HRのはじまり
僕らは急いで校舎の入口に向かった。
そこには僕の名前とクラスが書いてあった。
1-A 13 鈴屋 圭
「僕は1-Aか…ってもう時間ねえ!!!」
僕はその女性を置いて、先に階段をのぼり、1人で自分の教室に向かってしまった。
そして4階まで向かうと自分の教室があり、慌てて入った。
「ふう…間に合ったあ…」
しかし、もう同じクラスメイトは席に着いており、クラスメイトの視線は教室の前入口の目の前にいる自分に集まっていた。
「あ、あいや!あの…遅れました…」
言葉を失い、あがってしまった。そのとき後ろから
「君も同じクラスなんだね」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「き、君はさっきの…」
「まさか同じクラスだなんてね。まあこれからもよろしくね」
「よ、よろしく」
まさか同じクラスだったとは…てっきり年上かなんかだと思っていた。
「ほら、そこの2人。早く席に着きなさい。」
声を上げたのは僕のクラスの担任だった。
「は、はい!」
黒板に貼ってある座席表を見て、自分の席を確認した。
「1番後ろの窓から2番目のとこか。」
どうやら席は出席番号ではなく、ランダムのようだ。
こうして僕は自分の席に着いた。
すると、その女性も何故かこっちに来た。
「私、君の席の隣なんだ。 凄い偶然ね。」
なんとビックリ。その女性は自分の隣。そう、1番後ろの窓側だったのだ。
「確かに…これは凄いですね…」
こうして2人は席につき、人生で初めてのHRが始まった。
「これからHRを始めます。まず私の自己紹介から始めます。私は、桑道 考 (くわみち こう)と言います。教科は数学です。どうぞ、気軽に頼ってください。」
確かに言われてみれば数学顔である。
教師の顔を見ていて少し思った。
「ねえねえ、そういえば君の名前を聞いてなかった。名前はなんていうの?」
隣の女性から声をかけられた。
「ぼ、僕は鈴屋 圭です。逆になんて名前なんですか?」
「私?私は天海 玲奈よろしくね」
「よ、よろしく。あれ、そういえばなんでさっき海にいたの?」
「それはね、私海が凄い好きなの。だから私はわざわざここに引っ越してきたんだよね。そしたら時間を忘れて気づいたら鈴屋くんと同じ遅刻ギリギリ。」
言われて見ればこの学校は海の近さだけはほんとに優れている学校だった。
「そうなんだ。あれ、じゃあこの街の事あまり知らない感じ?」
「そうだね。わたしこの街に来たのはちょうど2日前なんだよね。それも引っ越しとか色々あったからほぼ家は出てないし。」
「そうなんだね…」
「そうだ!なんならこの後この街のこと教えてくれない?」
「ヴぇ!?」
僕は女性とこういうイベントにあった事が何も無かったせいで耐性が何も無かった。
「おい、鈴屋。なにかあったか?」
「い、いえ!なにも!!!」
これは大変な高校生活になりそうだ。