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革命の幻想詩(ファントム・スペル)  作者: ノアキ
第一章 少年編
6/6

驚きの姿でした。

眠くてちょっと文章めちゃくちゃかも

魔研室へ行くとすぐに隣の小部屋に案内された。その小部屋は空魔法による空間隔離がされていた。


「えー、ザーナについて説明するにあたってこの部屋に案内したのはみんなにザーナがどういうものか実際に見てもらうためだ。ザーナはある魔法を使うことで顕現させることができるんだ。では、ナディ。お前のザーナをまずは顕現させる。」


そう言うとナディは部屋の中心に立たされその他のみんなは端っこにいるように言われた。


「よし、では始めよう。みんな、注意してみておくんだ。」


「『我は知る、人の善なる心を。 我は知る、人の悪しき心を。 我は求める、 精神の狭間より現れんことを≪精霊顕現(ザーナ・オサイトス)≫』」


リグ先生が呪文を詠唱するとナディの胸の辺りから強い光が発せられて、そこから何かがでてきた。初めは眩しい光でそれがどういうものかわからなかったが徐々に光は収まっていき、現れたものが見えてきた。


「いゃぁーーーーーー!!!!」


奇声をあげてうずくまったのはレイナであった。先生の魔法によってナディの胸の位置から現れたのは何かの幼虫のようなものであった。というかレイナが虫が苦手そうなのは凄く意外である。


「驚いたか?これがザーナの正体だ。これは、えっとカブトムシという虫の幼虫だな。」


「え!カブトムシ!?」


そういったのはダンだ。ダンは驚きの表情を浮かべていた。そこでナディは聞いた。


「おい、ダン。カブトムシってなんなんだ?」


「カブトムシっていうのは魔虫の種類のうちの1つなんだ。魔虫って何かわかるよね?人族の敵の魔族のうちの一種族だよ。なんでそんなものが・・・」


そこでリグ先生がダンの疑問に答えた。


「ダン。確かに魔虫にカブトムシという種はいる。ただし、ザーナとしてのカブトムシはそれとは似て非なるものなんだ。因みに他のみんなのザーナも今は虫の姿をしている。」


「今ははってどういうことですか?」


これはダンだ。


「ザーナには段階があるんだ。ザーナの第一形態が虫の姿であるというだけなんだ。因みに第二形態は獣の姿になる。そして第三形態では幻獣などより強力な姿となる。」


「どうやったらその形態を進化させることができるんですか?」


「簡単だ、魔法を使いまくればいい。成長しようとひたすら努力することでザーナは進化する。」


「いや、あの、そういう精神論的なことじゃなくてもうちょい具体的に・・・」


「ザーナはお前達の心そのものだ。ひたむきに魔法と向き合い心からその成長を望むときザーナは必ず進化する。それだけだ。」


「え、あ、、、はい。」


「悪いな、本当はもう少し詳しいことも教えてやりたいんだが何分ザーナについてはわからないことが多すぎるんだ。進化の仕組みも正確には解明されていないんだ。ただ私の経験則としてそうだと確信している。」


「あの、はい、分かりました。」


「本当はみんなのザーナも顕現させてやりたいところなんだが、顕現させるための魔法は非常に魔力を消耗して大変なんだ。因みにさっき使ったのは六章二節の上級魔法だ。3人分なら何とか出来るんだが流石に7人はきつい。そこで私の光魔法を使ってどんな姿が映し出すことだけはやってやろう。まずは、そうだな、ダン。お前にしよう。」


先生はそう言ってダンを正面に立たせると唱えた。


「≪光魔法:(ルミナ・)心中投影(イニマプロィエクト)≫」


呪文を唱えるとダンの胸の部分から光の輪が現れた。その輪を覗くとそこには不思議な生物がいることを確認することができた。


「ふむ、これはセミの一種だな。この状態のままではどのようなセミか判断できないなあ。だが、初期状態で魔力処理能力がある程度あるようだったしきっと珍しい種ではあるのだろう。」


