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魔法少女ルキア ~魔法使いは時空を越えて世界を救う~  作者: Kira
第3章 夜明け(アトランティス編)
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(10) 暗闇の探検


 ここを出るとして、問題は……

 上を見上げると見えるのは遥か高い場所にある土の天井だ。ところどころに隙間があるようで、私達のいる場所に光の柱をいくつも作っている。

 前にアルテルでドラゴンの核を発見した場所に似ている気もする。



「ルキア! ノックス!」


 少し離れた場所からソレイユが私達を呼ぶ声がした。

 いつの間にかソレイユもノックスもバラバラにこの場所を観察していたらしく、互いの姿がぼんやりと見えるぐらいに離れていた。


 ソレイユがいるあたりは神殿らしきもののすぐ横あたりだ。何かを発見したような様子だったため、転ばぬように気をつけながら歩みよった。


「どうかしたの?」

「ここ! 道みたいなのがある」


 私とノックスがソレイユに言われた場所を見ると確かに道らしきものがある。空洞から続いている道は今いる場所とは異なり、中に光が入っていっていないようだ。見ているだけで飲み込まれそうな暗闇がこちらを見ている。


「これって地上に続いてるのかな?」

「うーん、どうだろう。ここから見るかぎりだと出口の光とかは見えないから続いてないのかも」

「けどこの舗装された感じから神殿に行くための道だったんじゃない?」


 確かに道は神殿と似たような石材の素材で舗装されている。自然に出来たとはとうてい思えない。

 前にレイラが神殿で式典を開くと言っていたような……? それなら今もまだこの道を使っているかもしれない。


「ねぇ前にレイラがたまに式典を神殿でやるって言ってなかった?」

「つまりはこの道はまだ使われているかもってこと?」

「そう! ノックス話はやい!」

「じゃあこの道を行ってみようよ!」

「ソレイユもそう思う? ノックスは?」

「うーん、まぁこの高さを無理やりあがるよりはいいか。行こう」


 私達は真っ暗な道へと足を踏み出した。


 仮にリリィやルーナなどがいたら止められていたかもしれないが、ここにいるメンバーは特に不安も持たなかった。何か起こっても自分が対処すればいいかと思っているのだろう。結局は全員が似た者同士なのかもしれない。



 しばらく放置されている道なのかところどころ崩れている壁があり、歩く地面もその瓦礫でガタガタしている場所がある。足をとられないように気をつけながらゆっくりと歩く。


「暗いなー。でもソレイユ助かった。さすがはお助けマスコットね」

「うん、すごく助かった」

「いやー! それほどでも」


 ノックスの手には懐中電灯になったソレイユがいる。前にスマホになったようにソレイユは好きなものに変身できるらしい。もちろん魔力は使うらしいが。


「僕の魔力が切れる前に出口があればいいな」

「もし切れたら私が炎魔法出すよ!」

「え? ルキアの炎魔法って継続的に出せるの?」

「いや? 何回も出現させるよ!」

「「えぇ」」


 ソレイユとノックスに引かれたような声を出されたが、さすがにこんな狭い道でド派手に魔法を放つような無神経ではない。


「大丈夫だよ! 小さく出すから!」

「ソレイユ、頑張ってくれ」

「うん! がんばる!」


 どうやら信頼されていないようだ。まぁ私がそれをやるのは照らすのには非効率だし、ソレイユが頑張るのは悪いことじゃない。

 そんなことを話しながら歩みを進める。


 ……しばらく歩いているが未だ出口らしき光は見えてこない。それどころか下り道にさえなってきた。

 

「これ下に向かってない?」

「外には繋がってないのか? どうする? 引き返す?」

「んー、でもまぁここまで来たんならこの先には何があるか気にならない?」

「まぁそれもそうか。引き返す分のソレイユの魔力が足りないってことな……」


 カチャカチャ

「「「え?」」」


 ノックスが話している途中で奇妙な音が聞こえてきた。ここに来るまでに聞こえていた音は私達の話し声や足音、それにどこからか漏れているであろう天井から滴る水の地面に当たる音だけだった。

 けれど今聞こえてきたのは何か固いものが擦れるような音だった。


 カチャカチャ


 また聞こえてきた。その音に反応してノックスが懐中電灯の光を暗闇へと向けた。

 真ん丸の光に照らされたのは……


「猫? ……可愛い!」


 急に照らされた猫は目を大きく見開いた。逃げようとしたので思わず捕まえる。


「黒猫ちゃんだー! だから気がつかなかったのかなぁ?」

「こんなところに猫?」

「出口が近いのかも? こんな何もなさそうなところに住んでるわけないもんね」


 私が抱えた黒猫をノックスが覗き込む。


「あれ? この猫」


 プニッ

「キャッ!」


 猫の肉球が私の顔面に……。思わず猫を離すと、くるりと空中で回ったあと軽く地面に着地した。

 カチャカチャと音を立てて猫は歩き出した。あぁさっきのはこの音だったのか。しばらく少し前を歩いたかと思えば、止まってこちらを振り返ってくる。


「もしかして着いてこいって言ってる?」

「そんな感じするね」


 なんだか着いてこいと言われている気がして黒猫の方へ近づいた。

 私達が着いてくることがわかったのか、また前を向いて優雅に歩き始めた。



 少し追いかけて歩いたところで、道に分かれ道が出てきた。左は下り坂で右は上り坂だ。猫は迷いなく左へと進んでいった。

 これまで1本道だったため、何も考えず後をついてきたがこれはさすがに……


「猫は左に行ったけど……下り坂だね」

「あの空洞から考えて上り坂のほうがいい気がするけど」

「うーん、でもなんかついてきて欲しそうだったよね」


「ニャァーン!」


 先ほどまでは何も発しなかった猫の声が聞こえてきた。まるで早く! と言っているようだ。左の暗闇を見つめてから、ノックスと目を合わせる。


「ねぇ、左行ってみない?」

「そう言うと思った笑」


 ノックスは軽く肩をすくめた。


「ほんとに危険だったりしたら走って戻ってこよう!」

「そうだね。まぁ俺たちなら大丈夫な気もするけどね」


 私達は左の道へと歩き始めた。

 暗闇へと懐中電灯の光が消えていった。


 

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