ドワーフに武器作成依頼
鍛冶の話を聞いたフーマ達は武器を作ってもらう鍛冶師を探していた。
「どこの鍛冶師がいいかは全然わかんないからなぁ。どこから探したらいいものか」
「でもよ!? 人伝に聞くしかないんじゃないのか!?」
どうしようか悩んでいるフーマに意見するガントだが、それでも悩んでいるフーマ。
「ん~なんか人通りのないひっそりとした所に」
そう言いながら、町の奥の方へ歩いていくフーマ。
段々と光る鉱石も少なくなってきているが、本当に大丈夫なのだろうか。
「いい感じの鍛冶師さんがいたりしてさぁ」
そう言いながら立ち止まる。
カンッ カンッ カンッ カンッ カンッ
「よしっ。入ってみよう」
音を聞くなりここにしようと決めたフーマ。
「なっ! おい! ホントにここでいいのか!? こう言っちゃなんだが、ボロいぞ!?」
「それがさ、なんかいい気がするんだよね」
ガントが抗議するが、笑いながら流し店の中に入るフーマ。
「すみませーん!」
カンッ カンッ カンッ
「すーーみーーまーーせーーん!!」
大きい声で呼び掛けると
「聞こえてるよ!! ちょっと待でっで!!」
カンッ カンッ カンッ カンッカンッ
カンッ カンッ カンッ カンッカンッ
カンッ カンッカンッ
……
……
しばらくするとドワーフのオジサンがやって来た。
「んで? こったなとごろに、何の用だべ?」
「あっ! 実は武器を作ってもらいたいんですけど……」
フーマが意を決して言うと
「おらに武器をつぐれってが!? んだば、ちょっと構えて攻撃するところを見せてみろ?」
「はい!」
「ふーーーーーっ」
「ハッ! フッ!フッ! セリャァ!!」
前蹴り、中段突き左右と回し蹴りを見せる。
「……ちゃんと鍛錬されでるな。うむ。おめえだずになら、つぐってもいい」
「ホントですか!? ありがとうございます!」
「ただ、材料代だけは、金は取るぞ? それ以外はいらねぇ。おめえだずのこと気に入った! しっかり使ってくれそうだからな!」
フーマがお礼を言うとドワーフは笑顔で対応してくれる。
「おめえは武術士だべや? 後は戦士か?」
「あっ! おれは、騎士です!」
「んだか、どうすっぺ? 剣と盾両方作るか!? 材料代結構かかるけんど?」
「そんなにお金に余裕ないんです! 自分で鉱石とったりして来れますか!?」
「あーよくそういう地上人の人がいるんだげど、この辺はおらたづしか取っちゃいけねぇこどになってんだ!」
「そうなんですか……」
ガックリ落ち込むガントであった。
「じゃあ、俺は守りを固めたいんで、盾でお願いします! 攻撃はフーマに任せてるんで!」
「んだか! いい信頼関係だな!」
フーマに対しての気持ちを語るガントに、いい笑顔で賞賛するドワーフであった。
「神官もいるんだば、魔力伝導率のいいメイス作ってけるか?」
「私もいいんですか!? 是非、お願いします!」
前のめりになるモー二。
「私は。杖。だから……。」
ガッカリするイブにドワーフが声を掛ける。
「杖も金属の杖で良ければだげども、作っか!?」
「いいの!? お願いしたい!」
イブも前のめりにお願いする。
「いいどいいど! 久々に腕がなるだよ! 一週間時間欲しいだよ」
「わかりました! では、お願いします!」
カランカラーン
店を出ると
「また、腹減ったな! 露天見に行こうぜ!」
ガントがそういうと、前を進んでいく。
またパン屋さんにやって来た。
「おめえだづ、武器は作っただか!?」
オジサンがにこやかに質問してくる。
「えぇ。あの奥の暗くなってる辺りの鍛冶屋さんで作成を頼めました」
「なに!? あそこの鍛冶屋で、いらいできただど!?」
「えっ? えぇ。俺達を気に入ったって言ってくれて」
「おめえだづ運がいいな! あの名匠ゲイブの武器をモテるなんて中々ないだぞ!」
パン屋のドワーフがいうと
「えっ!? あの人名匠だったの!? 私達凄い人にお願いできたのね!!」
モー二が驚きの声を上げる。
「そうだな! ラッキーだったな!」
「あぁ! 俺の勘は冴えてたな!」
幸運を喜ぶガントと自分の勘が正しかったことに興奮しているフーマ。
「私の杖も。凄い。ふふっ。」
密かに喜んでいるイブ。
四高一門は、名匠ゲイブの武器を手にし、また更なる飛躍に一歩進んだ。




