表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/18

12 夢(参)

 ユニークアクセス2600突破しました。

 感想・批評、大好物です。遠慮せずにどんどん下さい。

「お帰りなさい」

有希

「……ただいま?」

「…………」

珊瑚

「……(ウズウズ)」

「ふふっ」


 視界は真っ黒い壁や天井で埋め尽くされ、自分が夢を見ていることに気づく。またこの黒い部屋か。ベッドの上で、今度は上半身を起こした状態。最近、というよりは、『さき』の身体に入ってからはこの夢しか見ないな。……あれ? 夢を見ているってことは、俺は寝てるのか? いつの間に眠ったんだ? 確か『さき』の部屋で『さき』達の交換日記を読んでいたはずだ。


「有希、あなたにお願いがあるの」

有希

「……? お願い?」

「…………」

珊瑚

「……(ウズウズ)」

「ふふっ」


 今日は昨日より一人増えている。茶色い長い髪のちびっ娘、(あき)。赤い短髪のセーラー服少女。綺麗な黒髪の双子の片方。そして新顔の、霧がかかったように薄ぼんやりとして姿がはっきりとは見えない、笑い声からして女性と思われる人物がいた。


「お願いというのはね……」

有希

「あ、うん」

「…………」

珊瑚

「……(ウズウズ)」

「ふふっ」


 真剣な表情でちびっ娘光が俺に言う。俺にお願いって、いったいなんだろう? 俺に出来ることならなんでも……って、これ夢だよな。なんで俺はこんなに真面目に聴いてんだよ。


「あなたに、幸を守って欲しいの」

有希

「……え? 『さき』? 守る?」

「…………ちっ」

珊瑚

「……(ウズウズ)」

「ふふっ」


 ん? 今あの赤髪の子、舌打ちしたか?


有希

「『さき』を守るって……なんの話?」


 夢だとわかってはいるが、なんとなく気になってしまう。


「……? あなた、日記を読んだんじゃないの?」

有希

「日記……交換日記のこと? あれは最初と最後しか見てないよ。『さき』が書いてるページが見たかっただけだから」

「裏表紙を読んだのなら……わかるはずだけど」


 不思議そうな顔をして首を傾げながら言う光。


有希

「最後って言ってもそれは最後に書かれたページの事で、それ以降のページは見てないけど」


 そう言う俺に呆れた顔をして、溜め息を小さく吐いた。


「はぁ……だったらここに来るのはまだ早いわ。もう一度日記をゆっくり読んで、また明日いらっしゃい」

有希

「えぇ? 俺まだこの夢見なきゃいけないの?」


 そろそろ飽きてきたし、たまには違う夢も見たかったりする。


「いいから言う通りになさいっ。じゃあね。また明日」

「……ボソッ(もう来るな。っていうか死ね)」

有希

「……」


 ……聴こえたぞ。あの赤髪、今絶対に俺に対して毒を吐いたよな。なんで俺何もしてないのに、そんなに嫌われなきゃいけないんだ。いくら夢でも、流石にちょっと気分良くないぞ。


珊瑚

「おにいちゃん、また明日ね〜」

有希

「ん? あぁ、また明日ね」


 双子の片方は朔耶に負けないくらいの笑顔で手を振ってくれた。あー、やっぱり子どもは可愛いよ。ぎゅってしたくなる。それにしても、双子のもう片方は何処にいったんだ? 最初は双子だったのに、消えて双子じゃなくなったのか? まぁ夢だからどうでもいいけど。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