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第43話:観測者、老人の狂気を知り、魔王のおやつ(エラー)を完成させる

修正:ぽよん様の武器の名称から『k』が抜けていました…。修正済みです。



◇ イベントエリア:『円環の回廊』・南西チャンバー前


僕たちは『最強の真核』の育成(放置)に入り、占領エリア外へ歩みを進めた。


【システム通知】

【クランバトルロワイヤルイベント 終了まで残り60分】

【残存クラン数:2】


「あっ、時間制限あったんだねぇ…」


シロロが空中に浮かぶタイマーを見上げる。


「クランを全滅させるか、真核を全て取得するか、時間切れでポイント勝負になるか……いずれにせよ終わりは近い」


「ふむ、イオリk君どうするかな?」


ジィサンが問いかける。


「入れ違いで、今ここに来られるのはまずいので1人……いや2人だけ偵察に行きましょう」


「誰が行く?」


「遠距離狙撃が出来るジィサンと、相性のいいドドンパの2人でお願いする」


「あいわかった!」


「おう!!」


二人は即答だ。戦う気満々だな。


「ったく、通話機能ないのどうにかしろよなー。とりあえず発見したらメッセージ送るわ」


ドドンパがボヤきながら、ジィサンと共に荒野へ駆けていく。


僕、シロロ、フゥの三人はこの場に残り、防衛ラインを作る。


僕は振動感知のため常に手を地面へつけた。


「反応がない限りは警戒しつつ雑談時間だな」


「私の壁の維持時間、短すぎるわよね……」


フゥが不満そうに呟く。レベルシンクの影響だ。


「でもでも! フゥちゃんの壁って敵と戦う時に分断とか閉じ込めたり、すごいよ!!」


シロロが励ます。


「ああ。あの視界を奪った中でのフゥの働きは完璧に僕たちの戦術になった」


僕は眼鏡の位置を直す。


「……逃げ場のない閉鎖空間に、継続的な熱ダメージ。まさに**『処刑箱エクセキューション・ボックス』だな」


「えー! 処刑なんて可愛くないよイオリ君! あれはね、中で可愛くデコって生まれ変わらせるための『お化粧箱メイク・ボックス』だよ!」


シロロが頬を膨らませる。


「……違うわ。あれは……」


フゥがうっとりと甘美な声で呟く。


「……『地熱坩堝ジオ・クルーシブル』よ」


「るつぼ?」


きょとんとするシロロ。


僕は呆れたように、しかし内心では感心しながら解説する。


「……坩堝るつぼ。高熱で金属を溶かし、不純物を取り除いて純粋な素材を抽出するための耐熱容器のことだ」


「なるほどな。敵をドロドロに溶かして、経験値リソースという純粋なデータだけを抽出する炉……か。僕の『処刑』よりも、よほどえげつなくて的確な表現だ」


「私のミミックちゃんみたいだね」


シロロが笑う。


僕たち【Chaos Atelier】(カオス・アトリエ)の戦術として、凶悪な名が刻まれた瞬間だった。


この後も僕たちは、ジィサンから聞いた街のNPCの話や、VRなのに味がするなんて革命だなんて、平和な雑談を続けた。


僕は微かに安らぎを覚えた。


それでも僕の根幹は変わらない。データが全てだ。答えはそこにあるのだ。


そんな事を思っていると、驚愕な通知が僕たちの目の前に現れる。


【システム通知】

【残存クラン数:1】

【冒険者端末よりイベントエリアからの退出が選択が可能になりました】


「は?」


僕の口から素っ頓狂な声が出る。


「え?」


シロロも困惑している。


「あら」


フゥだけは冷静だ。


直後ドドンパからメッセージが届く。


[送信元:ドドンパ]

[件名:敵発見及び接敵終了]


敵は全部で7名、既に真核を獲得した後みたいだ。

遠くから監視してたら索敵引っかかったみたいで接敵しちまった。

だけどカァンって音が14回響いた。

終わった。


僕は2人にもメッセージを見せる。


「おじぃちゃん強いよぉー」


シロロが怯える。


「何が戦闘はよく分からないだ……性格のログ構成は孫狂いだけじゃなかったか……戦闘狂バーサーカーだな」


(……『聖刻の円卓』とはマッチングしなかったか……命拾いしたなカイザー、まち子)


