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(14) 魔力量を増加させよう!


 無事にシャドーを倒し、男の子を助けることができた。男の子には魔法少女の存在は秘密だと約束して、逃げてもらった。

 そのとき男の子はキラキラした目をして、軽く頬を染めて返事をしてくれた。たぶんリリィに見惚れてたんだろう。


 そして私の手のひらの上には黒く染まった玉がある。大きさとしてはコインぐらいの大きさで、とても軽い。


「これが核だよね?」

「たぶんね。でも真っ黒だね」

「触れると浄化できるんじゃなかった?」

「そう言ってたよね……? 魔力をこめるのかな?」


 触れても変化がなかったため、魔力をこめてみることにした。魔力が核へと送られることを意識すると、自分の体の中の光の粒子が核へと移動していることがわかる。自分の魔力の流れまでわかるようになったようだ。

 しばらく魔力を送っているとだんだん核の色が変色し始めた。真っ黒だった場所が白く変わっていく。そしてついに核が真っ白に染まったと同時に溶けだした。


「きゃっ! 溶けた!」

「あっ、体の中に……」


 溶けた核は私の体の中へと入っていってしまった。特に違和感は感じないし、魔力量が増えたという実感もない。


「これで良いのかな?」

「ルキア、なにか魔法使ってみて!」

「了解! フレイム!」

「おー! ……ん? 変わらない?」

「威力は変わってないみたい。……だけどいつもより余裕がある!」

「余裕?」

「うん。なんだろ……今までは10のうちの5を使って出してたのが、今は10のうちの3使って出したみたいな?」

「なるほど! それが魔力量が増えたってことかもね!」

「そうかも!」

「じゃあもっと核を取り込んだら魔力切れで倒れることがなくなりそうだね」

「うん!」


 核を無事に取り込めたところで、体が引っ張られる感覚がした。元の世界に戻るのかも!


「元の世界に戻るみたい!」

「わかった!」


 皆に見送られながら、意識を落とした。



 パチパチ……

 この音は暖炉の音……?


「おや、おかえり」

「オババ……?」

「そうさ。何か掴んだようだね」

「わかるの?」

「あぁ、オーラが見えるって言ったろ?」

「オーラ……もしかしてこの光の粒子のこと?」

「同じものとも言えなくもないね。ただ少し違うけれどね」

「そっか……」

「でもちょうど良かった。少しお話でもしようかね」


 そう言って、オババは勇者さまのお話をしてくれた。




 昔、このイリオス村には知的な女の子とだらしない男の子がいた。そしてその知的な女の子の妹がオババ。その3人はいつも仲良く遊んでいた。


 あるとき旅をしている魔法使いの冒険者がやってきた。数日間この村に滞在することになり、3人はよく冒険の話をねだっていた。

 その冒険者は別の世界からこの世界に来たのだと言う。やってきた理由はこの世界に現れた闇を祓い、この世界と他の世界を守るためだという。確かにその頃はモンスターの活動が活発になり、被害がいたるところに出ていた。


 そして冒険者の滞在最終日、村にドラゴンが現れた。村のみんなで立ち向かったが、すぐにボロボロにされた。もうダメだと思ったとき、普段はだらしない男の子が立ち上がった。冒険者の援護を受けて光輝いた男の子は、ドラゴンへ大きなダメージを与え倒した。

 やがてその姿から男の子は勇者と呼ばれ、冒険者と知的な女の子と闇の根源を消滅させに向かった。


「あれ?オババは着いていかなかったの?」

「私は強くなくてね。おいていかれてしまったよ。」


 そこからは噂で聞いた話だけどね、勇者一行は各地で様々な問題を解決してまわったらしい。そして闇の根源を消滅させることに成功したと。確かにその後、モンスターは出現しなくなったのさ。

 ……しかし勇者一行がこの村に帰ってくることはなかった。どこかで幸せに暮らしているのならいいんだけどね。

 これで私が知っている勇者の話はおしまい。




「話してくれてありがとう。でもどうして私に?」

「話しておかなければと思ったのと……あとはもし可能なら姉様たちがどうなったのか知りたいと思ったのさ」

「私……勇者のこととかオババに聞くまで伝説でしか知らなかったよ?」

「なんとなくルキアは今後知ると思うんだ。さぁそろそろ帰った方がいい」


 オババにさとされ、窓を見るとちょうど日が沈むところだった。強いオレンジの光が窓から差し込んでいた。


 

「ただいまー」

「「おかえりー」」


 家に帰ると夕ご飯を準備しているところだった。準備を手伝いながら話をする。


「今日は何してたの?」

「オババに話を聞きにいってたの。」

「オババに?」

「そう! 勇者の話をしてもらったよ。」

「えー! いいなー!」

「ランも今度聞きに行こうか?」

「えー! じゃあ今日の夜話してよー!」

「お母さんも小さいころよく話してもらってたわー」

「「そうなの?」」


 ご飯を食べながら勇者の話をした。


「そういえば森のどこかに昔、勇者様が倒したドラゴンの核があるらしいわ」


 お母さんが思い出したように言った。


「え? 核ってそんなに残ってるものなの? 100年ぐらい前の話でしょ?」

「そういうおとぎ話が残っているだけよ」

「へぇー! ランみてみたーい!お姉ちゃん見つけたら教えてね!」

「わかったよ」

 

 そういえばドラゴンを討伐したときに思ったけど、この世界のモンスターにも核らしきものが存在していたな。他のモンスターにはもしかしたらないかもしれないけど……


 前に村に来たドラゴンの核は破壊してしまったけれど、昔のドラゴンの核があったら魔力量がもっと強化できるかもしれない。まぁこの世界の核が吸収できるかは不明だけど、探してみる分には無駄じゃない気がする。


 ご飯を食べ終わり、ベッドへと入った。今日はまだ体が引っ張られる感覚がしないな……? 


 ……暗転。



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