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アリバイを探せ

『学校終わった~!明日の練習はよろしくね!』

『わりとよろしくされるのは僕の方だけど、ね』

カラさんは無事みたい。

とは言っても体とかに傷がついてないとも限らないし、心配だなぁ‥‥‥


「おはようございます。愛先輩早いですね!」

「ん、ああ、おはよう。ちょっと思ったことがあってね、検証しに早めに来たんだ」

愛先輩は自分の仮説を話し始める。


「アリバイ、ですか」

「その時間にその場所に居なかったことを証明できれば、潔白にはなるかなって」

「そもそもメンバーの誰かなんですか?」

「確率としては低くないんだよ。私も信じたくないんだけど、そうらしい」

そもそも入るのに手間が必要だ。

監視カメラだってあるわけだし、外部からの侵入は難しい。

「とは言っても私が潔白を証明できないんだよけどね。私はその時一人だったし」

「私は被害者だし、依沙は目の前で助けてくれたし」

「有益な情報は少ないと思いますよ」


パソコンを取り出し作業する先輩。

と、言うかこれセキュリティうんたらかんたら書いてありますけど弄って大丈夫なやつなんですか、これ。


「見つけた」

やはり三人組。顔には色の違うマスクを被っていた。

体格は三人とも同じくらいなのだが、映像には比較対象が写っていないため、詳しい身長がわからない。


「全部を調べてたらきりがない」

「なんとか次起こる前に阻止したいですね」

「な、なんか悪いことをしている気分だよ。僕の為に‥‥‥」

「何を言っている、君はまだ入って一年だ。こういうときこそ、先輩を頼ってほしい」

「私もいますよ~!!」

「先輩!依沙‥‥‥」

カラさんが可愛い‥‥‥

普段と違う顔を見せる人はどうしてこんなに可愛く見えるのだろうか。



来た人から聞いていこう。

あ、すでに来てはいるけど寝夢先輩は後回しです。

「その時間のつばちは‥‥‥お母さんと帰ってたかな、身内だとアリバイとして確定できないんだっけ?」

「ただ聞いておいてなんなんだけど、津羽井と同じくらいの身長の人っていないような」

「それ遠回しに小さいって言われてるのと一緒!」

同じくらいの身長と言ったら‥‥‥私かな。

そもそも私は加害者枠から外れてる訳で。

「それに、身長なんていくらでも誤魔化せるんだから!」

「アリバイの証明よりプライドを取る精神なんだね‥‥‥」

一応保留。でもほとんどあり得ないだろう。

足蹴に出来るということは足の方はもとの状態と同じだと思うから。

厚底位は履けると思うけど、それで身長が誤魔化せるレベルになるとは到底思えない。

そもそも身内犯なんて、信じたくない。



「ふむ、カルト、ケイト姉妹は一緒だった、と」

「帰る方向一緒だから」

「夕飯を食べてから帰りました。レシートもここに」

時間も明記されているレシート。

この二人には犯行は難しいと思われる。


「私は戸々乃ちゃんと帰ったのです!」

「ですです!」

「本当に二人は仲良しで何より」

佐月先輩と戸々乃さんは一緒に帰ったと言っている。

余談として佐月先輩と戸々乃さんの語尾が一緒なのはリスペクトだそう。

しかも佐月先輩公認。


他のみなさんは無いとのこと。

肝心の寝夢さんは、というと。

「その時間は‥‥‥どこかの部屋で、寝てた。多分、確証はない」



「出来たのは4人だけのようだね」

「片方は姉妹ですし、話を合わせるのは容易かも知れませんけど」

「正直な話、これがあるからねぇ‥‥‥」

日にち、時間の記載されたレシートほどの物的証拠はない。

「流石にこの四人は外しても大丈夫だと思うな」

「本人もこう、言ってるしな」


私もこの四人は疑う理由がなくなったと思う。

そもそもこの中にいることを信じてない。


「後は保留の津羽井」

「つばち先輩は、‥‥‥その」

言いにくい。

あの人たしか愛先輩と一緒で高3だから‥‥‥

「その身長差なら記憶に残ると思うんです」

「やはり、津羽井の確率は低い。いや無いまであるな」

愛先輩のつばち先輩に対する扱いが酷い。

本人いたら泣いちゃ‥‥‥

「‥‥‥グスン」

二人からは見えないドアから覗いてますよ。

二人とも気がついてないみたいだし、どうしたらいいんだろう。


「す、すいません。親から連絡です。少し席を外しますね」

「あ、ああ、行ってらっしゃい」


我ながら超適当な言い訳だけどしょうがない。


「つばち先輩」

「ふぇ?依沙ちゃん?」


愛先輩達に悪意が無いことを説明。

あれは考察での話だ。

「それにつばち先輩はさっき全力で否定されてたので、改めて整理してるだけですよ」

「本当?」

「なんで嘘をつかなきゃいけないんですか」

全員の潔白を証明したい人は貶めたりしない。

「一応、フォローといいますか、それとなく伝えてはおきます。聞いていたのがばれるのは嫌でしょうし」

「‥‥‥ありがと」

つばち先輩は私に何かを握らせてその場から走り去った。

‥‥‥あめ玉だ。



「お、お待たせしました!」

「お、おかえり」

「さっきつばち先輩にあったんですよ」

ここで、フォローの一言!

「私と5センチ位しか差はありませんでした!」

決まった!

ん、私の身長ですか?

142ジャストですよ?


12番:日永カラ

ダンス13位 (人並み程度)

歌5位


本作の準主人公。

主人公と一番仲の良いメンバー

唯一一人称が僕のメンバー

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