もしかしたらと言う予感があったが、システムはイタズラにも組み合わせをずらしたらしい。


次のイベントで当たるといいと思ってしまった僕も、戦闘狂かもしれない。


「まぁいい、それならそれで。僕はぽよんの所へ戻る」


「私たちはいいわよね? 先に戻っているわ」


「ああ」


ドドンパ達にも先に退出しててもいいとメッセージを送った。

お疲れ様。と添えて。


「……ちょうど22分経つな」


時間を確認した僕は、運ゲーへの完全勝利の瞬間に期待を膨らませながらチャンバー内部へと向かった。


◇ チャンバー内部


「ぽよ〜……もう食べられないぽよ〜」


魔王は寝ていた。寝言を言いながら。


口の周りにピンクや黄色のナニかの食べカスの付着を観測してしまう。


僕の脳内に嫌な予感が走った。


「……こいつ、おやつ食べたのか……? ログに吸われていたりしないよな……?」


僕は寝ている魔王バカを見下ろしながらスキルを発動する。


詳細観測ディープスキャン


【真核を確認:ログ構成を表示】

・ベース 魔王のダイラタンシースラ…………

・…………


「これは見た! アレはどうなった!?」


・忘却の境地

・マカロン


「ぬあああああああああああ!!!」


僕の絶叫に、ぽよんがびっくりし目を擦りながら起きてくる。


「あ、人間kなのだ。おやつの時間ぽよ?」


「お前……やってくれたな……僕の完璧な記録設計ログデザインにマカロンだと……」


「美味しかったのだ。人間kも一緒に食べるのだ〜〜!!」


完璧な1時間の中にマカロンが混入した。


入ってしまった物は仕方ない……僕は気持ちを切り替えーーられなかった。


「……チッ」


僕はぽよんをペンで叩き起こし、真核をインベントリに入れろと命じた。


「ひんっっ!!」


「ぽ、ぽよ〜?!? 人間k痛いのだ〜〜!!!」


「うるさい、早く入れろ」


ぽよんは痛みを訴えながら真核を取得した。


「これで固定だ……マカロンもな……」


僕はぽよんの耳を引っ張りつつ、転送ボタンを押させた。


混沌工房カオス・アトリエ


クランホームに戻ると、シロロ、フゥ、ジィサン、ドドンパの4名はすでにお疲れ会と称し、パーティーの準備を始めていた。


「ほっほ、ワシは一度ログアウトして孫を呼んでくるとしよう。いいかね?」


「おう!! いってらっしゃい!」


そこへ、僕に耳を引っ張られ、ほぼ宙吊り状態で眠そうにしているぽよんが戻ってくる。


「イオリ君?!? 何してるのー!!」


シロロが真っ先に駆け寄り、ぽよんを回収しにくる。


「ひどいのだ〜! 人間kは鬼なのだ〜! そう言えば真核蹴ってないのだ〜! 契約違反なのだ〜!」


ぽよんが文句を垂れ流す。


「うるさい、文句言うなポンコツ」


不機嫌な僕をよそに、パーティーの準備は進んだ。


◇ 数十分後


「ーただいまー!!」


ミツルマンが元気よくログインしてくる。


「さて、まずはみんなお疲れ!! 乾杯!!!」


ドドンパの音頭で、グラスを掲げる。


「かんぱーい!!」


乾杯をしたのち、僕らはリザルトを確認する。


【システム】

イベント終了後より冒険者ランキングを追加

順位速反映:順位に応じて特別称号が付与されます


1. イオリk:5p

2. ジィサン:54p

3. …………



「えええええ」


ドドンパが叫ぶ。


「ほっほ、ワシプレイヤー倒しすぎたかの?」


ジィサンは満更でも無さそうに微笑んだ。


「爺ちゃんすげええええええ! かっこいいい!!」


ミツルマンに褒められ、さらにご機嫌なジィサン。


「54p……全て敵対プレイヤーのキルポイントか…とんでもない化け物じゃないか」


ジィサンはなんと、アルケ内冒険者ランキング2位の座に着く。


そして………。


【冒険者ランキング】

1位 カイザー・ライトニング:69p

2位 ジィサン:54p

3位 フェンサー:29p


「おい、イオリこれ……。ジィサンも大概だけどカイザーやばくね?」


ドドンパが顔を引きつらせる。


