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タイムリープ

作者: 星ノ光

練習作一号

照明の眩しさで目が覚めた

どうも頭痛がひどい。

困ったことに何も思い出せない。昨日かなり飲み過ぎてしまったのかもしれない



散らかった部屋

倒れているタンス

山積みの空き缶とペットボトルの上に、掛け時計が落ちているのが見える

ああ、短い針がてっぺんを過ぎてしまっている



今日も今日とて午前中を無駄にしてしまったみたいだ

重い体を無理やり動かしゆっくりと起き上がる

やはり頭がひどく痛む

床を覆い尽くすゴミの上で寝てしまったせいか身体中がバキバキだ

しかし、まともな布団は倒れた棚の下にある

たまには掃除でもした方がいいかもしれない



ひどく痛む体に鞭を打ち掃除を始める

まずは倒れている大きな棚をもとに戻そう

中身がすべて床に散乱していても案外棚は重いものだと実感する

起こしてみて気づいたがこの棚、足が一本折れているではないか

道理で倒れてしまっているわけだ。

しかし書い直すお金もなく、頑張って起こした努力を無駄にはしたくないので見なかったことにした



棚の下から、元々棚に飾られていたのだろう読みもしない本や、古い参考書が顔を出す

棚の下にあったからか埃をかぶってはいなかった

それらを適当に棚に戻す

少しバランスは悪いが、布団を取り出すための整理整頓だ。問題はない

あいも変わらず頭が痛い。

ついでに近くに落ちてるゴミも棚に詰め込む。

10分の1も綺麗になっていないが、おかげで布団だけは取り出せそうだ

久々に使用されるのであろう布団は案外清潔さを保っている。



最後に落ちていた掛け時計を棚の上の方に掛ける

ふと見るとこの時計、どうやら壊れて動いていないようだ

側面に何かにぶつけて凹んだような跡もある。

ただのゴミだと判明したが、置き場にも困るのでそのまま棚にぶら下げる



あとは山になった空き缶とペットボトルだがゴミ袋すらないので捨てようがない

ひとまず未来の自分に託すことにしよう。

未来の自分に託す。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・そもそも僕は誰だ?



頭がひどく痛む。

ここは僕の部屋だ。それだけは間違いない

では僕は誰だ。

・・・・・・わからない。

何も思い出せない

ようやく回り出した頭から恐怖や不安が湧いてくる

僕の名前は・・・・

生年月日は・・・・・

仕事は・・・・・・・・

親は・・・・・・・・・・

自分に関する記憶が何も思い出せない

原因はなんだ。なぜこうなっている。

いや、そんなことよりここが僕の部屋なら何か思い出すヒントがあるはずだ

そうだ。さっき本棚に本を突っ込んだ。

本の中には参考書があった。

きっと一冊くらい本に名前を書いているはずだ

床のゴミの上を足速に進み棚へと戻る

さっき乱雑に積んだ本を適当に引っこ抜く




とその時、足が一本足りない棚がぐらつき、その重い巨体が顔を近づけてきた

ああ、まずい

そう思うより先に棚にかけた時計が頭にぶつかった

目の前が少しずつ暗くなる

最後に山積みの空き缶とペットボトルの上に時計が落ちるのが見えた。

ああ、頭がとてもひどく痛む・・・・・・








照明の眩しさで目が覚めた

どうも頭痛がひどい。

困ったことに何も思い出せない。昨日かなり飲み過ぎてしまったのかもしれない

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