最前線2
アイテムを揃え終えた四人は再び集まっていた。
「どこの第二の町をまず目指すんだ?」
フーマが聞くと
「セカンテアの先のカザドタウンが一番行きやすいらしいから、そこから目指そうぜ!」
ガントが勢い良く答える。
「一番行きやすいなら、そこに決定ね!」
モーニも賛同する。
「よし! 行くぞ!」
ガントを先頭に行く四人。
ファステアからセカンテアに移動する。
道中のモンスターを危なげなく倒しながら進む。
セカンテアに着くと、そのまま通過し、カザドタウンを目指す。
周りが岩だらけで視界が悪くなってきていた。
「みんな。周りを警戒しながら行くぞ。視界が悪い」
「おう!」
「えぇ」
「了解。」
しばらく進むと
ゴロゴロゴロゴロ・・・・・
「止まれ!」
四人が止まり辺りを見回す
ゴロゴロゴロゴロ
「みんな! 散開!」
一斉に散らばる
ドゴォォォォォォン
さっきまでいた所の岩が破壊される。
『グォォ』
岩が起き上がったように見える。
「なんだ!? 岩が起き上がった!」
よく見ると背中に岩が付いている。
こちらを振り向くと、大きいアルマジロの背中に岩がくっついているようなモンスターであった。
「あれは、ロックジロだ! 背中は硬い! 正面を狙うしかないぞ!」
ガントが指示を出す。
「俺が、気を引く! 挑発!!」
ガントが前に出る。
ロックジロが殴りつけてくる。
ガヅンッ
「くっ!」
膝をつくガント。
「風衝!」
動きが止まったところにフーマが懐へ潜り込む。
ドパァァァァァン
『グオォォォォォ』
下がるロックジロは、体を丸めだした。
「転がってくるぞ! 避けろ!」
ガントとフーマは即座に飛びのく
モーニも何とか避けるが、イブが逃げ遅れる。
ギャリッ
「キャァァ」
イブの体を掠めて行く。
ドガァァァァン
また岩を破壊して止まる。
「イブ! 大丈夫か! モーニ! 回復を頼む! これは厄介だな。攻撃する度にこれだともたないな」
フーマが苦い顔をしながら呟く。
「イブ! ヒーリング!」
イブを光が包み回復していく。
「ガント! もう一回引き付けてくれ! 一発重いのを試してみる!」
「おう! 任せろ!」
『グォォ』
また起き上がり、振り返るロックジロ。
「挑発!! こっちだ」
チクチク剣で攻撃するガントにロックジロがまた殴りかかる。
ガヅンッ
盾で何とか受け止めるガント。
(今しかない!)
ダンッ
ロックジロの懐へ潜り込む。
拳を引き絞る
「風震」
ドグゥゥゥゥゥゥンッ
風の振動がロックジロの体全体に巡っていく。
『グボォ』
全身が徐々に光の粒子に変わっていく。
「ふぅ。なんとかなったなぁ」
ほっとしたように言うフーマ。
「さすが、フーマ! しっかし、雑魚の敵でこれか? かなり手こずるな」
「最前線は伊達じゃないわね! 苦労しそうだわ」
モーニが苦い顔をしながら言う。
「ごめん。足引っ張った。」
イブが謝ると
「気にするなよぉ。次は反応できるだろうし、初見だったからしょうがない」
「そうだな! 油断せず行こう!」
ガントが前へと進む。
最前線の洗礼は、まだ始まったばかりだ。




