表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

気付いてしまった事

アイテムカードを加えた新バージョンを三人でプレイ。

画像多数です。一応なくてもわかるよう、効果は文章でも説明していますので、不要な方は機能をオフにしてください。

遊んでる感を出したくて、実際にカード並べてやってみました。

そのためちょっと長くなっていますが、お楽しみいただけたら嬉しいです。

「じゃ、じゃあ相楽さがらさんもルールは大丈夫だね」

「オッケー」

「こ、今回から追加したアイテムカードは、みんなに一枚ずつ配って、後はコースに置いたから、使いたいタイミングで使ってね」

「あたしー、こういうの最後までとっといて使わないタイプー」

「わ、わかるなぁ。完全回復薬とか、ラスボスでも使わなかったり」

「それなー!」


 三枝さえぐさ君と相楽さんは開始前から盛り上がっている。

 私はその輪に入れない。

 こういう時、どうしたらいいんだろう……。


「……始めないの?」

「あ、う、うん。ごめんね藤和とうわさん」

茉里まり、言い方冷たいよー。もっと明るくスマイルでー、『始めましょっ』って言わないとー」

「……」


 何で顎の下で手を握りしめる必要があるんだろう……。


「は、始めま、しょ?」


 わからないけど、必要なら……。


「うっ!?」

「やばい! 茉里そのまま! 攻撃力やばい! 写メ撮る!」

「え、ちょ、やめて……」


 だまされたのかしら……。

 三枝君は真っ赤になって下向いちゃったし……。


「じゃあこれで勝ったらもう一回今のやって!」

「……嫌よ」

「三枝も見たいよね?」

「う、うん……」

「……写真はなしよ」

「オッケー!」


 何だかわからないけど、負けられなくなってしまった。


「じゃ、じゃあ順番はサイコロで決めよう」

「じゃんけんじゃないのー?」

「さ、サイコロで決めるの、すごろくらしくて好きなんだ。か、数が大きい人から順番だよ」

「じゃあ振るわね」


 私は2。


「よっしゃこーい!」


 相楽さんは6。


「よっと」


 三枝君は3。


「じゃああたしからー。えいっ! おー! 6!」


 姫のコマを乗せた黄色のおはじきが進む。


「よっしゃー、アイテムカードゲット!」


 相楽さんは【封印のお札】カードを自分の前に置いた。

挿絵(By みてみん)

 効果は魔王軍のマスを一つめくらないようにできる、か。

 ……どう見てもあのどこでも行けるドアと、ガムテープ、よね?


「つ、次は僕か。3……、アイテムカードで、あ、封印のお札だ」


 三枝君も同じカード。アイテムは同じのが複数あるのね。


「次は私ね」


 サイコロの目は1。やっぱりアイテムカード。

挿絵(By みてみん)

 【魔法の羽根】、着いたマスをめくらないでおけるのね。

 ……これもどう見ても未来道具よね。

 ねこ勇者が「そらをじゆうにとびたいなー」とか言ってるし。


「どんどん行くよー。また6!」


 【下り坂でダッシュ】のカードで更に一マス進む相楽さん。

挿絵(By みてみん)

 これ、追いつけるのかしら。


「ぼ、僕は2か。姫のマスだからそのままだね」


 次こそ進みたい。サイコロを振ると出た目は2。

 魔王軍のマス……。カードは……。


挿絵(By みてみん)


「やば! 魚につられてスタートに戻っちゃったー! ウケるー!」

「と、藤和さん、まだ序盤だから……!」


 【魔王軍の罠】でニマス戻りスタート地点……。

 ……見てなさい。このゲームには一発逆転だってあるんだから……!


「あたしは、2! あ、姫のマスだってー」


 めくったカードは……。


「えっ!? 何これ!? 【集え! 勇者達よ!】? 『全員をお姫様のいるマスに集める』って、えぇ!?」


挿絵(By みてみん)


 これで全員同じ位置に一気に進んだ。

 勝負はこれから!


「え、えっと、何かありがとう。じゃあ進むね」


 同じマスに集まった場合は、一番最初に進む人に姫のコマを乗せる。

 三枝君は2進んで勇者のマス【変装する】の効果で更に2マス。まだ追いつける。


挿絵(By みてみん)


「2、ね……」


 残念。追い越して姫のマスで一発逆転したかったのに。

 アイテムカード【薬草】を取って、私の番は終わり。

挿絵(By みてみん)

 サイコロの目にプラス1できるのね。効果は微妙?

 ……葉っぱ食べて「さかなたべたい」って言うねこ勇者が可愛いからいいか……。


「一気に追い抜くよー! それっ!」


 気合を入れて振った数は2。三枝君と同じマスだけど、そこは魔王軍のマス。


挿絵(By みてみん)


「【ミチニマヨーエの魔法】!? 『自分の番でサイコロの数だけスタートに戻る』!?」


 これで二ターンは私と三枝君の一騎討ちね。


「ぼ、僕は、3。ち、【近道を見つける】で三マス進むね」


挿絵(By みてみん)


 近、道……?

 一発ゴールできそうな未来のドアだし、端には猫つながりのロボットらしき手も見えるけど……。

 ともあれ三枝君は実質六マス進んだ。

 私も追いかけないと。


「また2? アイテムカードばっかり増えるわね……」


 引いたのは【お守り】のカード。

挿絵(By みてみん)

 サイコロの数を減らせる効果は、6とか出ないと意味がないんだけど……。

次は戻らなきゃいけない相楽さんの番ね。


「あー! 何でここで6出るのー!?」


 しかも止まったマスは魔王軍のマス。更に戻らされ……?


