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-異世界転移適正実験-

突如現れた謎の声と、その謎の声によって起こされた雷撃で黒こげにされてしまった桑田。


僕らは誰も言葉を発することができなくなってしまっていた。


〈安心してください。彼は死んでいませんよ。ちゃんと加減してありますから。……もっとも、このままでは彼は確実に死にますが〉


「っ…!じゃあどうすれば!」

大池が謎の声に向かって叫ぶ


〈それをこれから説明するんですよ。……くれぐれも今度は私の説明を遮らないようにお願いしますね?…そこの黒こげと同じようになりたくなければ〉


「くっ…」


〈さて、まずは先程お教えしたステータスを確認してください〉


「す、ステータスオープン…」

「ステータスオープン…っ!」

「ステータスオープン…」


驚きで喋ることができなかった皆が少しずつ正気を取り戻し、口々にステータスオープンと唱えていく。


「ステータスオープン」


樹も少し遅れ自分のステータスを確認した。

すると目の前に透明のガラス板のようなウィンドウが出現した。



――――――――――――――――――――――――

天野 樹 LV1

HP:50

MP:50

攻撃:D

防御:D

俊敏:D

属性:ーー

能力:「異世界☆通販ショップ」

――――――――――――――――――――――――


な、なんだこれ…



〈確認できましたか?それがあなた達のステータスです。そしてそのステータスは今は絶対に他言禁止です。黒こげになりたくなければね?〉


今は…?


〈そして次に、このゲームの禁止事項です〉


謎の声は続け様にこのゲームでの禁止事項を話した。

破るとその罪の重さによって罰が下るらしく、現状わかっている禁止事項はまとめると以下の内容だ。


・謎の声…このゲームの神を名乗っていて、その神の言葉を遮ることを禁ずる

・外部との連絡は不可。もちろん携帯は圏外にはなっているため元より不可能だろうが。

・HPが全損するか一定以上禁止事項を破ると死亡となり、元の世界には戻れず消滅する。


〈そして…メインのこのゲームについてです〉


こちらもまとめると以下の内容になった。


・これから僕らは様々な世界を転移することになる。

・目的はただ一つ生き残ることだけ。

・最大5人までのグループを作り挑むことも可能。

・次のステージに進む条件は

  ・一定の日数生き残ること。

  ・一定の脱落者が出ること。

この両方の条件が満たされない限り次のステージには進むことができない。

そしてその脱落者というのは、この世界での死亡者を意味する。



「そんな…」

「ひどいよそんなの…」

「なんだよそれ…!」


皆、唐突に告げられたあまりのひどい内容に絶望した。


「待て、あまりにルールが不透明すぎる!こんなの一体何の意味があるんだ!能力なんか与えて僕らに殺し合いでもさせたいのか!」


<あなた方には関係のないことです。まあこのゲームを最後まで生き残れば知る時が来るかもしれませんが。まあ、頑張って生き残ってくださいね。それと、殺し合いしたければしていただいてもこちらは構いませんが、そんなお遊びをしてるほど私の世界は甘くないですよ>


くっ…このゲームで生き残るためにはグループを作りこれからの世界を決められた日数生き延び、ほかの誰かが死ぬのを待たなきゃいけないってことかよ…


〈さてと、私、そろそろ喋りつかれました。さっさと始めたいのでグループ作ってください。30秒でね。じゃあ、すた〜と〜〉


なんでどんどん喋り方が雑になっていくんだこいつ…

それはともかく30秒しか時間がない!急いでグループを作らなければ。

うちのクラスは27名、5人のグループだと2人余ってしまう。ざっと考えるとベストは4人グループが6組、3人が1組ってところだろうか…


だが、この混乱した状況そんなことを考えられる者などいなかった。


「ゆり!はーちゃん!たっちゃん!かな!組もう!!!」


「く、国光どの!黒田どの!拙者たちも組むでござるよ!」


「大池君!私とあいちゃんもグループにいれてほしいの!」


皆一斉に5人のグループを目指し、それはあっという間に出来上がってしまった。


皆、仲の良い者同士で組む者であったり、誰がなんの能力を持っているのかわからない以上優秀な人物と同じグループを組んだりなどだ。


そして、樹は見事にあぶれてしまった。

ある程度友人がいてもこういうときはほんとうに仲の良い者同士がわかるというもの。

それに特別存在感や特技のない樹では声をかけてもらうこともなかった。


だが、計算上もう1人自分と同じような人がいるはずだと思い周りを見渡すと、端のほうであわあわしている少女を見つけた。

黒く長い髪で整った容姿にもかかわらず、内気な性格のせいで周りと馴染むことのできない内田さんだった。


声をかけようか迷ってる暇なんかないため急いで内田さんの元まで駆け寄る。

「内田さん!僕らで組もう!!」


「えっ…!うん…!」


彼女は困惑しながらも了承してくれたのでこれでとりあえずはグループの完成だ。


〈28…29…30…それではゲームを開始します。ランダムワープ発動します〉


その声でクラスメイトたちのグループが次々と飛ばされていく。


「いくよ内田さん!」


そう言って離れてしまわないように内田さんの手を取ると僕らもまた再び青白い光に包まれた

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