(13) 妖精界
ソレイユとシエルの故郷?を間違えて精霊界としてたので妖精界に直してます。
翌日、目が覚めると地球だった。
今日も戻らなかったみたいだ。前にこちらで数日経っても、元の世界では1日だったこともあり、今回はそこまで焦りはない。とりあえず私の魔力は戻ってきたようだし、百合の具合はどうだろうか。
寝室にはもう私しか残っていなかったので、リビングへと向かう。
ガチャ
「おはよー!」
「おはよー! 元気そうだね!」
「ん、百合もね。」
「うん! 風邪治ったー!」
「悪化しなくて良かったよ!」
「それじゃ2人が復活したということで……妖精界へレッツゴー!」
「「レッツゴー!」」
ソレイユとシエルの手を掴んで、移動する。視界が一瞬真っ白になった。
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目を開けると幻想的な世界に立っていた。上も下も星空が広がりつつ、白銀の木がところどころに立っている。
「ここが……?」
「そう! 妖精界だよ! 綺麗でしょー?」
「うん! とっても!」
「綺麗ですけど、人間の体にはあまり合わない場所なのですぐ済ませましょー。ずっといると存在が消えちゃうかもです」
綺麗な場所だと百合と感動していたら、シエルに怖いことを言われた。ちなみに私達はここに来る前に魔法少女に変身済みだ。生身の体では耐えられないとのことで変身させられた。……そのまま来ていたら存在が消えてたのだろうか。
「妖精王のところへ急ごう!」
ソレイユが飛んでいく方向へついていく。その道中、ソレイユたちの仲間だと思われる妖精たちが手を振ってくれた。可愛い。
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これまで見てきた白銀の木の中で一番大きい木に妖精王はいた。
王というから男性かと思いきや、とても美しい女性だった。リリィもノックスも美形だったが、その女性は人間離れした美しさを持っていた。
「よく来ましたルキア、リリィ。それにソレイユ、シエル連れてきてくださって感謝します。」
「「「「はい!」」」」
「私の名前はエウロ。せっかく私を頼っていただいたのですが、私に残された力は少なく、あなた方に渡せるものは少ないでしょう。」
そういって妖精王エウロは悲しげに目を伏せた。エウロの体を見ると、大樹と体が一体化していることがわかる。そしてその枝の一部が紫色に変色しているのだ。……あれも地球に現れるシャドーの影響なのだろうか。
「ルキア、リリィ、こちらへ」
エウロに呼ばれ、近づく。目を閉じるように言われて、そっと目を閉じた。……まぶたの上にエウロの手のひらが被さった。温かい何かが入り込んでくる感じがする。
「もう目を開けて大丈夫ですよ」
「今のは?」
「あなた方の目に私の力の一部を宿しました。少し見えるものが変わるでしょう」
そう言われ、周りを見ると光の粒子のようなものが漂っているのが見える。そしてところどころその粒子が集まるように流れている。
「何か光の粒子のようなものが見えます」
「ええ、それは魔力。普段、魔法を使う際に無意識にあなた方が集めているものです。」
「そうなんですね!」
「はい。そして魔力が集まっているところがあると思います。それが核です。生物は皆、核を所持しています。もちろんシャドーも」
「私達も核を?」
「えぇ、意識をしていないだけで皆持っているのですよ」
「そうなんですね。それでどうして見えるように?」
「それがあなた方を強くするためのものだからです」
エウロによると、核を取り込むことで魔力量を増加させることができるらしい。そして強くなるためにはシャドーの核を取り込む必要があるとのことだ。
「シャドーの核を取り込むなんて大丈夫なんですか?」
「心配しないで大丈夫ですよ。確かにシャドーの核は闇の力で汚染されています。しかしあなた方なら浄化し取り込むことが可能です」
「浄化!? ……リリィならまだしも私は炎などの魔法しか使えませんよ。」
「魔法を使う必要はありません。あなた方の核自体が浄化の光を纏っている。そのため核を取り出し、触れるだけあるいは魔力をこめることで浄化できるでしょう」
「な、なるほど……」
魔法少女という特性で浄化できるのかもしれない。
「ではそろそろこの世界を出ないと危ないですね。」
「あっ! ……エウロ様ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
「いいのです。久しぶりに友人に会えて嬉しかったです」
「「?」」
「じゃあ2人とも手を掴んで!」
エウロは私達のことを友人だと言った気がした。今日初めて会ったんだけど。しかし急いで戻らないといけないため、すぐソレイユとシエルの手を掴んだ。
遠ざかるエウロの表情には少女のような笑みが浮かんでいるように見えた。
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百合の部屋へと戻ってきた。
「それにしても妖精界とエウロ様、とっても綺麗だったね! 本当に物語の中みたいだった!」
「そうだね! 強くなる方法も聞けたし、頑張ろうね!」
「やる気な2人に報告ー! シャドーが現れたよ!」
「ちょうどだね! 変身してるし、このまま行こう!」
「ルキア、核まで燃やさないように気をつけてね!」
「もっちろん! 任せてー!」
再びソレイユとシエルの手を掴んでシャドーの元へと飛んだ。
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「……誰か助けて……」
「イタダキマス!」
小さな男の子へとシャドーの魔の手が伸びる。
「「そこまでだよ!」」
「……ジャマスルノカ?ダレダ?」
「魔法少女ルキア!」
「魔法少女リリィ!」




