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糖分補給!

「(19)魔法少女ルーナ」のときの小話です。

明日からは第2章を開始いたします。

よろしくお願いします!



 月影さんの捜索のために飛んできた。目撃情報を元に路地にやって来たはいいが……やはりすでにその姿はなかった。それ以上の情報はないし、とりあえず近場を見てまわってみることにした。


 薄暗い路地から抜け出すと、人通りは少ないが落ち着いた雰囲気のある通りへと道は続いていた。少し肌寒い季節ということもあり、色づいた落ち葉たちが道を彩っている。


「この季節になると栗とかサツモイモが食べたくなるよねー!」

「栗? サツモイモ?」

「あれ? ルキアちゃん知らない?」

「初めて聞いたー。どんなの?」

「んー、あっ! ちょうどいいし、食べに行かない?」

「いいね! ちょうどお腹減ったんだー!」


 ぐうぅー

 私の発言を裏付けるように、お腹の音が鳴った。みんなは驚いたように笑っていた。けれど知っているのだ。私の他に誰かのお腹の音が鳴ったのを。

 

 百合に手を引かれるようにして、駆け出した。どこに向かうのかと聞いたが秘密とだけしか話してくれなかった。ただ楽しそうな表情をしているので良いところに連れていってくれるつもりなんだろう。

 やがてたどり着いたのは木製の扉がついた家だった。


「ここは?」

「私がよく行くカフェ。ケーキが美味しくて、季節限定ものも置いてるんだよ!」

「へぇー! あっ! ソレイユたちは……」

「「わかってるよ」」


 カフェに入るということでソレイユたちはキーホルダーのようになって、私達の腰にぶら下がった。


 カランカラン……

 百合が扉をゆっくりと開けて入っていったので、私もそのあとに続く。中からは何かの香りがふんわりと流れてきた。嗅いだことのない香りだけれど、どこかリラックスできるような香りだ。


「いらっしゃいませ」


 中にあるカウンターごしに声をかけてくれたのは、品の良い老紳士だった。その手には布とコップがあり、洗い物をしていたところなのかもしれない。


「マスターお久しぶりです」

「えぇ。今の季節のケーキはモンブランですよ」

「本当ですか! よかった! 楽しみにしてたんです」


 百合と共にカウンター席へと腰かけると、2人はにこやかに会話し始めた。百合は男性が苦手だと思っていたけれど、こんな風に話せる男性もいるのか。


「それでは百合さんはいつものコーヒーとモンブランでよろしいですか?」

「はい!」

「ではどうされますか?」


 マスターが私にも優しく目線を向けて注文を聞いてくれた。よくわからないけれどモンブランはケーキ?なら一緒に飲むなら紅茶かな……。


「えっとモンブラン? と、紅茶ってありますか?」

「えぇ、紅茶ございますよ。アールグレイなどはいかがですか?」

「ではそれで!」


 アールグレイという種類の紅茶は知らなかったけど、おすすめしてくれるということはモンブランに合うのかもしれない。

 ……? マスターは不思議そうに私達を見ている。


「おや、あとのお二方はいかがされますか?」

「「え?」」


 店内には私達とマスターしかいない。マスターだけに誰か見えているのかな……? こわっ!


「マスター誰のことを?」

「そちらの可愛いらしい方々ですよ。」


 マスターが向けた視線は私達の腰についているソレイユとシエルに向けられていた。ただのキーホルダーに見えるのに生き物だってわかったの……!?


 ポンッ!

「えっ! まさかバレちゃうなんてー!」

「あっ! ソレイユいいの!?」

「だってバレてるみたいだしー! ほらシエルも!」


 ポンッ!

「すごいですー。あっ! 私はコーヒーだけで」

「僕はオレンジジュースとモンブランで!」

「かしこまりました」


 無事に? 全員が注文できたところでマスターは調理にとりかかるようだった。



「お待たせしました」


 その一言と共に目の前に飲み物とモンブラン?らしきものがそれぞれ置かれた。ぐるぐるとクリームのようなものが巻き付けられていて初めて見る形のケーキだ。


「「「「いただきます!」」」」


 恐る恐るモンブランを口に運ぶと……思わず隣の百合と顔を見合わせてしまう。言いたいことは同じようだ。


「「美味しい!」」


 柔らかくとろけるような口触りと、濃厚な甘さがとても美味しい。それに紅茶のアールグレイはさっぱりと爽やかでベストマッチしている。

 百合とシエルはコーヒー? を飲んでいるようだ。このお店に入ってきたときに感じた香りの正体は、この飲み物のようだった。思わず見つめていると百合が1口いるかと聞いてきた。


「この真っ黒な飲み物……」

「ちょっと苦味があるけど美味しいよー!」

「の、飲んでみる! ……苦い」

「あー、ルキアちゃんは苦手か」

「ルキア子供っぽいなー!」

「そういうソレイユはオレンジですけどね」

「今日はオレンジの気分だったの!」


 コーヒーは私には苦すぎたようだ。ソレイユは飲めるとか言っているが、どうせ飲めないと思う。なんだかんだいって私に似ているところがあるし。

 モンブランとアールグレイで口直しをしながら、つかの間の休息を楽しんだ。



 カランカラン……

「「「「ごちそうさまでしたー!」」」」

「またいつでもいらしてください」


 4人の姿が扉の向こうに消えていった。

 ここはカフェ太陽堂、ゆるやかな時間が流れる憩いの場。





今回の話の舞台であった太陽堂。今後そちらをメインにした作品も書こうかなと思っているところです。

特に魔法少女ルーナの今後に関わってくるとかではないです。


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