挿絵(By みてみん)


「わ、【カゼヨフーケの魔法】だね。ぜ、全員三マス戻るよ」

「えへへー、ごめんねー」


 巻き込まれたけど、全員一緒ならしょうがない。


「ぼ、僕は3、姫のマスかぁ……。ま、【魔法の羽根】もあるけど、ここはめくろう」


 めくったカードは【魔王軍につかまる】。

挿絵(By みてみん)

 魔王軍とトランプしてる。『2回休み』?


「し、しまったぁ。やっぱり羽根使えばよかった……」


 これはチャンス! 一気に追い抜ける!


「3ね」

「茉里、アイテムカード多くない?」

「引き強いね」


 サイコロの目はあまり出てないから、どっちがいいのかわからないけど。

 さて、このカードは……。


挿絵(By みてみん)


「っ!」

「あ! あたしの最初のカードと一緒だー。ムキムキー」

「ぱ、【パワーアップの薬】は、振った数が魔王軍のところに当たる時に使うといいよ」

「……なるほどね」


 ちょっと吹き出した事には気づかれなかったみたい。よかった。


「あたしはまた戻るのかー」


 相楽さんは2でぴったりスタートに戻った。

 三枝君は『2回休み』の効果で動けないから今こそ!


「1……」

「茉里、サイコロ運ないねー」

「し、しかも魔王軍マス……」

「アイテム、使うわ」


 さっき拾った【薬草】の効果で更に一歩。三枝君を追い越して、アイテムカードのマスに。


「また【薬草】……」

「わー! 茉里何か格好いい! 頭使ってる感じするー」

「う、うん、活用してもらえると嬉しい」


 ……何だか嬉しい。

 前に自分が三枝君に言った改善が生かされてるからだろうか。


「まだまだ負けないよー。4! アイテムカードは【不屈の盾】? お! 魔王軍のマスの◯マス戻るで戻らないってー! 使えるー!」


挿絵(By みてみん)


 そんな効果もあるんだ。

 ねこ勇者、大きな猫顔の盾に潰されそうになってるけど……。

 持ち運べるのかな?


「ぼ、僕はもう一回休みだから、藤和さん、どうぞ」


 残り十二マス、すぐ後ろに三枝君。

 私のサイコロ運はイマイチ。ならここで勝負をかける!


「【馬車】のカードで3進むわ」


挿絵(By みてみん)


「姫のマス行くのー!? 今一番なのにー」

「……しょ、勝負に出たね」


 さぁ一気に進めるカード、来い!


「「えっと、【お姫様の優しさ】? 『サイコロを2回振って、好きな方の数で進める』って、やばくなーい!?」

挿絵(By みてみん)

「と、藤和さん、引きいいね……」


 狙ったのとは違うけど、これはチャンス!

 最初は1。うーん、本当にサイコロ運がない。

 もう一回……! 5! 行き先には……!


「姫のマスー! もう一回やるのー?」

「……いいえ、さっき取った【薬草】でもう一マス進むわ」

「! ゆ、勇者のマスで更に進むんだね!」


 あと三マス! お願い! 進ませて!


「【魔王軍をやり過ごす】、『サイコロをもう1回振って進む』だってー! 盛り上がるー!」

挿絵(By みてみん)

「ご、ゴールまでは三マス……。で、でも残りのマスは魔王軍と姫のマス……」


 私のサイコロ運のなさから考えると、まだわからない。

 来い! 3以上! 来い!


「5……!」

「わー! ゴールだー!」

「お、おめでとう藤和さん」

「ありがとう……」


 前の時と違って、運だけじゃなくて勝った感じがする。

 だからかな。二人の祝福を素直に受けられた。


「これめっちゃ面白いねー。もう一回やろーよ」

「あ、で、でももう昼休み終わっちゃうし……」

「じゃあ放課後ー! 茉里もまだ部活ないからできるでしょー?」

「!」


 忘れてた。

 私の足はだいぶ回復してきている。

 治れば部活に戻らないといけない。

 こんな楽しい時間は、もう……。


「……茉里?」

「……何でも、何でもないわ……」


 私はそう答えるのが精一杯だった……。

読了ありがとうございます。


サイコロとカードのせいで、ぷりっこポーズの茉里は幻と消えました。

あーもし負けてたらイラスト描くつもりだったのになー。残念だなー(後出しジャンケン)。


ともあれ近づいてくる別れの予感。

茉里は部活を取るのか、それとも……?

次話をお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 序盤不利からの逆転は、やはり良いですね。 カードのイラストが場の雰囲気を上げすぎずに和ませる印象です。 また、盾や薬や薬草など、勇者の冒険要素もマシマシで、大人から子供まで楽しめるので…
[良い点] そうですか、あいつはねこおばけというのですか…… なんだねこか も好きです。
[良い点] 輪には入れないときどうしたらいいか……笑えばいいと思うよ、茉里ちゃん。 相楽さんが頼んでも嫌、と言ったのを三枝くんがお願いしたら渋々とはいえ了承してしまう茉里ちゃん、可愛いです。 馬…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