(1) うごめく影
第2章開幕です!
今回はルキア視点ではありませんが、次からはルキア視点に戻ります。
薄暗い部屋の中、モニターの光だけが輝いている。その光に照らされているのはモニターの前に座っている人物。
その人物は何かに熱中しているようで、カタカタとキーボードを叩く音が部屋に響いている。
ガチャ
そんな薄暗い部屋にやってくる人物が1人。慣れた足取りでモニターの前の人物のもとへ向かう。部屋を訪れた人物は細身の男性のようだ。服装から軽薄な雰囲気が伝わってくる。
「やっほー! またストーカー?」
歩いてきた男性は、何かに熱中している人物に声をかけた。しかしながら返事は返ってこない。集中していて聞こえていないのか、はたまた無視をしているのか。どちらかはわからないが、部屋にはキーボードを叩く音だけが響く。
パシン!
「いたっ!」
「お、さすがに気づいた?」
「無視してただけだ! おまえがここへ来るのは、だいたいサボりだろ!」
「今日は違うんですよねー!」
「はぁ? どうせ面白い人間を見つけたとかそんなんだろ?」
「正解ー!」
「はぁ……僕は興味ないから」
モニターの前の人物は、男性の言葉に呆れた表情を浮かべた。結局有益なことは話さないだろうと判断したのか、またモニターへと顔を向けた。
「ルキアちゃんに関係ある人物だって言っても?」
「え?」
その一言でモニターの前の人物は、また男性へと顔を向けた。
「調べてるうちにちょっとね。あっちにまとめた資料あるから行くよー!」
「……あの部屋に? またあいつらいるだろ。」
「大丈夫! たぶんそれぞれ違う世界に出張中だよ。」
「たぶん?」
「もー! 俺が一緒にいてあげるから! 怖がらなくて大丈夫だよ!」
「そんなことは心配してない。……行くぞ」
「え、やっぱルキアちゃんのことになると早いなー。ストーカーじゃん」
「聞こえてるぞ」
2人の人物は会話をしながら、薄暗い部屋を出ていった。
扉から入ってきていた光が細くなっていき、とうとう消えた。中を照らすのは1台のモニターだけだ。
残されたモニターには魔法少女ルキアの姿が映っている。




