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テガミ  作者: 蒼原悠
二〇一五年十一月二十四日。
9/23

Re:dialogue Bullying




『Dialogue September-23ー2010 at the Civic primary school.』






「──ねえ、あんたさ」

「呼んでんだから顔上げたら? それともなに、またムシすんの?」

「あたしらさぁ、前からあんたにマジムカついてたんだよねー。何、この服。ひらひらとかめっちゃついてるし。ださっ」

「見せびらかしてるようにしか思えないよねー。私可愛いんですよー、って。止めたら?あんたの事なんて誰も見てないよ」

「こーいうの何て言うの? 自己満足? 自己ケンジヨク?」

「あーうざいうざい。そろそろさ、消えてくれない? 家に帰って勉強でもしてなよ」

「止めなよ、こいつ家ないんだからさー」

「あーそれもそうだねー」

「聞いたよ。あんた、学校終わった後いっつも駅前のビルに入ってくんだってねぇ。あそこ、人なんて住んでないし」

「そう言えばこいつ、運動会とかでも親いつもいなくね?」

「親いないとか、孤児ってやつ? 笑えるわー」

「…………」

「……そろそろさ、反応の一つも示したらどうなの?」

「ダメだこの子、あたしたちがちゃんと正しい反応を教えてあげないと出来ないんだよ」

「あー、そうかも! あんたやってあげなよー」

「んじゃ取りあえず、頭下げる所から始めようか。ほら、謝りなさいよ。『あなたたちの気分をいつも悪くさせてすみません』って」

ガツンッ

「──……っ!」

「ありゃー、力入れすぎたな」

「ん、でもこいつ、まだこんな反抗的な目で見てるよ。容赦する必要、ないんじゃん?」

「だねー。ほらもう一回謝れー!」

ガンッ

「……!」

「だめだめ、もっと力入れなきゃ効かないよ」

「もういいや、こいつに謝らせるのは止めよう。あたしたちの方からやってあげればいいんだよ」

「それもいいね。二人とも、そいつ立たせてよ」

「あいよー。ほら、立てよ!」

「あ、おっけーおっけー。よーし、喰らえ日頃の怨み!」

ズドンッ

「かは……ぁ……っ!」

「もっとやっちゃえ!」

「よっしゃ、もう一発!」

バキッ

「げほ、ごほ……!」

「わー汚い汚い。このツバ喰らったらあたしたち、きっと溶けちゃうよ」

「こら! 一体あなたたち、何をしてるの!!」

「わ、やべセンセイ来た」

「別に何もしてないよー。ただこいつがちょっと組体操の練習したいって言うから、腕組んでいてあげただけだし」

明白(あからさま)に殴ってたじゃないの! 嘘をついてはいけません、離しなさい!」

「やだね。悪いのこいつだもん」

「悪かろうと何だろうと人を殴っていい理由はないわよ! どうしてきちんと言葉で分かり合おうとしないの!?」

「だってこいつ、自分からは何も話さないし。キモチを伝えようとか、ぜったい端から考えてないよ。だからあたしたちだって、言葉なんて使う気にならないし。



ねっ、サクラ?」






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