経に身を任せ内田さんを抱き抱えそのまま姿勢を低くして避けた。

急いで後ろを振り返るとそこにはコウモリのようなものが飛んでいた。

ただ、記憶の中にいるコウモリと違うのは凶暴な牙を剥き出しにしているという相違点があるということだが。


「おいおいまじかよ…」

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