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(15) ドラゴンの核


「おはよー!」


 ランの声で目が覚めた。やっぱり昨夜は地球には行かなかったみたいだ。世界を移動するのはどういう基準なんだろうか。ランダム?



 朝ごはんを食べ終わり、モンスター討伐へと向かう。

 森の入口へと続く道を歩きながら考える。森で昔、勇者が倒したとされるドラゴンの核が見つかればいいな。今日はちょっと探してみるか。まぁ今まで何度も森に入っても誰も見つけていないから、見つかる可能性は低いけど……。


「あっ! ルキア! 復活かー?」

「無事に復活しましたー!」

「おめでとー! てかあのドラゴン倒したんだろ?ナイスすぎ!」

「まぁ偶然だよ……というかアクアとかみんなの協力あってだよ!」

「……なんかルキアが謙虚だと怖いな」

「なんだとー!?」


 森の入口へと到着すると、みんなが元気良く話しかけてきた。みんなが倒れているところを目撃した

ばかりだから、こんなに元気そうだと安心する。


 森の前に集まっているメンバーと話をしていると、光の粒子が空中をある方向に流れていっているのに気づいた。


「もしかして……核が……?」

「ルキアどうしたの?」

「ごめん! 今日、ちょっと1人で行動する!」

「え? 危ないって!」


 私1人の事情に皆を付き合わせるわけにも行かずに、1人で走り出した。何人かついてこようとしていたけれど、無事に巻くことができた。

 光の粒子は線のようにつながってどこかへと流れている。道なき道を進んでいくと、1つの大きな木にたどり着いた。


「え? 木の根元に入っていってる。」


 光の粒子は木の根元に吸い込まれるように流れているようだ。何か埋まっているのかもしれないと思い、近づく。


 バキッ! ……バキッ?

「キャー!」


 よく観察しようと木の根っこの上に乗ったとき、根っこを踏み抜いてしまったようだった。下に大きな空間があったらしく、浮遊感が私を襲った。



「ねぇ魔法使いさんはどうしてこの世界に来たの?」

「僕がやってきた理由は友人たちを助けるためだよ」

「友人?」

「そう。ずっと昔に闇に挑んでそのまま帰ってこなかったんだ」


 どこか寂しそうに男性は笑う。


「負けちゃったの?」

「いいや、きっとまだ戦ってるはずだよ。あの2人が負けるはずないからね」

「へぇー! 信じてるんだね!」

「大切な友人たちだからね」

「ずっと昔から探してるの?」

「うん。ここ1000年くらいはね。」

「えー? 1000年!? 嘘だー!」

「ほんとだよ笑」


 大人の男性と男の子と女の子が話している姿が遠ざかっていく。



 ……夢を見てた? オババから勇者の話を聞いたからかな。

 上から光が入ってきている。どうやらあそこから落ちてきたようだ。その衝撃で少しの(たぶん)、気絶していたみたいだ。

 周りを見渡すとところどころ光が当たっているが、全体的には薄暗い。それにたぶん地中ということもあり地下水か何かで湿っぽい。……光の粒子がどこかに流れているのが見える。追いかけよう。


 しばらく歩いていると光の粒子が集まっているところを発見した。まるっこい岩が落ちている。これはまさか昔に倒されたドラゴンの核?そっと触れてみる。……! 頭の中に何か流れてくる!


 先ほど見た夢の男性が語りかけてくる。それに答えるように子供たちが口を開く。


「まさか○○○○がドラゴンを倒しちゃうなんてね!」 

「僕もやるときはやるんだよ!」

「へぇー。まるで勇者だね!」

「勇者?」


 男の子が不思議そうに問いかける。


「そう。これまで旅してきた世界でいたんだ。世界を救う人。それが勇者」

「勇者……。僕、勇者になるよ!」

「え? あんまり自分で名乗るようなものでは……」

「それでこの世界を救って、○○○○○の友人たちも助け出す!」

「! ……○○○○なら向いてると思うよ」


 男性が眩しそうに男の子を見ながら言った。それに男の子は嬉しそうな顔をしたが、女の子がからかうように話し出す。


「だらしないから無理じゃない?」

「なにをー?」

「なによー?」

「コラコラ喧嘩しない。カッコいいお兄ちゃんとお姉ちゃんになるんでしょ?」

「「はーい」」


 ……今のは?気がつくとその記憶の再生は終わっていた。それに先ほどまでただの岩に見えた玉が黒い塊へと変化した。


「フレイム!」


 少し気持ち悪かったので炎を強めに当てると、白く変色し始めた。そしてすべてが真っ白に変わったところで、改めて触れるとまた溶けるように体へと吸収された。

 とりあえずこちらの世界でも核は吸収できることがわかった。ドラゴンの核を吸収できたのは大きな収穫だな。


「よし! ……じゃあ脱出しなきゃ。すみません! 誰かいませんか!」


 目的を果たし、ここにずっといるわけにもいかないため脱出することにした。

 まず助けを求めてみたけれど、かなり森の奥にきたこともあって近くに誰もいなそうだ。壁は……ぬめっていて登れなそうだ。

 どこか外に通じている場所を探し始めた。



 ……出口は上しかなさそうだ。しばらく探索してみたが、広い空間があるだけでどこにも通じている場所はなさそうだった。


 上か……空を飛ぶ魔法とかあったらな……それか階段を作れるほどの氷や土魔法。でも伝説のドラゴンの核を吸収したし、魔力量が一気に増えたのでは?それなら地道に階段を作り続ければ出られるかもしれない。

 なんとなく階段をイメージしながら土魔法を唱える。


「アースダート」


 1段出来れば上等だと思ったのに、一気に上まで続く土の階段が出現した。


「えっ!? 威力が上がってる!? ……フレイム!」


 威力が上がっていることに驚きつつ、フレイムを唱えると白っぽい炎が出現した。いつもより感じる熱が高い気がする。って炎が!


「ウォーターフォール!」

 バシャーン!


 燃え広がる前に無事に鎮火できた。……核を取り込むことで威力があがることもあるみたいだ。もしこれを他の人もできたら、モンスターたちをより効率的に倒せるかもしれない。

 地下空間から階段で脱出しながら考える。モンスター討伐隊のみんなに共有したほうがいいのかもしれないと思いながら、森の出口へ向かった。



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