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(8) 地球で過ごす日


「それじゃ……帰る?」

「うん」

「ちょっと後味悪いけどね」

「そうだね」


 少し私達の間には暗い空気が流れる。けれど深く考え込んでも結論は出なそうだ。ずっとここにいても埒があかないため、帰ることに決めた。


「一旦帰ろう!」

「うん!」

「それじゃあ僕らの手をとって!」


 ソレイユとシエルの手を取ると瞬く間にいつもの場所へと戻っていた。私とリリィはステッキを振って、変身を解除した。


「あれ? そういえば今日はルキアちゃん消えないんだね。」

「そう! それさっき聞こうと思ってたの! 消えるって何!?」

「この間、シャドー倒したあとにルキアちゃんの姿がゆっくり消えたんだよね」

「そうなの!? ……もとの世界に戻るときはそうなるのか」

「そっか、ルキアちゃんは異世界の人だったね。どんな世界か気になるなー」

「私の世界について話すよ! 逆にこの世界についても、もっと知りたいな」

「じゃあ私の家で話そ!」


 いつもだったらシャドーを倒すとすぐに元の世界へと戻されるのに今日は戻される感覚がない。そのため百合の家へと行くこととなった。


 百合の家へと歩いていると道行く人から視線を感じる。もう魔法少女の格好はしてないから目立たないはずなんだけど……?

 不思議に思い、周りの人の視線の先をたどる。百合へと視線が集まっている? なぜ?

 というかいつの間にか百合との間に距離ができていた。前を歩く百合はなぜかかなり早足だ。


 すると百合の前に立ちふさがるように男性数人が現れた。


「ねぇ、彼女なにしてんの?」

「俺たち暇なんだよねー。一緒に遊ばない?」

「……」

「なんか言ってよー! 1人?」

「……」


 百合は完全無視をしてるが……少し震えてる? 怖いのかもしれない。助けにいかないと。


「すみません! 私の連れに何か!」


 急いで百合に近づき、百合の手を握った。男性たちは私が急に話に入ってきて驚いたようだが、立ち去る様子は見せない。逆に女が増えたことでより男性たちのニヤつきが強くなった気がする。

 その表情を見て、一気に嫌悪感が増した。まるでたまに村にやってくるゴロツキのようだ。


「その子が連れ? 可愛いじゃん!」

「ちょうど俺らも人数いるし、一緒にどこかいこうよ!」

「いえ忙しいので!」

「「「えー?」」」


 断りを入れてもしつこく、逆に私に手を伸ばしてくる。……これは殴って逃げてもいいか……?


「ルキアの手を離して!」

「うぉっ! びびった!」


 殴るかどうか考えていたら、百合が大声を出した。その声に驚いて私の手を掴んでいた男性が手を離した。チャンスだ!


「ごめんなさい! ほんとに急いでるので!」


 百合の手をとって走り出した。たぶん謝罪は聞こえてたでしょ。殴らなかっただけ感謝してほしい。



 しばらく適当に走って、知らない場所にまで来ていた。振り返ってもあの男たちは見当たらない。


「ごめん! なんか知らないとこまで来ちゃった!」

「ぷっ! あはは!」

「百合? なんで笑ってるの!?」

「いやすごい全力で逃げたなって笑」

「だってもしかしたら追いかけてくるかもしれないじゃん!」

「あんなスピードで逃げたら追いかけられないよー」

「そうなの……?」


 ……確かにこちらの世界の人の運動能力がわからないから、私の世界のみんな基準になってたな。そっか、モンスター退治とかしないならあんまり足速くないのか。


「でもごめん! 全然知らないところまで連れてきちゃったね。」

「大丈夫! ここ家の近くだから」

「え? おー! 偶然!」



 百合の言った通り、少し歩いてすぐに家に到着した。百合の家は四角い箱型の家でマンションというらしい。その上の方に住んでいるとのことだ。中へ入ると箱型の乗り(エレベーター)に乗って上へと上がった。

 百合が扉を開けてくれたので、続くように入る。


「お邪魔しまーす」

「どうぞー。誰もいないけど」

「誰もいない……?」

「うん! 親は海外に行ってるんだよねー。だから私が1人で住んでるの」

「海外?」

「あっ! そっか。えーと海外っていうのは別の国ってことだよ」

「親が別の国に住んでるの!?」

「まぁ仕事でね。私ももう大きいし良いかなって」

「へぇー! そんなことが」


 部屋に入ると私の世界とは全然異なる部屋で驚きがいっぱいだった。家電? というものが特に気になりたくさん質問責めしてしまった。他にも百合の家らしく大量の本が置いてあり、時間があるときに好きに読んで良いとのことだった。



 一通り部屋の説明が終わったので、ご飯を食べることにした。買い物は今日は疲れたというので、カップラーメン? というものを食べることになった。

 

「これで本当に食べれるようになるの?」

「なるよー! 3分待ちましょー!」


 時間が経つのを待ち、蓋をゆっくりと開ける。……湯気が! それに中の具材がほぐれてる!


「すごい!」

「伸びないうちに食べよ!」

「「「「いただきます」」」」


 私、百合、ソレイユ、シエルがそれぞれ食べ始める。……美味しい!

簡易的な食べ物だからなめていたが、味がしっかりとついていて美味しい。これ私の世界でも食べたいな。

 そしてあっという間に完食してしまった。ソレイユはお腹いっぱいなのか腹を見せながら眠っている。シエルもソファーの端で丸まって寝ている。なんで同じ妖精なのにあんなに品の差が出るのか笑



 お風呂に入り(このお風呂も色々とあった。)、少しゲーム?をして、布団へと入る。


「まさかこの世界で眠ることになるなんて……」

「もしかしたらこのままルキアちゃんは帰っちゃうかもしれないし、お話ししよ?」

「いいね!」


 布団に入りながら私の世界の話、百合の世界の話をたくさんした。この世界は地球の日本という国らしい。やっぱりここは存在している世界なんだろう。

 しかしこの世界については私は来るまでは存在を知らなかった。逆に私の世界のことを知ってる人も百合は会ったことないようだ。他にも色々な世界が存在しているのかもしれない。


 たくさん話をして気がついたら眠りについていた。



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