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(24) 始まる戦い


 飛びかかってくるシャドーたちへと攻撃を叩き込む。私は炎、ルーナは拳、ノックスは氷だ。


「兄さん!? 氷!?」


 初めて見るノックスの氷魔法にルーナが驚いている。あー、これはまたあとで詰められるやつかもしれない。

 さすがに今問い詰めるわけにはいかないとルーナもわかっているらしく、なにか言いたげな顔だけしている。わかりやすい。


 シャドーたちが奇声? をあげながらこちらに向かってくる。1体1体は普段戦うシャドーたちと強さが同じくらいか少し弱いくらいだ。

 しかしいかんせん数が多い。100体は軽くいるんじゃないだろうか。


「倒しても倒してもキリないな。」

「またなにか発生源あるのかも!」

「ルキア、一掃できるんじゃないの!?」


 ルーナの一言でみんなの期待の視線が私に突き刺さる。

 ……確かに私の炎魔法なら一掃できるかもしれない。それにしてもルーナ、前は全部1人でやってやるって感じだったのに……信頼されるようになったってことかな。

 少し感慨深いものを感じながら、魔力を集め始める。


「今魔力を集めてるからみんな護衛おねがい!」

「任せて!」

「わかった。……いや先に俺が足止めする。アイスメール」


 ノックスが唱えた魔法によって一気に氷がシャドーたちの足元へと広がる。それはまるで海の波のように広くすばやく地面を覆い尽くした。森がひんやりとした冷気に包まれた。


「これは……!」

「今だよ!」

「うん。フレイム!」


 氷によって足止めされたシャドーたちへ向かって、巨大な炎を放つ。先ほどまで冷気包まれてた森が、一瞬にして熱気に包まれる。

 真っ白な炎の中でシャドーたちの苦しそうな声が聞こえたが、すぐに聞こえなくなった。


 そして炎が収まると、そこには焦げた地面だけが広がっていた。


「燃やしつくした……?」

「ナイスね、ルキア!」

「いや、ノックスが足止めしてくれたおかげだよ。それにルーナも氷から外れたシャドーの対処ありがとね」

「それくらい当然よ」

「それにしてもシャドーの量、異常だったな」


 シャドーの気配がなくなったことで、一旦集合した。とりあえず一息をついた。

 このまま研究施設へと向かおうと歩きだしたとき、また叫び声が聞こえた。


「ォギャー!」

「「「今のは!?」」」

「シャドーの声? でもなんか……生まれたみたいな声をしてなかった?」

「……とりあえず確認しにいかなきゃね」


 私達はシャドーの声らしきところへと向かい、駆け出した。



 シャドーの声がしたらしきところへと到着すると、そこは前に発見したたくさんの卵がある場所だった。だがそんなことより……


「百合!?」


 大きな卵に手を触れて、木に腰かけている百合がいた。いや百合というよりはリリィの格好に近い。けれど纏っている服の色合いや雰囲気が異なり、禍々しいオーラのようなものを感じる。


 リリィは大きな卵に壊れやすいもののように優しく触れている。前に私が触れたときは、闇の魔力によって倒れたのに……。

 今のリリィは闇の魔力に適応しているというの!?


「百合!? リリィ!? 返事して!」

「……」


 リリィは私の声でちらりと視線を向けてきたが、何も言わずに微笑んでいる。

 思わず近寄ろうとすると、リリィが近くにあった小さな卵に触れた。リリィが触れたすぐあとに、卵にヒビが入った。


「ォギャー!」

「あれってさっきの声!?」

「やはりシャドーが生まれている!?」


 私達が動揺している間にも、リリィ軽やかに小さな卵たちへと触れていく。その度に卵にヒビが入り、多くのシャドーたちが誕生していく。


「リリィを止めないと!」

「そうね。でもまずはシャドーの殲滅からかしら?」

「やるしかないね」


 拳に力を、手のひらに氷を、そして炎を。それぞれが魔力をこめて、視線を前へと向けた。

 視線の先には怪しく微笑むリリィがいる。そして私達の間にいるのはたくさんのシャドー。少しの間で先ほど殲滅してきたシャドーよりも多くのシャドーが誕生している。

 それにまだまだ孵化していない卵も大量に存在しているのがわかる。……やるしかない。


 さぁ戦闘開始だ。




「クワセロー!」

「生まれたばかりなのに凶悪なこと言うのね!」

「ギャ!」


 ルーナの蹴りがシャドーへと直撃し、シャドーは吹き飛ばされ遠くの木へと叩きつけられた。その衝撃でシャドーは消滅した。


「ツブス!」

「できるものならね。アイスニードル」

「ギャー!」


 ノックスが形成した氷がシャドーを貫いた。私が使う氷魔法よりもはるかに強力だ。突き刺さったところからシャドーは氷に包まれ、一瞬でシャドーは消滅した。


「ジャマスルナ!」

「邪魔なのはあなたのほうよ! フレイム!」

「ギャー!」


 私も炎を放つ。やっぱり私の炎も負けてない。シャドーは一瞬で真っ白な炎に包まれ、跡形もなく燃え消えた。本当は核を吸収したほうがいいんだろうけど、今は時間がないためすぐに消滅させている。


 3人で確実にシャドーの数を減らしながらリリィへと近づく。


 もうすぐでリリィのもとに……


「ダークアロー」

「「「なっ!」」」


 リリィが唱えた魔法によって、闇の魔力で作られた矢のようなものがこちらに向かって降ってきた。それを放ったリリィは相変わらずニコニコと微笑んでいる。


「完全に敵対しているみたいね」

「目を覚ましてあげないと」

「あぁやるしかないみたいだ」


 私達とリリィの戦いが始まった。


 

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