魔法
日本語下手くそです
翌日、教室へ行くと今日の授業の予定がしっかりと書かれていた。午前は座学だが午後は魔法の授業が入っていた。
授業が始まったがナディは午後の魔法の授業が気になって全然集中することができなかった。
他の人もどうやら同じで、どことなく教室全体の空気がそわそわしていた。
ようやく午前の授業が終わり、昼休憩に入った。家から持ってきたパンと水筒を持ってガイルとセラとともに中庭へ行った。
中庭には3人以外にも割と多く人がいた。
いい感じの木陰に座り昼食を食べながら魔法の話をしていた。
「やっと魔法を教えてもらえるんだね!早く魔法が使ってみたくてたまらないよ!」
ナディの言葉にセラとガイルはナディ同様わくわくした様子で頷いていた。
「そういえばナディはどんな魔法が使いたいとかそういうのあるの?」
セラの質問にしばらく唸って考えてナディは言った。
「んー特にこの属性の魔法が使いたいっていうのはないんだよねー。とりあえずみんなが使えないような珍しい魔法が使えたらいいかなーとは思ってるけど。」
「なるほどね、ナディらしいや。」
「そういうセラはなんかあるの?」
「一応ね。まあなんとなくなんだけど水魔法が使えたらいいなぁとって思ってるかなー。いろいろ実用的かなって思うからさ。もし戦闘することになっても私には剣術があるしそんな攻撃的な魔法は必要ないかなー」
確かに水魔法は実用的だ。服や食器などを洗うときに使えば普通より早く洗えるし、水不足の時は自分の力でまかなうことができる。
「なるほどなー。ガイルはなんかあんの?」
「おう。俺が使いたいのはなー、強化だ!やっぱ一番欲しいのは力だから強化魔法が使えたら自分の力を倍以上にできるからな」
強化魔法はなかなか珍しい魔法だ。使える人は数少ない。でも確かに強化魔法はガイルにすごく合っているなとナディは思った。
昼休憩が終わり魔法の授業が行われる魔法塔へと向かった。教室にはすでに先生がいて、説明用の道具類を準備していた。席に着くとちょうどチャイムが鳴り授業が始まった。
「では、授業を始めよう。いよいよみんなに魔法を教えるときが来た。魔法はこの世界で生きていくためにはなくてはならないものである。魔法の発展により私たちの生活は劇的に快適なものとなった。」
教師は机の下から透明の直径10cmほどの球体を取り出した。
「例えばこれ、電球という魔導具だ。これはみんなの家にもあるだろう。これに魔力を流し込み魔導具を起動させてやると」
電球を指差して青白い魔力を流し込ませると電球は明るい光を放ち始めた。
「こんな風に魔力を流すと中に設置された雷と光の魔法式が魔力を感知して魔法を起動させるんだ。このほかにも水桶には水の魔法式が設置され、魔力を流せば水が出る。また、火床ならば火の魔法式が設置されていて火が出るようになっている。これらは魔力を流し込まなければ使えないから魔力をコントロールできない者はこれらの魔導具を使うことができない。」
これらの魔導具さもちろんナディの家にあった。
昔は火を使おうとするなら火属性魔法を使うか原始的な方法を用いらなければならなかったが今ではこの魔導具さえあれば一瞬で火をつけることができる。
「ではまず、魔法の使い方を教える前に軽く魔法の歴史についても触れてみよう。この中で誰かこの世で一番初めに魔法を使った人が誰か知ってる人はいるか?」
ある生徒が手を挙げて「イヴ・アダムスです。」と答えた。
「その通り、この世で一番初めに魔法を使ったと言われているのはイヴ・アダムスという人物だ。それが約4200年前の話だ。イヴの出現によってこの世は大きく変化した。イヴは痩せこけた土地に恵みを与え、日照りに苦しむ村に水を与えた。そして人類の命を脅かす魔獣に打ち勝つための術である魔法を教えた。それから長い年月をかけ人々は魔法を磨き、自分達の住む世界をより良いものにしていき、文明を発展させてきた。そして現在では魔獣に殺される危険が減った結果、世界の人口は当時の何十倍にも増えた。そして魔法による高度な文明の発達により豊かな暮らしを送ることが可能になったのだ。」