とリグ先生は言ったがダンはどこか納得していないようだった。その訳を聞いてみたところ、


「いや、実はセミっていう種も魔虫の中にいるんだけどセミって魔虫の中では最弱種のうちの一種なんだ。だからどうも僕のこのザーナは弱い気がしてならなくて・・・」


ダンはそんな訳で少々落ち込んでいたがリグ先生も珍しい種だろうしきっと大丈夫だと言っているしそこまてまで心配はしなくてもいいだろうと思う。


ダンのザーナを確認し終えた後はイーリス、セラ、レイナ、アルバート、ニコルと順に調べていった。その結果イーリスはおそらくアゲハチョウという虫の幼虫。ダン曰くアゲハチョウは蝶類では最強。そしてセラはハチ種の何か、恐らくはスズメバチ。ダン曰くスズメバチならカブトムシにも劣らない。レイナはムカデの一種。そのフォルムを見た瞬間、レイナは卒倒しかけていた。ダンはそんなレイナに気持ち悪いかもしれないけどなかなか強いよと励ましていた。アルバートのザーナはトンボの一種であった。現状態ではどう成長するかまだわからないそうだ。ただトンボは特定の能力を極端に伸ばすことが多いらしく、うまくやれば非常に強く成長させられるそうだ。そして最後はニコル。ニコルのザーナはクモであった。ただクモはクモでもこの世で最強と呼ばれているクモ、アルドバラグモという種だそうだ。ダン曰く、魔虫として遭遇したら最後。一瞬にして殺されると言われている。とのことだ。


「やはり全体的になかなか良いザーナを持っているようだな。だがそのザーナの能力を生かすも殺すをお前達次第だ。」


その後腰を抜かしてるレイナを引きずって魔研室へ戻ってザーナについての講義が引き続き行われた。


「では引き続きザーナの説明をしていこう。前も言ったがザーナは人の魔力を支配する存在だ。ザーナの能力次第で魔法の質が変わると言っても過言ではない。ではどうやってザーナを成長させるのか?ザーナは魔法を行使した後に体内に残るその魔法を行使するために使われた魔力の残滓を糧として成長すると言われている。使った魔力に対して発動する魔法の威力が小さくなるのはこの残滓の量が多魔法を使うことにザーナを慣れさせていくんだ。そうすることでザーナは成長すると同時に魔力処理能力も徐々に向上していき、より高出力かつ難しい魔法も使うことが可能となってくる。まあ、ともかく何度も、本当に嫌というほど何度も魔法を使い続けることでしか魔法が強くなることはない。」


あの気持ち悪い幼虫を成長させるね〜。なんかもっと気持ち悪くなりそうだなあ。そんなことをナディは話を聞きながら思っていた。ナディにはあの気持ち悪い幼虫が最強クラスの虫になるとは到底信じることができなかった。そういえば、リグ先生のザーナはどんなのなのだろうか?気になってナディは聞いてみた。


「先生、先生のザーナはみせてもらえないんですか?」


「私のザーナか。そうだな、見せても別に構わないんだが顕現させるにはここでは少々危険があるんだよなあ。投影魔法も他人にしか使えないしな。また今度見せることにするから楽しみにしておいてくれ、驚くぞ。」


そんなことを言われてはますます気になるではないか!ナディは早く見せてもらえることを期待した。


「先生ザーナをより効率的に成長させる方法はあるんですか?」


ナディがいらない質問をしたせいで横道にそれかけていた話を元の場所に戻したはダンであった。流石の勉強熱心である。


「ああ、もちろんあるぞ。今からそれを教えるつもりだったんだ。ザーナを効率良く成長させる方法、それはその状態でのザーナの魔力処理能力で扱えるギリギリの魔力で魔法を使うことだ。これは中々に難しい。自身の魔力処理能力がどれくらいなのか判断するのがまず難しい上に、そのギリギリの魔力を使うための魔力コントロールが非常に難しい。」


魔力コントロール・・・さっきやった限りではナディは全くと言って良いほど魔力コントロールが全然できなかった。自身の限界のギリギリの魔力に自身の魔力をコントロールするなんて到底できるとおもえなかった。


「現時点でいきなりそれをやれと言われてできるのはこの中では恐らくはニコルぐらいのもんだろう。だから今日から一ヶ月間は徹底的な魔力コントロールの練習をしていく。そのためにこの道具を使う。」


そう言ってリグ先生が取り出したのは中に竜の像が入った透明の球体であった。


「この球体は魔力コントロールの修行の際に

よく使われる道具だ。名称は『竜の巣』だ。この道具にある一定の魔力を流すと中に入っている竜の口から煙が出てくる。ただしこの煙は一定の魔力を流している間のみ出続ける。魔力が乱れたり、魔力を流すのを中断すると煙は消えて無くなる。煙が球体を満たすと『竜の巣』は割れて壊れる。流し続けなければならない魔力量は『竜の巣』毎にちがう。ここに5種類の『竜の巣』がある。この5種全ての竜の巣を壊すことが出来れば合格だな。一ヶ月で合格できるよう頑張れ。これは家でもやって良いぞ。」


