Two Human Eyes
修学旅行二日目。
俺たちはテーマパークで遊ぶこととなった。遊べる時間は午前十一時から午後五時の六時間。
精一杯楽しもう、この六人で。
俺たちはいざテーマパークを遊び尽くす。
射撃、ジェットコースター、コーヒーカップ、乗馬体験など、できる限りのことをこのテーマパークでやり尽くした。
楽しい時間というものはあっという間に過ぎ、気付けば午後四時。
「なあ次どこ行く?」
「どうしようか。正直どれも混んでるし、今から並んでもな」
どれも一時間待ちで午後五時を過ぎてしまう。
何か空いている場所はないかと探していると、唯一客が一人も並んでいない場所を俺たちは見つけた。
道端で五百円を拾ったようなラッキーが舞い込み、俺たちは少しはしゃいでいた。
しかしそのアトラクションはお化け屋敷、俺としては乗り気ではないが、他の奴らはノリノリだ。
受け付けには女性がおり、彼女は俺たちへ言う。
「二人ずつお入りください」
ということになり、俺は祿怨璽とともにお化け屋敷を探険する。
残りの三人は二人組と一人に分かれることとなった。一人の人には残念申し訳なく思っております。
次々と仕掛けが飛び出すのだが、祿怨璽はいたって平然とお化け屋敷を歩いていた。むしろお化けの方が祿怨璽を怖がりそうな程に、祿怨璽は怖い顔をしてお化けを睨んでいる。
「やめとけ」
祿怨璽は笑いながら怖い顔を向けるのをやめた。
どうやらわざとやっていたらしい。
気付けば出口、意外と速く終わったなと伸びをしていると、後ろから残りの二人が出てきた。
「意外と怖いね」
と言いつつも、二人の顔には笑みがこぼれる。
こいつらはどんだけ恐怖に対して耐久力があるんだよ。そう突っ込みたくなるくらい。
数秒、俺たちは呆然としていた。
それはまるで大金が入った財布を落としてしまったように、それはまるで買ったばかりの新車に傷がつけられた時のように。
振り返ると、そこは更地。
俺たち四人はここで一体何をしていたのだろうか。
確かお化け……なんだっけ?
「山吹君、見ぃつけた」