日常の終わり
よろしくお願いします!
9月1日
それはあまりに唐突の出来事だった。
僕は天野樹。都内の高校に通う平凡な高校生だ。
いつものように電車に乗り通学し、教室のドアをあけるとクラスメイトにおはよ〜と挨拶をする。
特別仲の良い友達はいなかったが、それでもそこそこの友達がおり、無難で平和な毎日を送っていた。
今日夏休み明け初日の登校ということで久しぶりにあったクラスメイトたちで賑わっていた。
そして、担任の田中先生が教壇に立ち、朝のHRが始まろうとしていた時だった。
<これより第一次異世界転移適性実験を開始します>
機械のような無機質な声が教室に響いた。
「え、なにこれ?」
「誰か放送室でいたずらでもしてんの?」
クラスの一軍女子達が主となってみんなが困惑し始める。
<繰り返します。これより第一次異世界転移適性実験を開始します>
<空間切断を完了しました。30秒後に転移を開始します。>
「これは…放送室からではない…」
見ると、田中先生が放送を切ったり、音量をいじっているところだった。
にも関わらず繰り返される謎の声。
生徒達をパニックにされるにはあまりにも充分すぎた。
バンバンバン!
「くっそ!なんでだよ!扉があかねぇ!!」
「んだよこれ!」
危機を悟ったクラスのリーダーである大池翔吾とそれに良くつるんでいる不良の桑田健次が教室の扉を開けようと必死にこじ開けようとしたり体当たりを繰り返しているところだった。
そして30秒というものはあっという間にすぎさり、僕らの足元に巨大な魔法陣が展開される。
目を開けていられないほどの青白い光と共に僕は意識を失った。