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46,収穫スキルの可能性。

 


 ふぅ。よくよく考えれば、今はバトル中だよね。

倦怠艶女ミスティナ〉さん側にその気はないかもしれないけども。


 普通、無断で体内に入られて眠り出されたら、それは『攻撃されている』と同じこと。ならば、バトルに入ったというわけだ。


 しかし──まずは、残りスキルポイントを使っておこう。残りは81かぁ。

 ひとまず、打撃領域『武器の打撃力をUPする(打撃Lv.5)』と防御領域『使用者の防御力をUPする(防御Lv.5)』のそれぞれだが、次の未解放パネルを解放。

『武器の打撃力をUPする(打撃Lv.6)』と『使用者の防御力をUPする(防御Lv.6)』だ。

 双方とも解放に必要なスキルポイントは18で、あわせて36を使用。


 こうして、スキル系のパネルだけでなく、基礎力を上げるパネルも並行して解放していかないとね。


 さて、残りスキルポイントは45。そういえば射程領域は、けっこう放置していたかな? 

 魔改造(くわ)〈スーパーコンボ〉を自由自在に動かせる《操縦》が、結果的に飛行能力へと至ったように、意外とバカにならない領域だぞ。


 ところで──射程領域には、二つのルートがある。

《波動砲Lv.2》に続く未解放パネルは《波動砲Lv.3》。射程が60メートルから90メートルへ伸びるぞい。

 うーむ。遠距離攻撃なのだから、射程は伸びるだけ伸びてくれると良い。良いのだけど──面白みがないなぁ。

 あと【覇王魔窟】での戦いでは、そこまで射程にこだわらないし。


 一方で《操縦》に続く未解放パネルは、《電光石火》。

『《操縦》で飛ばす武器に、衝撃波をまとわせ敵へとぶち当てる』スキル。

 どうでしょうね。単純な攻撃力ならば、打撃領域のスキル《爆雷舞》や《破嵐打》のほうが断然と上でしょう。それに、可愛い〈スーパーコンボ〉を飛ばして攻撃して、敵に奪われたら目も当てられない。


 しかし──私が〈スーパーコンボ〉に魔女方式でまたがっている状態でも、《電光石火》は使えるのかな。使えそうだね。ただし衝撃波を発生させているのだから、乗っている私にもダメージがあるよね。

 とはいえ、私はすでに(防御Lv.6)だし、その上で《鎧装甲》を発動しておけば大丈夫そう? ふーむ。なんか、楽しそうかも。

 よし、《電光石火》をスキルポイント25で解放。


 あと《波動砲Lv.3》解放に必要なスキルポイントが20で、綺麗に手持ちのスキルポイントを使いきれるので、なんとなく解放。

 というわけで、今回のスキルツリー開拓で、新たに得たスキルは《耕作:一人前》《波動砲Lv.3》《電光石火》の3つ。とはいえ、《耕作:一人前》《波動砲Lv.3》は、それぞれ前のスキルの強化版だけどね。


 さてと。お勘定して、お店を出る。町からも離れて、まわりには何もない草原へ。

 ここで、さっそく《耕作:一人前》を発動。

 おお。発動と同時に、目の前に耕地が現れ、スキル種も発芽している。あとは収穫できるまで成長するのを待つだけ──。

 それにしても、やっぱり現状は、バトル状態だったのだね。〈倦怠艶女ミスティナ〉さんの気持ち良さそうな寝息を聞くと、なんとなく罪悪感だけど。いやいや、こっちは〈倦怠艶女ミスティナ〉さんが目覚めたとたん、体内から突き破られてゲームオーバーだから。


 さて──収穫まで、まだ時間がかかりそうだ。のんびりと待つ、待って待つ。

 そして──ついに収穫のときが来た! 


 どんなスキル実が、どんな『〈倦怠艶女ミスティナ〉さん撃破のためのスキル』が出てくるのか?──ワクワクして耕地から引き抜いたスキル実だけど、なんだろう、しなびている。

 と思ったら、スキル実からぶわっと蛆が湧き出してきた。


 うわぁ。こんなのは、さすがに食べられないぞ。

 それで確認すると、はたせるかな『栽培失敗!!!』と表示された。

 えーーー、失敗? なんで? 《耕作:一人前》は、失敗することもあるのかぁ。では、その失敗原因とは? 単純な確率的なもの? 

 いや違う。まさしく、バトルの状況次第なのだ。


 ようは敵が強すぎると、失敗するのだ。つまり【覇王魔窟】998階、〈攻略不可能体〉の一体である〈倦怠艶女ミスティナ〉さんを撃破するためのスキル実は、《耕作:一人前》レベルでは栽培できない。

 ただし《耕作》スキルでは不可能、という話ではない。

 まだただの《一人前》に過ぎないのだ。やっとその道の一人前になっただけで、まだまだ熟達者ではない。

 その道を究めた《耕作》ならば、〈攻略不可能体〉相手でも通用するスキル実を栽培してくれることだろう。

 まぁ、とにかく、いまはぬか喜びだったかぁ。


「うん、帰ろ」


 自宅に帰り、ベッドに飛び込んで、ぐっすりと寝た。起きると、朝陽が寝室に差し込んでいる。15時間はぐっすり眠ったようだ。耳を傾けると、私の体内からは〈倦怠艶女ミスティナ〉さんの寝息が聞こえてくる。


「さてと~」


 疲れも取れたし【覇王魔窟】攻略に出発してもいいけど。

 ミリカさんたちに顔を見せておいたほうがいいかな。《操縦》で飛んでいこうかとも思ったけど、ここは乗合馬車でのんびり行くことにする。


 ハーバン伯爵邸に到着。するとハーバン伯爵自身が、出迎えてくれた。


「おはようございます、伯爵さま~」


 ハーバン伯爵が血相を変えて駆けてくると、私の両肩をがしっとつかんでくる。


「おおっ、アリア殿! これも天の助けか! 娘を、娘を止めてくれ!」


 顔見せしにきたことに後悔中、後悔中。


「……………今度は、なんですか?」


「決闘だ! 娘は、エルベン侯爵の私設騎士団団長でもあり、熟練の〈挑戦者ディファイアンス〉でもある、刀使いロクウと決闘するというのだ!! おお、そうだ! アリア殿が、かわりに決闘に出てくれんか!?」


「……………………………………………………まぁ、いいですよ。やりましょう」


 すっごく断りたかったけども、ミリカさんのためなら仕方ない。


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