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75/202

75,500階。

 


 カブギルドの依頼を片付けるため留守にしていたロクウさん。

 ベルトさんがご臨終した翌々日、帰還した。


「先生ぇぇぇ! お久しぶりですぅぅぅ!」


「はい久しぶりです。それじゃ、あとは任せましたよ」


 カブギルドをロクウさんに預けて、やっと私は【覇王魔窟】へ向かえる。

 ミリカさんとベロニカさんが同行すると言い出したので、私は《操縦》で単身、空へ。さらに《電光石火》で加速し、あっというまに撒いた。

 今回ばかりは、私はソロプレイで愉しみたい。これから先も、カブギルドのギルマスとして、責任に悩まされるのならば。せめてたまには、ソロプレイで趣味に没頭する時間が必要だ。そうしないと、ストレスで死ねます。


 あと趣味とはいうけども、期限内に〈悪鬼羅刹ザ・ボーイ〉を撃破しないと、ベロニカさんの命がないからね。そういう意味でも、やはり私にとって最も責任があるのは、このダンジョン塔【覇王魔窟】なのだろう。


 さてと、今日はどうしようか。地下迷宮〈死の楽園〉で、ひたすら強化素材を集めるのも良さそう。だが、ひとまず今の私がどこまで上れるのか、確かめてみるべきでは? 

 すべては【覇王魔窟】最上階1001階を目指す旅。だが今のところ、私の最高記録は199階でしかない(そのときは200階ではなく、ランダム階層入れ替えで、998階に出たのだった)。

 攻略記録ポイントのある100階から、開始。


 現在、わが魔改造(くわ)〈スーパーコンボ〉は武装Lv.1102。前回、199階まで行ったときは、武装Lv.241だったので、かなり上がっている。


 その証拠に、たとえば161階の〈鎌鼬カッティング〉。前回のときは、神速すぎて目で追うこともできなかった。ただし攻略法は、どこにでもいいから攻撃するだけで良かった。

 だが今は──がしっと、右手で、神速移動中の〈鎌鼬カッティング〉を鷲掴みする。ふむ。防御領域の基礎上げは、何も身体の防御力が上がるだけではなく、その他の身体能力も引き上げてくれるようだ。(防御Lv.20)ともなると、そういった面がよく分かるようになった。

鎌鼬カッティング〉を握りつぶす。


 20分後には、200階に到着。ここまでの全ての階層の魔物は、通常攻撃の一発で撃破できた。すでに下層階では手こずる敵はいないようだ。

 200階で攻略記録を登録。

 アリエルさんは脳内に来なかったので、私はそのまま201階へ。


 そして──その後もサクサクと進んだ。だいたい通常攻撃が何発で敵を倒せるかで、その階層のレベルを推し量った。

 300階に到着。

 魔物の血で水分補給しながら、攻略記録ポイントを登録。アリエルさんは今回も脳内に来ない。地下迷宮〈死の楽園〉の〈鍵〉を誰からもらったのか隠しことで、まだ怒っている? 

 女神さんだったんですね、と確認したかったんだけど。まぁ、そのうちアリエルさんも来てくれることでしょう。

 301階へ進む。

  

 そして──300階層台ともなると、それなりにやりがいのある魔物が出てきた。たとえば324階の〈砂男(サンドマン)〉。身体の構成が砂であるため、通常攻撃ではダメージを与えられない。またこちらの肺に入られると、体内から攻撃されてしまう。おそらく(防御Lv.20)も体内までは機能しないだろう。

 そこでこちらは《黒体波動》を発動。

『発動すると、空中に闇黒球体を生み出す。闇黒球体は、周囲10メートル以内の敵(つまり自分やパーティメンバーは除外)を吸い込む。30秒で消滅。また、ゆっくりとだが動かすことも可能』。

 これで〈砂男(サンドマン)〉を構成する砂をすべて吸い込んで、撃破。


 また378階では、はじめて『ダンジョンらしいダンジョン』が現れた。つまり、ワンフロアではなく迷路構造なのだ。ただし、はじめてということでか、それほど入り組んでいなかった。迷路攻略中に、何体か既存の魔物が配置されているあたりは、これぞダンジョン、という感じ。

 撃破、撃破で、攻略。


 その後は、ワンフロア型のときもあれば、迷宮型のときもある、という具合だった。こうして400階に到着。攻略記録を登録し、脳内にアリエルさんが来ないのを確認してから、401階へ。


 驚きは、436階にあった。そこはただのワンフロアではなく、『天井がない』タイプ。これも異空間だからこそであり、437階への階段は少し上がると靄に包まれていた。あの靄に入ると、437階へと『飛ぶ』のだろう。


 何はともあれ、まずはこの階の魔物──〈橙鎧龍オレンジドラゴン〉を倒すことだ。


 〈橙鎧龍オレンジドラゴン〉。かつて〈悪鬼羅刹ザ・ボーイ〉が召喚し、アーテル国で暴虐の限りを尽くしたドラゴン。中核都市ボーンでは、紙一重で勝利できたのだった。あのときは《耕作》でスキル実を収穫し、〈龍殺しの毒〉スキルを得て、撃破した。

 だが今回は、《耕作》は使わないで、試してみよう。


橙鎧龍オレンジドラゴン〉からのレーザー光線。私は《鎧装甲:地獄》で完全防御しながら、《操縦》で飛翔。《電光石火》で加速突進。

橙鎧龍オレンジドラゴン〉の体表にいる数多の〈蚤量魔フリーデッド〉を、《阿吽竜巻》で吹き飛ばす。

 そうしてむき出しになった体表へと、すでにチャージを終えた破壊力型の《地破嵐打》を、叩き込む。


橙鎧龍オレンジドラゴン〉の硬い表皮が砕け、数えきれない鱗が飛散。私は〈スーパーコンボ〉の上に立ち、バランスを保ちながら、《地破嵐打》が開いた傷へと、こんどはバランス型の《桜吹雪打》を連打の連打。

 そうして傷口を広げたところで、私は〈橙鎧龍オレンジドラゴン〉体内へと飛び込む。


《黒体波動》で〈橙鎧龍オレンジドラゴン〉の肉を消滅させていく。そうして、どこまでも体内を付き進み──ついに見つけたドラゴンの心臓を、通常攻撃で破壊。

橙鎧龍オレンジドラゴン〉は息絶え、魔素化した。


 着地した私は、周囲で這い回っている〈蚤量魔フリーデッド〉たちを、《阿吽竜巻》一掃する。全撃破まで、196秒だった。


 ふぅ。私も、けっこう強くなれたのかな。


 こうして進み──ついに500階まで攻略したのだった。



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