二話 貴紀くん
「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ、」
つ、疲れたよーう!もうっ走りたくないっ!
「グラウンドの外側走るんだよ!」
後ろからは、厳しい声が飛んでくる。
この声の持ち主は野田貴紀。
お母さん同士が仲良くて、私と一緒に塾に行っている。とっても頭が良い。
サッカーを習ってて、運動神経がいい。背がクラス一低いのは、残念だけど・・
私は、イケメンの基準が違うからよく分かんないけど、イケメンらしい。
クラスの決まりは、朝最低二週走ること。貴紀くんは、いま五週目。
体力の無さを感じる。、、、、、、、、
とは言っても、決まりは決まり。やるしか無い。
「未那ちゃん、スパートかけれる?」
「うん。」
私たちは、スピードを上げる。
「えっ。そんなぁ。」
貴紀くんの声が薄れていく。
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少女漫画だと、体力あって、可愛くて。完璧女子なんだろうけど、自分を見ると、こんな主人公ありえないんだろうなぁと、思う。
私たち二人は毎日10週走ると宣言した貴紀くんを待っている。
一口水筒をゴクリ。
「あー生き返るーーー」
「真衣ちゃん。」
未那ちゃん言いたいこと分かるよ・・。
おっさんみたいだよって言いたいんだよね。
分かってるならやめろよって話なんだけど、やめられないんだよねー。