表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テガミ  作者: 蒼原悠
二〇一五年十一月二十三日。
6/23

Re:dialogue Mugging




『Dialogue November-21ー2015 at the Vacancy.』






「──あー、暇だなぁ」

「ったくだよなぁ。三鷹の南口のパチンコ、再開発で閉まっちまうなんてよぉ」

「他所はもう混んでる時間だしなぁ。境の南のゲーセンでも行かね?」

「やだよ。俺、金もうほとんどねえし」

「シケた事言ってんじゃねえよ、つまんねえなぁ」

「ざけんな。てめえは親が会社だか何だかやってるから金持ちかもしれねえけど、俺たちゃ違うんだよ」

「そーだよ。バイトつっても武蔵野(ここいら)じゃあ、派手で高給な仕事なんざ高が知れてるしよ」

「……なら、盗んじまえばいいだろが」

「あ?」

「何つった?」

「言った通りだよ。お前らちゃんと耳、ついてんのか?」

「いやお前……今のガチで言ってんのか?正気かよ?」

「んだよ、まさかビビってんのか?」

「ち、違うけどさ」

「簡単だろうが。ちょっと拳で脅して強請(ゆす)りゃ、この辺りの弱っちい連中なら簡単に金吐くぜ。俺、中坊ん頃に先輩についてってやった事あんだよ」

「…………」

「……何だ、その顔。俺はやるからな。お前らももちろん乗るよなぁ?」

「……お、俺もやろうかなぁ……?」

「おいお前まで……」

「仕方ねえだろ、俺だって金が欲しいんだよ!」

「……いいよ、分かったよ。俺もそれ、参加する」

「よっしゃ決まりな。いいか、標的はでけえ通りから外れた所を独りで歩いてる奴だ。その信号を左に曲がった先にでも、適当なのがいるんじゃねえか?」

「……いるぜ。なんか、ふらふら歩いてやがる」

「お前らはまだやったことねーだろうし、俺が手本を見せてやるよ」


とた、とた、とた……

「────おい、お前、止まれよ」

とた、とた、とた……

「…………」

「……てめ、声聞こえてんのか?」

「…………」

ガッ!

「無視すんじゃねえぞこらぁ!」


ゴンッ!


……バタッ


「……あ、あれ……倒れた」

「おい、嘘だろ?」

「どこを殴ったんだよ、おい!」

「い、いや……普通に頭の後ろを……」

「やばいぞ、こいつ白目剥いてやがる! ……お前がやったんじゃねえのか!」

「だってこいつ、完全に上の空で歩いてて……! ちくしょう、お前らも手伝え!こいつをそこの空き地に隠すぞ!死んでたら、ガチでヤバい……!」

「い、一応俺、金貰っとく……」


ドサッ


「これでいい、逃げるぞ!」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