「……内訳はわからないが、ジィサンで27人だ。更に上の数字か、ログの貢献などもあるだろう」


「強いのは間違いなさそうね、どんな鉱石をログに使っているのかしら……」


フゥが興味深そうに呟く。


カイザーの強さを目の当たりにした僕らは不安を覚えつつも、話題はぽよんの真核へと移行した。


「……で、どうなったんだよ? あの運ゲー」


ドドンパが聞いてくる。


僕は若干キレながら、マカロン混入の件を説明する。


ドドンパは腹を抱えて笑い転げた。


「ぶはははは!! ぽよんちゃん、最高すぎ!!」


「かわいいねぽよん様、大丈夫だよ悪徳メガネは私が倒すね?」


シロロが僕を睨む。


「ぽよ〜! 人間k作ってくれてありがとなのだ! 蹴りたかったけどいいのだ許すのだ〜!」


僕はぽよんに舌打ちをして返事をする。


「チッ」


そして……核生成コンバージョンの瞬間が訪れる。


ぽよんがデコられた生成施設へ真核をセットする……数分後。


「「「「おおおおおお」」」」


出てきたのは、今までのハートの部分がマカロンになり、その上にハートが乗っている奇妙な王笏だった。


僕はスキルを発動する。


詳細観測ディープ・スキャン


【対象: 魔王ぽよん】

・職業: 闇妖術士 記録派生 特殊職業『甘姫粘魔王スウィート・スライム・マオウ


【魔王ぽよん専用 名称:魔王笏・ヴォイド・マカロンk】

・種別: [可変式質量打撃杖 /イーターマカロン]自律駆動真核武器

・ランク:ログ・デザイン級(イベント限定変異種)

・製作者: 魔王ぽよん

・ステータス名:INT+30 /STR+30

・属性: 粘着/反自律型捕食兵装セミ・オートノマス・イーター



[ログ構成]

• ベース: ミノタウロスの真核(剛力)+魔王ダイラタンシースライム(物理変異)

• 所有者: スライムの姫魔王ぽよん

• 環境ログ:

・エリア【入場】:魔王と五皇

透明化インビジブル: 不可視のアサシン侵入ログ

敵察知エネミー・センス: 猫探知+詳細観測による索敵ログ

• カウンター(物理反射): 物理変換キネティック・コンバート+衝撃硬化ログ

忘却ヴォイド: 忘れられた真核による「無」の注入

• マカロン(???): 空白の時間に刻まれた咀嚼音サクサク……


[固有パッシブ]


1. 『拒絶する流体ダイラタント・カウンター

• 効果: 物理攻撃吸収 & 自動硬化反射

2. 『五皇の食卓エンペラーズ・ディナー

• 効果: 敵対性認識阻害 & オート・ロックオン



[隠し効果]

・『3時の失踪ティータイム・バニッシュ

• 発動条件: 装備者が「甘味カテゴリー」のアイテムを摂取する(食べる)。/日に3回

• 効果: 22秒間、**完全透明化アンタッチャブル**状態になる。

• この間、あらゆる攻撃・干渉を受け付けず、敵からも視認されない。

• ただし、攻撃を行うと解除される。


【フレーバーテキスト】

「サクっ……サクっ…..」

その王笏は、甘い香りと共に「無」を纏う。

剛牛の角は砕かれ、流体へと溶け、少女の無邪気な「つまみ食い」の記憶と融合した。

振るえば鋼鉄を砕く質量兵器となり、佇めば誰にも認識されない空気となる。

ーーこれは兵器ではない。魔王のわがままな**「おやつ時間ティータイム」**そのものである。


(System Warning: Null Reference… Sweet Error Detected.)


ジィサンは、開幕の1クラン13名、占領エリア前で7名、偵察時の7名で計27名を倒し

54P全て純粋な敵対プレイヤーのキルで獲得してます。


ですがそれを上回るカイザー……そして新たに出たフェンサーも今後登場してきます!!

カイザー君の登場は数話先ですが予想しながらお待ちいただけると嬉しいです。


そしてひょっとしたら一番強い真核武器になってしまったマカロン。じゃなくて王笏

しれっと、職業も派生先が更新され進化しています。笑


〜次回予告〜

2/14 11時投稿予定です!

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