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英雄の戦場~帆世静香が征く~  作者: 帆世静香
第二章 現実の過渡期を過ごしましょう。
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攻略は順調です

(´・ω・`)ちょっと師匠の知り合いがいるらしいんで…ほいなら


帰りの輸送機、轟音と振動に揺られる10数時間のフライトが始まった。かの相棒は、ふらふらと一人旅に行ってしまい、帰りの便に乗っているのは私一人だ。窓の外は吹雪いており、3月も中旬というのに荒れた天気となっていた。


まあ、こもじなら大丈夫でしょう。


それよりも、とウィンドウを起動する。ダンジョンにこもっている間は、一部機能が制限されてしまう。

溜まった報告書を後回しに、今回のダンジョンについて報告書をしたためる。


☆【重要】D1奈落の獣喰攻略について 帆世静香

UCMCの皆様

先日の報告の続きです。概略は以下の通りです。

・デルタフォースと合流し、奈落の獣喰の攻略に成功。

・ダンジョンコアを破壊することで、脱出可能でした。※詳細は後述

・先遣隊のご遺体は回収できず。タグをデルタフォースが回収。

・ダンジョン内は地球と空間が断裂、しかし時間は同期しています。※詳細は後述

・本攻略につき、特殊個体の亡骸を確保。至急検査と、可能であれば装備へ加工してください。加工できた場合の支給優先順位は攻略メンバーとすることを強く提案します。


攻略における重要所見です。

・ダンジョンは空間が断裂しており、「管理権の取得」もしくは「ダンジョンコアの破壊」以外の方法で脱出が困難です。

・以後、ダンジョン潜入に対しては完全攻略を望めるメンバー選出を提案します。

・ダンジョン潜入時、リーダーとして攻略経験のある者を提案します。

・銃器が有効でない敵対生物がいる可能性があります。

・ダンジョン内での戦闘による、身体機能が向上します。


各項目の詳細を添付してあります。

ご確認お願い致します。


帆世静香


まあ、こんなものだろう。既に攻略が終わったダンジョンの情報は不要、今後活かせる情報に焦点を絞って記録していく。ダンジョン内の戦闘を見たければ、ウィンドウに記録されたデータを見せればいいことだ。巨人の顔面ドアップとか、いくらでも提供しよう。


ダンジョン内では魂の概念があり、戦闘により魂の器が満たされる感覚がある。これは私だけでなく、全ての人に共通するはずだ。私の場合は、邂逅によって魂の器が拡張されているため、上限までかなり先であると思う。


デルタチームとの連絡ラインは通じている。後々、変化を教えてもらおう。特に禍胎の破壊とダンジョンコアの破壊時に魂の流入を感じた。フニちゃんがいれば、鮮明にわかったのだろうが、元気にしてるかな?


続いて、たまった報告書に目を通していく。どうせ日本に帰還するまで時間はあるのだ。

こもじに一部譲渡したとはいえ、スキル:空間転移はまだ生きている。スキル:瞬歩を分解し、構成しなおせば転移自体は可能だ。


ダンジョン内に取り残された場合、転移によって緊急脱出をはかるのも1案かもしれないな。それでも、瞬歩の使い勝手も非常によく、戦闘時には瞬歩のほうが汎用性があることも事実だ。


ああ、報告書の山を目の前に現実逃避してしまった。ちゃんと見ないとね。


☆重要クエスト達成による報酬が判明 

一部重要クエストを達成することで、RPが得られることが判明。

「深海特定点の調査」を日本チームが挑戦、人類未到達であった深海を調査に成功。

それにより、「マッピング達成度」が50%に到達。1RPが真人鷹平に付与されました。

現在、RP入手が見込まれるクエストの調査と実行委員会を作成中。


なるほど。月や火星にいけばもらえたりするのかしら。RPはめちゃくちゃ重要な資源と言えるが、付与されるのが真人なんだ。実行者じゃないのは、微妙なシステムね。


☆未発見討伐対象の探索報告書

依然として捜査中であるとのこと。


なんだか不気味ね。ただ、私にできること無し。


☆D2黒聖堂の攻略状況報告書

ヴァチカン市国の地下に出現した2番目のダンジョン。表向きは非公開とされているが、内部では宗教上価値のある書物やレリーフが多数確認されている。ダンジョン内部の構造は不規則かつ有機的であり、現実世界の地下遺跡と融合した異常な空間を形成している。

現在、有志のキリスト教徒が神聖騎士団を結成し、()()()()調()()()()()()()

⇒帆世:クリア条件が分からないまま人員の大量投下は危険です。情報の精査と、必要時連絡してください。


☆帆世ちゃんへ:鞘できたぞい!

刀の手入れついでに、顔を見せなさい^^

⇒帆世:わーい( ๑❛ᴗ❛๑ )♡ 今日伺いますね。


☆現在確認できているクエスト一覧

クリアに対して、積極的に人員募集中…あ、これは読むのが大変な奴だ。パスパス。


☆スキル保有の重要指名手配犯確保

☆スキル発現を促す教育プログラム開発委員会への参加要請

☆【重要】進化の箱庭の攻略開始について検討 帆世さん個人宛

☆スキル系統ごとの団体設立について

☆各国の法律改定による武器所持の許可について

☆民間人の武力集団管理について



果てしない報告書を流し読みでログをスクロールしていく。眠たくなってきた。

危うく読み飛ばしそうになったが、私宛への通知があった。


☆【重要】進化の箱庭の攻略開始について検討 帆世さん個人宛

スキル発現・自国軍の強化を狙って各国から挑戦要請が殺到しています。

10階層ごとに帰還が可能なのですが、詳細は不明。帆世さんのご協力を頂けないでしょうか。

⇒帆世:積極的な攻略を推奨します。私の立場・役割はどのようなものでしょうか。注意点として、ただの攻略であれば軍隊での制圧もいいかもしれませんが、重機が持ち込めない以上死者が出る可能性が高いです。また、おそらく銃による戦闘では、スキルは大して発現しないでしょう。以上の点から、最初は少数精鋭に限定して攻略を開始するべきと思います。

攻略情報が揃ってくれば、一般の人にも広く開放していく方針でもよいのではないでしょうか。



いちいち、デルタチームと合流した時みたいに仲良くなる工夫は面倒くさい。それに、大規模な軍隊を動かすなら私では向いていないだろう。また、戦える人を増やすのは非常に重要なことだ。死ぬ覚悟があり、強くなりたい人であれば積極的に参加してもらえばいいんじゃないだろうか。


私も、挑戦するなら情報が揃ってからがいいなあ。


人類の課題は山積ですな。私もその端くれとして、貢献していかなければいけない。そうしないと、巫さんの世界のように一部の人に過度な負担をかけて、全体として衰退するだけなのだから。さぼったり怠けたりするだけの余裕は、この星には残されていないのだ。


日本に帰ったら武器メンテして、それから……


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