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空手青年戦闘記~負け続けていた青年が師匠を得て最強へと成り上がる~  作者: ゆるや


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全国大会

「ふぅ。いよいよ全国大会だなぁ。負けられないな!」


パンッ


両手で顔の頬を張る。


待機所で待っていると、そこから観客席の様子がみれた。

ふっと見ると悠人が手を振っている。

手を振り返す疾風。


一試合目が始まる。


「次!」


試合会場の中央へ出ていく疾風。


赤い防具を構える。


「始め!」


「シッ!」


いきなり上段蹴りを放ってきた。

しかし、チャンスだった。


上段受けで受けた後、腕をはね上げる。


ズダンッ


仰向けに転がる相手の顔へ


「エイッ!」


突きを放って


「やめ!」


「赤、一本!」


「始め!」


相手が悔しかったようで、めちゃくちゃに攻めてくる。


「シッ! シッ! ハァ! ハァ!」


全て避けながら冷静に隙を見つける。


「セリャァ!」


スパァン


疾風の上段蹴りが決まる。


「やめ!」


「赤、一本!」


「始め!」


「ヤァ!」


中段突きを放ち、そのまま突っ込んでくる。


ザッ


避ける


「ハァ!」


今度は裏拳だ。


バシンッ


「ハァ!」


胴への中段突きが決まる。


「やめ!」


「赤、技あり!」


「赤の勝ち!」


「「ありがとうございました!」」


待機場所に行く途中で悠人に声をかけられた。


「疾風! よかったな! 油断せずに頑張れよ!」


「疾風! 負けたら承知しないわよ!」


朝陽にも激を飛ばされる。


「おう!」


返事をして待機場所へ戻る。


――――――

――――

――


遂に決勝である。


ここまで、長い道のりであった。


感傷に浸っていると


「始め!」


全員に注目される中、試合が始まった。


「セイッ! セイッ!」


左右の中段突きが来る。


ザッ


下がってよけ、お返しとばかりに前蹴りを放つ。


スパァン


決まったかに見えたが、審判が腕を下でクロスして動かしている。

今のは取らないようだ。


「フッ!」


再び前蹴りを放ち、そのままの勢いで


「フッ! セリャァ!」


左右の中段突きを放つ。


「やめ!」


「赤、有効!」


「始め!」


今度は疾風が攻める。


「ハァ!」


回し蹴りを放つが


バンッ


ガードされる


そのまま突きが飛んできた。


スパァン


「やめ!」


(くそっ! これはとられたか!)


「青、有効!」


「始め!」


ここからは一進一退の攻防でどちらにもポイントが入らない。


そうこうしているうちに、時間が来てしまった。


「やめ!」


「判定!」


バッ



























「赤の勝ち!」


ワァァァァァ


「アイツ! ホントに優勝しやがった!」


「凄いじゃない! 全国で一位よ!?」


「国で一位。すごい。」


そのまま表彰式になる。

初めての優勝カップを貰い。


これまでやってきた事を思い出す。


「みんな。本当にありがとう」


一筋の涙が頬を伝い。


疾風の全国大会は終わった。

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