ナディはある程度のことは知っていたが改めてイヴという人物はすごいなと思った。
しかし、そんな話はどうでもいいから早く魔法を教えてくれと思ってもいた。
「本当は魔法の歴史についてもっと詳しくやってもいいんだが早く魔法を使いたくてたまらない奴が多そうだから詳しい話はまたいつか話すことにしよう。でもまずは魔法の基礎知識が教えるから魔法を早く使いたいならしっかり話を聞きなさい。」
そう言われるとみんな話に集中しだした。
「魔法には大きく分けて3つの分類がある。一群、二群、三群の魔法だ。一群魔法には5つの種類がある。火、水、土、風、雷の5つだ。どんな人でもこの5つならば必ず使うことができる。しかし人には適正魔法というものがそれぞれある。適正でない魔法を使おうとすると同じように魔法を使おうとしても適正魔法を使う時の数倍もの魔力が必要となってしまう。」
教師は右手を出し手を上に向け、唱えた。
「≪水球≫」
すると大きな水の玉が現れた。
「私の適正魔法は水魔法。適正魔法である水魔法ならば大した魔力を使わずにこれくらい大きな水球を作ることができる。しかし」
教師は水球を消すと別の呪文を唱えた。
「≪火球≫」
すると右手から火球は現れたが先ほどの水球の5分の1程の大きさであった。
「このように適正でない魔法も使うことはできるのだが、先程の水球の5倍の魔力を使ってこれくらいしかできない。このように適正・不適正があるものの全ての種類の魔法を全員が使えるこの魔法群のことを一群魔法と呼ぶ。それぞれの魔法の特色はみんな知っていると思うので説明は省こう。続いて二群魔法について説明する。二群魔法に属するのは光・影・癒・空・念・強化・付与・移動の8個だ。この8個は誰しもが使えるわけではない。これらの魔法を使うことができるのは大体50人に1人と言われている。このクラスに一人か二人使えるものがいてもおかしくはないだろう。ちなみに私は光魔法を使うことができる。今から見せてやろう。目に注意しろよ。」
目に注意しろというのはどういう意味なのか、みな首をかしげていたがそう言った理由はすぐにわかった。
「≪光球≫」
教師が呪文を唱えると強い光を放つ球が現れた。あまりの眩しさに一瞬目がつぶれてしまうかと思った。
「これが私の使える二群魔法、光魔法だ。私はこの光魔法にしか適性がないのでこれ以外の二群魔法は使うことができない。光魔法の特色は光で相手の目を惑わしたり、洞窟を照らすことができたり、光を凝縮させて強い光線を放てたりすることだ。では、光魔法以外の二群魔法についても解説しよう。まずは影魔法、これはその名の通り影を操ることのできる魔法だ。自分の影を操って相手を攻撃したり影を実体化させることが可能だ。極めれば建物などの影に潜り込むことも可能らしい。
次に癒魔法だ、まあイメージすればわかるだろ?これは他人を回復させたりすることのできる魔法だ。基本的に攻撃手段に用いられることはないだろう。
次に空魔法。これはある一定範囲の空間を操作することのできる魔法だ。相手の周りの空気を奪ったり空気を凝縮させて破裂させることで攻撃することができるらしい。
続いて念魔法。これは簡単に言えば物体を遠隔操作することのできる魔法だ。
ここまで5つの魔法について説明したがみんな理解できているか?質問があればしてもいいぞ。」
誰も質問をする生徒はいず、再び説明をはじめた。
「よし、じゃあ二群魔の6つ目の魔法から説明するぞ。6つ目は強化魔法だ。この魔法は自信の身体強化が基本他人を強化することはできないただし使用した後には自分の体にかかる負担が大きいので使用する際は注意が必要だ。ちなみに二群魔法の中でこの魔法が一番持っている人が多い。
