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魔法少女ルキア ~魔法使いは時空を越えて世界を救う~  作者: Kira
第3章 夜明け(アトランティス編)
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(7) ブルーフォレスト


「食べに来たのかい?」

「いえ……ちょっと相談ごとがありまして」

「そうなのか! それなら……あなた!」


 アンナさんが声をかけた先には、無愛想な顔で料理を作っている男性がいた。男性はアンナさんの声に反応して、顔をあげるとなにか理解したかのように頷いた。それをアンナさんは確認したあと、大きな声を出した。


「みんな! ごめんね! 今日は一旦店じまいだ! また夜に来ておくれー」


 その声掛けで店内にいたお客さんたちは次々と立ち上がった。酔っぱらっている人も結構いるが、みんなすばやく店内を出ていく。その顔には笑顔も浮かんでいて、聞こえてくる会話の内容的にまた別の場所で飲み直すのだろう。

 アンナさんや無愛想な男性に楽しそうに声をかけていくお客さんが多いことから、常連のお客さんが多いのかもしれない。


「えっ! アンナさんいいの?」

「いいのいいの! どうせランチタイムは過ぎてるんだ。飲みたいやつらはどこか別で飲んでくるさ」

「いやいや本当はここがいいんだよ?」

「ノーマン! あんたはどこでも楽しんで飲めるだろ?」

「あはは! バレてら! じゃあまた夜に来るよー」


 ノーマンと呼ばれた酒の臭いをさせたお客さんが店から出ていったところで、店内には私達だけが残った。あ、ネロたちと話している知らない男性もまだいた。


 無愛想な男性がカウンターから出てきて、ガタガタとテーブルとイスを整え始めた。もしかしたら話し合いのために整えてくれているのかもしれない。

 それを見たリリィが足早に近づいて、手伝い始めた。私とノックスも目を合わせてから手伝い始めた。



 移動させたテーブルに店内にいる全員が集まった。

 お互いに自己紹介を簡単にすることになり、それぞれの名前と顔をなんとなく覚えることができた。


 まずこのブルーフォレストを夫婦で営んでいて、奥さんのアンナさん。ハキハキと話す女性で、いるだけで場が明るくなる感じがする。

 次にアンナさんの旦那さんでブルーフォレストの主人のダンテさん。無愛想な感じで少し怖く思ったが、アンナさんがバシバシ叩いても怒らないことから、そこまで怖くないのかも……

 そして……


「私のお兄ちゃん!」

「こんにちは! ソールといいます」


 ネロが意気揚々と紹介してくれたのは、ずっとネロとルーナと話していた男性だった。明るい髪色の活発そうな男性だ。

 なるほどネロの兄だったから一緒にいたのか。……つまりはレイラの弟?


「それで話って?」


 アンナさんがレイラに問いかける。その質問にネロが最初に元気よく答えた。ネロの回答は所々にわかりづらい部分もあったため、レイラや私達がたまに口を挟みながら説明した。



「なるほどね……つまりはあんたたちは勇者ってことか……」

「たぶん……?」

「絶対そうだよ!」


 ネロは自信満々にアンナさんたちに話している。

 アンナさんが考え込むように手を口元へと持っていった。やっぱり聞いてすぐに信じられるわけないか……。私達もよくわかってないし……。


「じゃあ怪物退治するんだね。それならいっぱいご飯食べなきゃだね!」

「「「「えぇ!」」」」


 思わず私達が驚いた声出すと、アンナさんは不思議そうな顔をした。


「なに驚いてるんだい?」

「いやそんな簡単に信じるなんて……」

「そりゃー、レイラたちが変な嘘をつくとは思わないし、あんたたちも嘘をついているようには見えないしね!」

「「「「アンナさん……」」」」

「それに私は人を見る目には自信があるんだよ! あなたもこの子達のこと信じるでしょ?」


 アンナさんがダンテさんへと問いかけた。みんなから視線を向けられたダンテさんはゆっくりと口を開いた。


「あんたたちは宿のあてはあるのかい?」

「え? ……いやないです」

「それならここにいればいい。詳しいことはアンナに聞いてくれ」


 そう言ってダンテさんは席から立ち上がって、どこかへ行ってしまった。私達が困惑していると、アンナさんが笑いながら説明してくれる。


「ごめんね! あの人、口下手なところがあって。それで泊まるところはあるのかい?」

「いえ! 泊まるところは……」


 レイラたちの家は少し狭いため、全員で泊まらせてもらうことは難しいだろう。他に宿を探すとしてもこの世界の通貨がわからないし、地球やアルテルと異なった通貨の場合代金を支払えないため、難しい気がする。

 私達が困っている雰囲気をアンナさんは察したように、優しく話しかけてくれた。


「宿ないんだろ? じゃあ泊まっていきな。いつまでいたっていいよ」

「え! そんな! お金も払えないですし……」

「うーん、気にしなくてもいいけど……。気になるなら食堂で働くかい?」

「「「「えっ!?」」」」


 アンナさんによると、食堂の接客や食材の調達は何人いてもいいらしい。そこで働いてくれたら助かると言われた。

 ……無賃で宿を貸してもらうのも気がひけたので、私達はブルーフォレストで働くことを前向きに検討することにした。


「みんな働ける!?」

「「「それはこっちのセリフ!」」」

「え?」

「私はアルバイトしてるし、兄さんもしてたよね?」

「うん」

「私もアルバイトしてたよー」


 私はみんなが異世界で働くのに不安はないかって思って質問したはずなのに、なぜか私が働くことを心配された。

 ……確かに元の世界ではモンスター退治しかしてなかったし、地球でも働いてなかったけど全員に心配されるほど!?


「私は大丈夫だよ!」

「「「ルキアは大雑把だからな……」」」

「みんなしてひどい!」

「それでみんなどうするんだい?」


 アンナさんがもう結果はわかっているだろうけど、改めて質問をしてきた。


「「「「働かせてください!」」」」

「わかった! ビシバシ働いてもらうよ!」


 宿と働き先をゲットした!!


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