これはなかなかにキツそうである。魔力の加減をほとんど調整できないナディにとっては煙を出させ始めるのに苦労しそうだ。


「一ヶ月たってもクリアできていなかった。次のステップには進ませないからみんな、頑張るように。あ、言うの忘れてたが1つの竜の巣を煙で満たすには約2時間魔力を流し続ける必要がある。集中力もそうとうひつようだぞ。」


に、二時間だって?そんなにやらなきゃいけないのか・・・ヤバイ一ヶ月じゃあできる気がしない。隣にいるセラも二時間と聞いて苦しい表情をしていた。


「セラ、お前今まで10分でさえその場に留まって集中し続けたことないのに大丈夫か?セラは体動かさないと死んじゃう病だもんな。」


とナディは言ったが、


「うるさいよ。でもナディだって二時間集中したことなんてないでしょ。はぁ、二時間か・・・結構ヤバイかもしれない。」


セラの向こうではセラと同じく体動かすの大好きのレイナが苦しそうな表情を浮かべていた。因みにイーリスとアルバートもなかなかマズイといった表情になっていた。そんな中、そこまで焦っていない様子なのはダンとニコルであった。ニコルなんか特に既に魔力コントロールはだいたいできるし後は長い間集中していれば良いのでぶっちゃけ課題をすぐにクリアできるだろう。ダンもまだ魔力コントロールに微妙なところもあるがそれさえできてば集中力に関しては問題なさそうなので割と余裕があるのだろう。


その後、リグ先生が5個で1セットの竜の巣を7セット持ってきて、それぞれがそれを受け取ると解散となった。


解散後、北塔の階段を下りながらナディはダンとセラと話した。


「ああ、もうどうしよう。一ヶ月じゃあ課題クリアできる気がしないよ」


そう言ったのはセラだ。本当に今回の課題はナディやセラにとっては非常にきつい。


「こればっかりは頑張るしかないよ。今逃げたら絶対に後悔すると思うから一緒に頑張ろうよ。」


ダンはそう言ってセラを励ました。ダンは頭が良い上に優しくて本当に良いやつだと思う。話もすごくしやすいのでまだ知り合ってから1日しか経っていないがもう大分仲良くなれてきた気がする。


「セラ、今度の休みの時俺の家来てよ。一緒に特訓しようよ。」


とナディはセラを誘った。どうせなら2人でやって互いにアドバイスをしながらやったほうが良いと思ったのだ。


「うん、いいよ、そうしよっか。あっそうだ、ダンも一緒にやる?」


「え、いいの?セラさん。いいなら僕も一緒にやらせてもらおうかなあ。あ、でもセラさん達の家ってどの辺にあるの?」


「学校から東の方にずっと入ったところだよー。てか、ダン。セラさんじゃなくてセラって呼んでよ。」


「え、あ、うん。わかったよ・・・セラ。それより、東の方角なら僕の家も同じ方角だから大丈夫だよ。」


とナディが何も言わないうちに勝手にセラが話を進めてナディの家にダンが来ることが決まった。でもダンなら大歓迎だ。セラよりも的確にアドバイスをくれそうだし願ったり叶ったりだ。


そんな風に話していると後ろから声をかけられた。


「ねー、私も行ってもいい?」


こういってきたのはイーリスであった。イーリスならば断る理由も特になかったのでナディはもちろんいいよと言った。まだ知り合ってからイーリスとはほとんど喋っていないのでいい機会だと思った。


「本当?やった〜♪実は私の家、ダンちゃんの家の近くなんだー。だからナディっちの家にはダンちゃんと一緒に行くよ。ダンちゃん昔はよく一緒に本読んだりしてたのに最近全然話してくれないんだよー」


・・・ん?ナディっちにダンちゃんだって?なんか名前の呼び方変わってるなあ


「あれ?もしかしてナディっちって呼ばれるの嫌?まあ、でもいいよね、ナディっちで。ダンちゃんは昔からだしね。セラさんは〜セーちゃんにしとこ」


イーリスは思ったよりも性格が変わっているようだった。これはダンも苦労したなあとダンの方を見るとダンは疲れた顔でイーリスを見ていた。何はともあれ次の休日ではナディの家で課題をこなすための特訓をすることが決まった。




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