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空手青年戦闘記~負け続けていた青年が師匠を得て最強へと成り上がる~  作者: ゆるや


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カザドタウンとドワーフ

「これが入口か?」


ガントが指さして見ているのは洞窟の入口のような穴だ。


「何となく人工的な気がするからそうじゃなおか?」


フーマが答えると


「じゃあ、入ってみるか!」


意気揚々と入っていくガント。


「ちょっとホントに大丈夫なの!?」


モー二は心配そうに抗議している。


「でも。ここしか。入口ない。」


イブが意見するとモー二も「そうね」と静かになった。


中に入っていると



色とりどりの鉱石が壁に埋め込まれていて、カラフルな壁になっている。




「これは……すごい光景だな」


フーマは呟きながら奥を見ると、奥まで続いている。


「なんか、ちょっとずつ下に下がってるわよね?」


「あぁ。そうだな。ドワーフだからか?」


フーマが言うと


「どういうこと!? ドワーフだと何かあるわけ?」


モー二が聞いてくる。


「ドワーフは、地底を好むって言われてるんだ。だから、地下にある町なんじゃないか?」


「ふ~ん。なるほどねぇ」


「フーマ。よく知ってる。」


モー二とイブは初めて知ったのだろう。


「たまたまだよ。おれファンタジーとか結構好きだからさ!」


満面の笑顔で言うフーマの顔を見て、顔を赤らめるモー二。


「す、好きなの!? へぇ~」


「動揺が。すごい。わかりやすい。」


小声で話すイブに


「うるさいわね! 何よ!」


小声で返すモー二。


「ん? どうした?」


不思議そうなフーマ。


「な、なんでもないわよ! ほっ、ほら! なんか町が見えてきたわよ!」


ふと見ると


キラキラした町並みが広がっている。


建物一つ一つが平屋で小さめ。


家の煙突からは煙が上がっている。


(煙が籠らないのか? まぁ、ゲームだからそんなもんなのかな?)


カーンッ  カーンッ  カーンッ


鍛冶をしているような音が聞こえてくる。


露店もあるようだ。


「おめぇだず、地上がらきたんだべ!? でっけぇもんな! パン売ってんだが、買っていくけ?」


呼び止められたフーマ達はパンを見る。


「これは、フランスパン見たいな感じかな?」


「そうね。硬いパンって感じ」


フーマとモー二がパンを見ながら買おうか迷っていると


「あっ! そんだな! こっちのパンの方がいいんでねぇのか?」


出してくれたのはコッペパンだった。


「あっ! それがいいです!」


「んだべ? 地上人は柔らかいパンの方が好きだって聞いたがらな!」


フーマが同意するとそんなことを言うドワーフに


「いや、人それぞれだと思いますよ? 硬いパンが好きな地上人もいると思いますけどね」


「んだか? これに、ここにある具を挟んで食べんだ」


「へぇ~!! 美味そう! 俺このポテトサラダ見たいなやつを、コッペパンに挟んで食べる!!」


ドワーフの説明にガントが食いついて、早速注文する。


「じゃあ、俺は……


それぞれ好きなのを頼んで食べながら歩く4人。


不思議なことに町に食べ物屋や服屋、帽子屋、靴屋、普段身につける物の店があっても、武器屋はない。


疑問に思いながら歩いていると、薬屋がある。


「なぁ、回復薬とか買っておきたいから寄っていいか?」


フーマが言うとみんな賛同して寄ることになった。


カランカラーン


中に入ると、小さな女の人が店番をしていた。


「あら、いらっしゃい! 地上人なんて、珍しいだなぁ」


「あ、こんにちは。棚みていいですか?」


「みてってけろ~」


「ん?? 見ていいってことか?」


「見てって下さいってさ!」


フーマが疑問に思っていると、モー二が教えてくれた。


「なんでわかるんだ?」


不思議そうに聞くフーマにモー二が


「私達の親戚にはああいう方言の人もいるから、何となく分かるのよ!」


「なんか、すげぇな」


感心するフーマ。


回復薬を持って


「これ下さい」


回復薬を5本だす。


「んだば、4000マーニだな」


「あっ、はい。これで、お願いします」


お金を渡すと


「なんか回復薬安くないですか?」


フーマが聞くと店員さんが


「んだなぁ。ここには武器とか防具とかオーダーメイドでそこらの店に頼む人ばっかりで、薬屋に来る人が珍しいんだ。だがら、安くしてねぇと売れねぇのよぉ」


「あっ、そうなんですね。だから、武器屋とか防具屋がないのか」


「んだよぉ。そこら辺の店は全部鍛冶屋だからねぇ。みんな好きな人の所に素材持ち込んで武器を作ってもらうのさぁ」


「なるほど、教えて頂いてありがとうございます!」


「んなことねぇよ。また、来てけんろ」


「はい!」


ドワーフの女の人の笑顔に笑顔で返すフーマ。


横では少し黒いオーラを放っているモー二。


「なんで、アイツは毎回毎回店員さんと仲良くなるのよ!」


聞こえないように呟きながら


ダンッ!


「いでぇ!」


ガントが片足を抑えながらピョンピョンしている。


「なんで、おれがとばっちり食うんだよ!」


「何か言った!?」


モー二が凄むと


「ナンデモナイデス」


固まるガント。


カザドタウンのドワーフはちょっとアットホームな感じがしたフーマであった。

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