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魔法少女ルキア ~魔法使いは時空を越えて世界を救う~  作者: Kira
第3章 夜明け(アトランティス編)
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(9) 怪物?との遭遇


 ソレイユの背中をノックスと2人で追いかける。悲鳴が聞こえてきたのだ、誰かが怪物(シャドー)に襲われている可能性が高い。急がねば。

 同じことをソレイユやノックスも考えているらしく、気配の方へ向かうスピードは自然と上がる。空洞のぼこぼこした地面を蹴るように進む。


 やがて上から降ってくるわずかな光ではなく、ぼんやりと地面近くが発光しているのが目に入ってきた。


「なんか……光ってる?」

「誰かが灯りを持ってるのかも」

「確かに!」


 不自然に発光していることに疑問を持ったが、確かにノックスの言うとおり、誰かのランプの光かもしれない。悲鳴を上げた人がそこにいる?

 だんだんと光に近づくと人影が見えてきた。



「ヒック……ヒック……」


 淡い光の中心にいたのは小さな女の子だった。腕で顔を隠していて表情はわからないが、しゃくりあげているということは泣いているんだろう。

 他に人影は見えない。けれど泣いていることから怖い思いをしたんじゃないかと思う。


 早く保護してあげようと女の子の方へと足を踏み出したとき……。ノックスの腕が私のお腹に食い込んだ。


「ぐぇっ! ……えっ?」

「あ、ごめん」


 思わず汚い声を出してしまった。その声でノックスは軽く謝ってくれたが、腕を引くつもりはないようだ。それにソレイユも女の子に近寄らずに浮いている。


「なんで止めるの?」

「いや、なんかあの女の子から嫌な感じがして……」

「え?」

「僕もなんか嫌な気配を感じる」

「ソレイユも?」


 ノックスもソレイユも女の子から何か嫌な気配を感じるようだ。

 ……つまりは罠ってこと? でも……罠だとしても小さい女の子をそのまま放置なんてできない。


「罠かもしれないけど……私は行く!」

「「ルキア!」」


 2人の静止を振り切って、女の子のもとへと走りよった。


「ねぇ大丈夫?」

「……お姉ちゃん?」

「え?」


 女の子に声をかけると、泣き声をあげていたはずの女の子がハキハキと声をあげた。……なんだかランの声に似ているような。

 女の子がそっと顔を覆っていた腕を外した。


 現れた顔はランだった。


「ラン!? えっ、でもこんなところにいるはずが……」

「「ルキア!」」

「え?」


 泣いていた女の子がランだったことに驚いていると、ノックスとソレイユが私を呼ぶ声がした。


「「下!」」


 声の通りに下を見ると……何かの口らしきものが見えた。

 勢い良く口らしきものが開いた。! 飲み込まれる!?


 浮遊感がない? ……襲ってこない? 確実に私の下には大きな口が開いている。けれども私の体は下へと落ちていかない。

 不思議に思っていると、ノックスが声をあげた。


「……羽? ルキア背中に……」

「背中?」

 

 そっと背中へと手をそわせると、確かにふわふわした何かに触れた。これは……私の視界ではわからないが、たぶんノックスの言うとおり羽が生えているのかも。

 変身ステッキに羽がついていたことが関係あるのかな……?


 ってそんなことより、今はこの口から逃げないと!


「フレイム!」

「ギャー!」


 下に向かって思いきり炎を放つと、大きな口らしきものは悲鳴をあげながらさらに下へと潜るように消えていった。

 そして前にいたラン? も口が消えていくと同時に引っ張られるようにして遠くへと消えていった。

 

 口が消えると私の下には何の変哲もなさそうな地面が現れた。恐る恐る足をおろす。……なにも起きない。


「「大丈夫?」」


 地面へと無事に降り立つとノックスとソレイユが寄ってきた。


「やっぱり敵だったな」

「もうソレイユ無鉄砲なんだから……」

「ごめん……」


 さすがにこれは私が悪かった。2人は止めてくれてたのに……。


「いーよ、俺らも止めきれなかったし。ルキアなら突っ走るかもなーとは思ったけどさ。結構本気で止めたんだけど力強すぎ。まさかほんとに振りきるなんてな笑」


 ノックスがからかうように言う。……なんか意地悪だ。でも私の下に大きな口が現れたときに、すごく焦った声をしているのを聞いた。ほんとに心配かけちゃったから多少からかわれても心を広くして……。


「まぁルキアはバカだからな……」

「ほんとにごめ……」

「猪突猛進だし……だらしないし……僕のお菓子食べるし……」

「ちょっと? 関係ないことたくさん言ってるでしょ!?」

「ほんとのことだろ!?」


 せっかく厳しい言葉を受け入れようとしたのに、結局ソレイユと言い合いに発展した。



「……! だから!」

「なにをー!?」

「そろそろいい?」


 ノックスに声をかけられて私とソレイユは我にかえった。

 しばらくノックスは待っていてくれたらしい。こんなくだらない言い合いをしている場合じゃなかった……。気持ちを切り替える。


「ごめん。それで……話したいことはたくさんあるけど……。あっ! そうだ、あの女の子私の妹だった」

「「えっ!?」」

「あっ! いや似てるだけかもしれないけど……」


 2人にあの女の子がランであることを説明しようとしたら、とても驚かれた。まぁそうだよね。


「「いや、ルキアの妹じゃないと思う」」

「え?」


 ノックスとソレイユに同時に否定された。


「どうして?」

「俺には……ルーナの幼い頃に見えた」

「そうなの!? ……人によって見える人物が違うってこと?」

「そうかもしれない。ソレイユは誰に見えた?」

「僕? えっと……テ……いやとにかくルキアの妹じゃないことは確かだよ」


 ソレイユは誰かの名前を言いかけたがためらうようにして誤魔化した。気になるけどまた問いつめても答えてくれないやつだろう。とにかく人によって見えるものが違ったようだ。


 先ほど遭遇した大きな口と女の子について話そうと思ったとき、少し離れた地面がぼんやりと光っていることに気がついた。

 その光を目で追っていると、光はフラフラと蛇行するように動いたあと消えていった。

 消えていった先には石造りの建物がある。


「ねぇ、今光があの建物の中に」

「……なんか神殿ぽいな」

「追う?」

「「いややめよう」」


 神殿ならば何か怪物についての手がかりがありそうだと思い、光を追うかと提案したのだが……。2人にまた止められた。

 今度はちゃんと指示に従っておこう。怒られたくないし。


「とりあえず今は帰ろう」

「そうだね」


 神殿らしきものを発見したが、今日のところは帰ることにした。







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