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(9) 帰れない……?

 目が覚める……ここはどこ?


「うーん」


 隣で声がして、見ると百合が眠っている。部屋の端っこの方にソレイユとシエルも見える。まだ私、地球にいたのか。窓から入ってくる光で朝だとわかる。……まさか寝ても戻れないなんて……どうして?

 しばらく考えていたが、あまり埒が明かないため顔を洗いに行くことにした。寝起きだからだろうか、あまり頭が回らない。


 昨日教えてもらったからこの家のものはだいたい使えるようになった。静かに寝室を出て、洗面所へと向かう。



 顔を洗い、ボーっとテレビを見ていると声をかけられた。


「ルキアちゃんおはよー」

「百合おはよー」

「元の世界には戻ってないんだ」


 百合が心底不思議そうに問いかけてくる。


「そうなんだよね。もともとどうやって地球に来てるかわからないし、帰り方もわからないんだよね……」

「そうなの!?」


 帰れないことに私よりも百合の方がショックを受けた顔をする。

 ……私はあまり心配はしていないんだけど、一応いつ帰るのかぐらいは把握しときたいな。


「うん。私が帰るとき、前は百合の前で消えたんだっけ?」

「そうだよー! ゆっくり空気に滲むみたいに消えてた!」

「へぇー! 自覚なかったなー。いつも眠る感じで気がついたら移動してるからなー」

「ソレイユさんなら何か知ってるかなー?」

「それだ! ソレイユは?」

「まだ寝てるよー!」

「おっけー!」


 寝室へと向かうとよだれを垂らしながらソレイユが寝ている。


「ソレイユー!」

「うぅーん」

「ソレイユ!」

「うわっ! ……なに! 気持ちよく寝てたのに……」

「聞きたいことがあって!」

「シャドーなら出てないよ……」

「ちがくて! 私なんで向こうの世界に帰ってないの?」

「ん……? そういえばルキア昨日からずっといるね?」

「わかってなかったの!?」


 ソレイユを叩き起こし、話を聞く。

 ソレイユができるのは何かしらの適合がある魂を呼び寄せることだけのようだ。そして元の世界に帰しているのはソレイユの力ではないとのこと。

 そしてソレイユによると地球と私の世界の間には認知不可能な空間があるらしい。その空間を魂だけが移動するので、正確な距離はわからないらしい。


 その時々によって距離は変化するらしく、それぞれの世界の時間の流れ方は異なるらしい。そのため今、こっちで経った時間と私の世界の経った時間ではズレが生じているかもしれない。

 こちらで1日でもあちらでは1週間、いや1年経っている可能性があるのだ。


 説明を聞いて慌てていると、リビングで百合が呼んでいる声が聞こえた。


「みんなー! 朝ごはんー!」


 とりあえずご飯食べよ……



 結局話し合ったが、解決法はないという結論になり自然に戻るのを待つことにした。

 そのあとシャドーが出現したとのことで倒しに向かう。


「ルキア! こっち!」

「うん! リリィ!」


 前を走るリリィを追いかける。……そういえばリリィが魔法少女のときにだけ、私を呼び捨てにしていることに気がついた。

 ……呼び捨ての方が距離が近い感じがしていいな。いつか魔法少女じゃないときも呼び捨てにしてくれると嬉しい。


 それに私もリリィと呼んでるな……? これはもしかして魔法少女の特徴なの!?


 そんなことを思いながら今日も戦う。

 前を走るリリィごしにシャドーが暴れているのが見える。


「ルミナス!」「フレイム!」


 走るスピードをあげ、リリィの隣へと追い付くと同時に魔法を放った。光と炎がシャドーを包み込み、周囲を明るく照らした。


 シャドーは悲鳴をあげながら消滅していった。


 それを見届けてからリリィに話しかける。


「ねぇ私のこと、魔法少女のときルキアって呼んでるよね?」

「……呼んでるかも! ごめん、馴れ馴れしくて……」

「違う! 全然いいの! それより魔法少女の格好じゃないときも呼び捨てでいいんだよ?」

「うーん、緊張するし……」


 あまりリリィは乗り気じゃないみたいだ。


「あ、無理して呼ばなくても全然……」

「なんかちゃんの方がかわいいでしょ? ルキアは可愛いからそっちの方が合ってると思うの! 魔法少女のときはカッコいいけどね!」


 可愛い……。最近そんなこと全然言われなかった。モンスター討伐のときも頼りにならないとって張り切ってたし、地球でも誰かを守るためにって……。


「あっ! もちろんちゃん付けが嫌だったら、頑張って呼び捨てにするよ?」

「ううん! いいよ! そのままで。私、可愛く思われたい」

「そっかー!」


 リリィは嬉しそうに笑った。私も思わずにこりと笑顔を浮かべた。

 その場に現れたシャドーは1体のみだったため、変身を解いて家へと帰った。


 無事に家に到着して、諸々の就寝準備を済ませたあと布団へと向かう。


「ねぇ、明日になったら戻ってるかな?」

「わからないけど……朝起きていなかったら、寂しいな」

「百合……!」

「でもちゃんと帰れる方が嬉しいよね!」

「まぁいつもいつの間にか移動してるし、正直あんまり現実感がないんだよね。どっちの世界も夢みたい。」


 よくよく考えるとそうなのだ。もともと地球の夢を見ていたこともあって、動けるようになってもどこか夢見ごこちな感じだ。


「そうなんだ……」

「うん。でもたとえすべてが夢だとしても百合に会えて良かったよ!」

「私もルキアちゃんが夢の存在だとしても会えて良かった」


 友情を感じたところで、眠気が襲ってきた。あぁ戻るのか……。



「おはよー!」


 目が覚めて、一番最初にした声は……百合の声だった。うーん、戻ってない!


 まぁしばらくしたら戻るはず! それまでは地球のシャドー退治に取り組むしかない!



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― 新着の感想 ―
せっかくのいい設定を後書きで書いてしまうのはもったいないなと思いました 元の世界に帰れないのに切迫感がないのは魔法のせいなんでしょうか
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