次は、付与魔法だ。この魔法では剣などの装備に魔法の効果を付与したり、味方の身体能力を一定時間向上させたりすることができる。敵に弱体化魔法をかけることもできる。強化魔法と同じように思える人もいるかもしれないが、付与魔法は強化魔法と性質が違う。例えば素早さを上げようと思ったとき強化魔法では脚力を強化して素早さを上げる。しかし付与魔法で素早さを上げるときは筋力はそのままで単純に移動速度が上がるんだ。まあ言葉で言ってもよく理解できないと思う。この学校の教師に付与魔法が使える者がいるから今度体験をする機会を与えよう。
そして最後は移動魔法だ。この魔法ではある点と点の間を一瞬にして移動することができる魔法だ。移動する距離によって消費する魔力が変わってくる。魔力さえあればどんな場所でも一瞬で移動することができる。
以上が二群魔法の説明だ。このクラスにはどんな魔法が使える者がいるか非常に楽しみだな。」
ようやく二群魔法の説明が終わり残りは三群魔法の説明だけだ。二群魔法までは有名なのである程度知っていたが、三群魔法のことは全然知らなかったのですごく興味があった。
「よし、では三群魔法について説明しよう。実は三群魔法については非常に謎が多いんだ。三群魔法は一群魔法でも二群魔法でもない魔法のことをさす。適当だがな。三群魔法が使える人非常に少ない。現在三群魔法を使えることで知られているのはこの国でわずかに3人だけだ。その内の1人はみんなも知っている大司祭ハヌマーン様だ。ハヌマーン様は神聖魔法を使うことができるらしい。あとの2人については詳しくは謎だが三群魔法が使えることは確からしい。すまんな、私では三群魔法についてはこのくらいのことしか教えることはできない。」
三群魔法のことを詳しく知りたかったナディは非常にガッカリした。
三群魔法というのは本当に謎なものらしい人生で一度でいいから見てみたいと強く思った。
「さあ、魔法についての基礎知識を教えたところでいよいよ魔法を使わせてやろう。」
教師のその言葉に教室中で歓声が上がった。
「魔法を使わせるといっても今日は皆の適正魔法が何か調べるために魔力放出を少しだけさせるだけだがな。適正魔法を調べるにはこの道具を使う。」
そう言うと教師は隣の魔法準備室から中に球体がいくつも入った非常に長い筒状の魔導具を持ってきた。
「これは魔力判定機というものだ。筒の真ん中についている球体に手を置き体の意識を置いた手に集中することによって魔力放出を行ったことがないものでも魔力を簡単に放出できるように誘発してくれる。魔力が流れ込むと魔導具全体に魔力が通じ、どの魔法に適正があるか判断してくれる。左の球体から順に火、水、風、土、雷、光、影、癒、念、空、強化、付与、移動、三群魔法を判定する球体となっている。魔力を流すことで適正がある魔法の球体が反応してそれぞれ光り出す。より強い光を放つものにより強い適正と魔力を持っていることが分かる。」
なるほど、こんな風に適正魔法が判定できるのかとナディが感心していると早速1人の生徒がやってみたいと言った。
「よし、では早速やってみよう。まずは中心の球体に手を置く。そうだ、そして身体中の意識をその手だけに集中させるんだ。」
そうするとその生徒の右手にぼんやりと光集まってきてるように見えた。
「いいぞ、そのまま集中した状態でこう唱えるんだ。『魔力放出』とな。」
その生徒は小さく頷くと唱えた。
「≪魔力放出≫」
すると置いた手から光が溢れ魔力が魔導具全体に広がった。その結果その生徒には土魔法に適正があり、魔力量は中程度ということが分かった。その生徒を皮切りに次々と判定を行なっていく。さあ、ナディには何の魔法に適正があるのか非常に楽しみなところである。
ようやく3話目を書けました。自分勝手に話を作れるっていうのはとても楽しいですね。