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テガミ  作者: 蒼原悠
二〇一五年十一月二十五日。
12/23

Re:dialogue Funeral




『Dialogue November-30ー2006 at the Funeral hall.』




「……あら、あなたも来ていらしたんですね」

「おや、そういうあなたも。……そりゃあ、来ない訳には行きませんよ。あの関前さんが亡くなったなんて、正直まだ信じられませんし……」

「実は、私もなんですよ……。あんなに明るくて前向きで、いい方だったのに」

「聞きましたよ、交通事故だそうですね。すぐそこの武蔵境通りとみずき通りの交叉点が現場だとか……。ご主人と二人乗った車で、事故に遭われたそうで……」

「本当らしいですよ。なんて傷ましいんでしょう……」

「……あら、じゃああっているんですね。私、こんな話も聞いたんですけど」

「どんな?」

「関前さん、かなり貧しい暮らしだったそうですよ。なんでも娘を残して、心中したのではないかとか」

「あら、それじゃ私の聞いた話と違うわね。関前さんの車が青信号で発進したら、横から別の車が突っ込んできて事故になったらしいですよ。だから関前さんには、何の非もなかったとか」

「突っ込んできた車の運転手、一体何を考えてたんでしょうね……」

「切羽詰まって焦ってでもいたんでしょうね……。その車の運転手の方も、亡くなったらしいですよ。同乗していた人だけは助かったと噂には聞きましたが、さぞつらいでしょうね」

「……つらいと言えば、あの子はどうするんでしょう。ほら、関前さん家の娘さんの」

「ああ、咲良ちゃん。さっき向こうで顔を見かけたんですけど、目がもう、真っ赤でしたよ。まだ八歳でしょう? この歳で両親をいっぺんに喪うなんて、私だったら気が狂ってしまいそうですよ……」

「ねぇ……。これからの生活、どうなるんでしょうね」

「普通は、親族に預けられるか施設住まいになるんでしょうけどね。私たちも何かしてあげられたらいいのに」

「そう、ですね……」




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