人って不思議
僕は僕でしかあれないという感覚がずっとある
美しい歌を聴くととても心地良い
自然と触れると癒される
自分の子供に特別な愛情を抱く
これらはきっと僕が本能的に持っている感覚だ
これらのものが人にとって非常に大事な意味を持つから、そう感じるように僕はできている
だから、これらそのものに本当は意味はないのではないかと思う
歌を聞くと黒板を爪で引っ掻いたような不快感を抱き
緑豊かな自然に吐き気を催し
自分の子供に無条件の殺意を覚える
こんな感覚を持つモノも存在し得るはずだ
だが、たぶんそいつの感覚を僕は生まれつき理解できない
自分には無限の可能性があると思う
産まれた直後の自分を真っ白のキャンパスに例えられるかもしれない
どこにどの色を置いてもいい
大人になるにつれ自分なりの絵が出来上がっていく
そして歳をとるにつれ色の深みが増してゆく
でも、一生その枠の外にはみ出すことはないと思う
僕は無限であり有限なのだ
死ぬまで亀には追いつけない
つまり、自分の価値観に限界を感じている
だが、皮肉にもこの価値観の限界があることで僕は価値観の限界を喜んで受け容れることができる